拝啓
六角堂の守り神様でもあり、一時開いていた「夜カフェ」オーナーの静香さん。
実は、SWEET SMOKERです。
六角堂はコテージも母屋も室内禁煙のため、
外に出られない静香さんのお好みの銘柄は、
「ORION’S COCOA CIGARETTE」。
それに対して私はと言えば、
「CHERRY 」に始まり、数種類の変遷を経て、
この十数年は世界の「Peace」と人類の「HOPE」を日毎祈念して参りました。
半世紀近くに渡る喫煙歴ではありますが、
4年ほど禁煙した時期も。
とある事情で、次男が成人するまでタバコをやめようと決心。
しかし、息子が無事成人した日からまた喫煙再開。
その次男が30代半ばで腎不全になり、
私の腎臓を一個移植してやるための手術準備で半年禁煙。
その後、次男は結婚し、この夏には子供を授かりました。
長男の子供たちと合わせて三人の孫持ちになった今、
親としての役割を果たし終えた気分で、
心置きなくぷかりぷかり。
そんな折、
六角堂コテージに3週間ほどご滞在下さった若いヘビースモーカーのご夫婦が、こんなお話を。
「先日泊まった鹿児島の繁華街の道はきれいでした。コンビニや飲食店の前に灰皿があるなんて東京ではありえません。新宿の町など、そこら中にポイ捨てが目立ちます。屋久島でもAコープやお土産物屋の店先に灰皿があってよかったです」
とはいうものの、
六角堂最寄りのホトー川バス停付近にはポイ捨てが。
ごみ捨てに行くたびに落ちている吸殻を拾っている日々。
そこで、テラス席で喫煙可能な屋久島のカフェはどこか、
探り直すことを思い立ちました。
1. 永田の「Sea & Sun」さん
愛らしい招き猫に出迎えられて、今回頂いたのは「ガバオライス」。
香り高いごはんと色とりどりの野菜を頂いた後、
口永良部島を正面に望むテラス席に移動して「ラッシー」を頂きながら、
ぷかりぷかり。
2. 長峰(小瀬田)の「喫茶 樹林」さん。
ブランコのある庭のテラス席で、
「オーロラカレー」の激辛大盛を頂いた後、
「ウインナー珈琲」をゆっくり啜りつつ、
ぷかりぷかり。
3. 安房「和茶灯(わさび)」さん
テラス席でまずは「日替わり定食」をはぐはぐ。
食後にセットで付いてくる珈琲を安房川の河口を眺めて啜りつつ、
ぷかりぷかり。
4. 安房の「Smiley」さん
店内レジ脇には「今だけメニュー」のボードが。
そこでYasuko Special「すいーとポテトのおとなパフェ」と月姫茶を注文。
もごもご頂いた後、月姫茶を持ってテラス席へ移動し、
安房川と海の混じり合う水面を眺めつつ、
ぷかりぷかり。
その翌週は、
Yumeko Special「カボチャのスパイシータルト」と月姫茶を注文し、
出来上がるまで、テラス席でぷかりぷかり。
5. 平内の「naa yuu cafe」さん
この日は食後だったので、おやつのメニューを眺めつつ。
「リンゴのシブーストのタルト」と紅茶を頂くことに。
甘いタルトを頂いた後、二杯目の紅茶とともに
ぷかりぷかり。
その翌週は、
アツアツの豚まんを店内で頂いた後、テラスに出て、
ぷかりぷかり。
ただし、他のお客様がいらっしゃる時は、風向きに気を留めてとの条件付きです。
私の知る限りの喫煙可能な五つのテラスのご案内でした。
なお、ぷかり中、
いずれのテラスにも他のお客様はいらっしゃらなかったことを申し添えておきます。
また、
屋久島には店内でタバコを吸えるお店もあります。
その代表的な喫茶店は、
宮之浦の「喫茶 ドルフィン」さん。
ただ、煙が耐え難い方もいらっしゃるのも事実。
屋久島では、お客様の選択の便宜を図るため、
禁煙のステッカーを張っているお店はありますが、
「喫煙可能」や「未成年者入店禁止」のステッカーを入り口に張ったお店を見掛けたことがありません。
多様な人がそれぞれに安楽を享受できる空間を作ることも大切かと。
それで、
先日の鹿児島行きでは積極的に喫煙可能のカフェ(未成年入店禁止店)を探訪。
お店の入り口に喫煙OKのサインが出ています。
もう一つのカレーと珈琲 その1 屋久島カレー事情 第110回 モンマサラ+鹿児島巡り ① - 屋久島六角堂便り~手紙
もう一つのカレーと珈琲 その2 屋久島カレー事情 第111回 鹿児島巡り② - 屋久島六角堂便り~手紙
もう一つのカレーと珈琲 その3屋久島カレー事情 第112回 鹿児島巡り③ - 屋久島六角堂便り~手紙
「健康に悪いと科学的に証明され、副流煙が近隣の迷惑になることを分かっていながらなお吸うのは、理性・知性・公共心の低さの証明。依存症から抜け出せないのはセルフコントロール能力の欠如だ」とおっしゃる方がいらっしゃるのも事実。
ただね。
あえて反論は致しませんが、一つの文化を撲滅しようとする潔癖・清潔志向の社会の流れにはいささか。
いろんな人間が上手に折り合いを付けながら暮らしていける島、世界であってほしいと願うばかりです。
余計なお世話のブログ記事、失礼いたしました。
敬具
追伸
ついでながら、私の父もヘビースモーカーでした。
若い頃は「いこい」、少し給料が上がってからは「ハイライト」を吸っていました。
私が子供の頃、多くの父親がするように、自慢げにタバコの煙で輪っかを作って子供を喜ばせようとしていました。
それに対して母親はタバコの匂いや灰皿の始末にうんざりしていたようですが、言葉にはしませんでした。
それが夫婦の不仲の原因の一つにもなっていたのかもしれません。
その父も母に先立たれた70代半ばで禁煙し、母の死の二年後に肺がんで死にました。
思えば昭和の時代、職場でも学校の職員室でも当たり前のように煙が漂っていました。
映画でもテレビドラマでも喫煙シーンは当たり前。
大企業の社長さんが来客に舶来のタバコや葉巻を薦めるシーンや、上司や先輩が部下や後輩を慰めるためにタバコを差し出すシーンも定番でした。
ある種のコミュニケーションツール、あるいは「思いやり」の象徴だったのかも。
それが平成の半ばあたりに時代の潮流が変わり、それまで声を上げられなかった非喫煙者・嫌煙者の声が市民権を得、F1の世界からもマールボロやラークの車体が消え、テレビドラマや映画の喫煙シーンも消えました。
健康志向と無臭礼賛社会の増進、それと裏腹の格差社会の進行とともに、タバコは低所得、低学歴者の嗜み、厭うべき依存症患者の烙印を押されるようになった今日。
喫煙はもはや『かっこいい』行為ではなく、『恥ずべき』行為になり下がったのかもしれません。
『先進国』の喫煙者は完全に隔離されるべきマイノリティーとなり果てました。
そんな中で目立つのは女性の喫煙者。
商業施設や空港の喫煙コーナー、喫煙可能な喫茶店で煙をくゆらす女性の姿が目につきます。
その一方、「あの女優・モデルも喫煙者」などという記事がネットには溢れています。
男性喫煙者はほとんど話題にもされないのに。
これが何を意味するのか。
様々な「格差」を映し出すのがタバコの煙なのか。
島のカフェのテラスで、ぷかりぷかりと考え中です。