屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

もう一つのカレーと珈琲 その2 屋久島カレー事情 第111回 鹿児島巡り②

拝啓

今回の鹿児島行きの 目的の一つが映画『荒野に希望の灯をともす 医師·中村哲 現地活動35年の軌跡』の鑑賞。

3年前の2019年12月に凶弾に倒れた中村哲医師のアフガニスタンでの活動記録ドキュメンタリー完全版。

干上がった荒野が灌漑され緑なす畑地に変わっていく映像が圧巻。

戦争や貧困、圧倒的な自然の力と向き合う中村医師のひと言一言が胸に染み入りました。

 

私がアフガニスタンに行ったのは19年前、2003年の12月。

その時飛行機の窓から眺めた茶色の大地や禿山、カブールの子供達の笑顔が想い起こされました。

あの子達は生きて成人を迎えられたのでしょうか。

 

そんな想いを背にしょいながらホテルにチェックインし、荷物を置いて再度映画館へ。

次の映画は3時間近くあるため、取り敢えず腹ごしらえに入ったのがすき家

本当は牛丼を頂くつもりだったのですが、新発売のチキンカレーの案内シートに心惹かれ、

辛口のファイヤー炭火チキンカレー並盛を注文。

注文してから食べ終わるまで15分掛からないのが何より。

 

で、そそくさとガーデンズシネマへ。

次なる作品は、インド映画史上最大の制作費を掛けたと評判の映画、ラージャマウリ監督の『RRR』

舞台は100年前。植民地時代の支配者イギリス人(白人)の横暴と闘うインド人レジスタンスのヒーロー伝。

チケットを買う時「マサラ上映です」と言われて、何のことか分からなかったのですが……

よーするに上映前に入口で希望者はタンバリンや鈴を受け取り、映画の場面に応じてシャカシャカ鳴らしたり紙吹雪を舞いあげて楽しむ上映スタイル。

大迫力の肉弾バトルシーンとインド映画特有のダンスシーンでは大盛り上がり。

初体験でしたが、息を呑む緊迫の場面では鳴り物も止んで皆が観入っているのが面白くもあり。

 

アフガニスタンとインド。

二つの映画に共通するのは暴力と戦う武器は民衆の声と共感、そして自然への畏敬の念であると言うことかも。

 

9時30分の終演後、開いてるかどうか心配しつつ向かったのが、

天文館のグルメ通りにあるスリランカかごしま」

しっかりやっていてくれました。

注文したのはマトンカレー(辛さは10倍)、サモサ、スリランカロール、プレーンナン

辛みよりまろやかさが先に来るカレーの滋味とサモサの楽しい食感が健在でした。

 

で、この日の締めは天文館通の路地を入った老舗喫茶店「LIME LIGHT」

こちらも昔ながらの喫煙可能店。

頂いたのはエチオピアモカ

いつものマスターではなく女性スタッフが淹れて下さったせいなのか、風味も味わいも柔らかでした。

その店内の壁面の棚に注目。

六角形のカップとソーサーが。

何処の産なのかスタッフさんに伺いましたが、「マスターのカップなので分かりません」とのこと。

謎解きは次回の来店のお楽しみに。

閉店間際にお越しのお客様は少しばかりご高齢の女性のお一人様。

どうやらご常連のご様子。

お店の愛され方が忍ばれます。

 

ホテルに戻ったのは11時前。

ゆっくり温泉に浸かって疲れを癒しました。

 

さて明日の最終便に乗るまで、何処を巡ることができるやら。

 

敬具