拝啓
京都の商店街を歩けば必ず行き当たるのが和菓子屋。
茶会に出されるような洗練された工芸品のような和菓子は観るだけでも楽しいですが、
庶民の三時のおやつになる気取らない和菓子を置く昔ながらのお店もまた。
今回お世話になっている病院の徒歩圏内、
京都出町柳の出町桝形商店街入り口脇にある
「出町 ふたば」さんはその一番の売れっ子店。
京阪出町柳駅から二つの橋を渡ると、すぐそこから行列。
お店はその先の信号を渡ったところ。
並んでいるのは老若男女、市内市外を問わず、
中には外国人の方(たぶん留学生や日本で働いている人)も。
売れ筋は豆餅やよもぎ餅、
季節限定の餅や団子。
そして赤飯。
餅好きを虜にする、絶品豆大福。京都「出町ふたば」人気の理由 | icotto(イコット)
島の人が見たら、
「なんでこんなもんを一時間以上並んで買うんじゃろ?」となるかもしれませんが、
それが並ぶのです。
京都市内の人も、観光客のお客様も外国人の方までも。
並びこそしなくても、
地域の人に愛され続けてン十年という和菓子屋さんは、
特別な観光地、商業地ではない地区でも必ずと言ってよいほど一軒は。
そんな店先でよく見かけるのが、
季節折々人生節目節目に口にされる和菓子の一覧表。
今回入院するまでに泊まった墨染近辺には老舗の和菓子屋も有り、
新興チェーン店もあり。
翻って島の和菓子屋を思い起こせば、
誰もが知ってる宮之浦の新月堂さん。
以前どら焼きとおはぎをご案内いたしました。
屋久島ボンボンポイ第61+2回 &屋久島あいすくるりん 第33回 宮之浦のお萩二種と志戸子のかき氷
ただ、新月堂さんの主力商品は洋菓子に傾きつつあるご様子。
2015年の未利用資源素材商品化プランコンテストで最優秀賞を受賞した
「たんかん香るしっとりパウンドケーキ」は、
一方、
島民にも案外知られていない味わい深いお店が、
一湊の平海製菓さん。
いわゆる昔ながらの和菓子屋さんのイメージに一番近い島のお店はこちらかも。
こちらでも以前どら焼きや一湊ならではの菓子を頂きました。
屋久島ボンボンポイ第11回 耳の口がアン 雪苔屋のどら焼き - 屋久島六角堂便り~手紙
屋久島弁当三昧 第12回 シナモンロールでシマロール 前編 北の四店 - 屋久島六角堂便り~手紙
また、宮之浦で地区の婦人会が運営する
「ふれあいプラザやくしま館」では
かからん団子にサバ節を絡めた塩ラッキョウとタンカンゼリーが添えられた
「団子セット」を頂けます。
屋久島あいすくるりん 第4回 もりもりに盛りて伝えん島心 - 屋久島六角堂便り~手紙
下って楠川の「DRIFT WOOD Cafe HI7TA(ひなた)」さんでは
「かからん団子セット」。
屋久島ボンボンポイ第60+2回 楠川 DRIFT WOOD Cafe HI7TA 新緑のかからん団子 - 屋久島六角堂便り~手紙
小瀬田の「愛子の里」さんでは、
一年を通してかからん団子やツノマキを頂くことも。
屋久島弁当三昧 第7回 藪の中から屋久鹿は見た! 宮之浦 ほっともっと+小瀬田 愛子の里 - 屋久島六角堂便り~手紙
そこから空港を越えた、
永久保の「いっぷく処 尾花園」さんでは、
「かからん団子」や「つのまき」に加え、冬は「焼き芋」の無人販売も。
屋久島無印食品 その3 無人市ロードマップ No.10 永久保で団子と焼きいも - 屋久島六角堂便り~手紙
ご主人がご健在の頃はうどんなども店内販売されておりましたが、亡くなられた後は無人販売に。
この先、島の南部では
麦生の「むいごっ娘」さんが閉店されてしまった今、
年間通して島の和菓子を頂ける店はなくなり、
わずかに、
原の「つむコロキッチン」さんで十五夜のおはぎが置いてあったり、
屋久島ボンボンポイ第30+2回 十五夜の照らす浜辺に団子あれ つむコロお萩 - 屋久島六角堂便り~手紙
時季によっては尾之間の「サロン湯の峯」さんで
「もちもち豆腐の白玉汁粉」を頂けるくらいかと。
屋久島ボンボンポイ第55+2回 リンゴ可愛や第12回(最終回+1)離島カード割セット尾之間 サロン湯の峯 - 屋久島六角堂便り~手紙
さて、
ここまで島の和菓子を振り返ってみて気付いたことは、
地区の「高齢者交流サロン」や婦人会活動の支え。
「高齢者交流サロン」の名を聞いたことはあっても、
それがどんなものか知らない島民も結構いらっしゃるかと。
2017年4月の屋久島町報では、次のようなお知らせも。
ff19a9db9e51e2ec4829ba03b2026d86.pdf (yakushima.kagoshima.jp)
また、町役場では、全110ページの立派な高齢者向け事業計画が作られていますが、
高齢者福祉計画・介護保険事業計画 | 屋久島町|人と自然と。世界自然遺産屋久島 (yakushima.kagoshima.jp)
ザザッと眼を通したところで眼に留まったのは……
住民の身近な圏域で、
住民が主体的に
地域課題を把握して解決を試みる体制づくり
及び
育児、介護、障がい、貧困、
さらには
育児と介護に同時に直面する家庭など、
世帯全体の複合化・複雑化した課題を
包括的に受け止める
総合的な相談支援体制づくりを推進
などとあるものの、
様々な立場の島民が具体的なイメージを共有できる
過去・現在の実例や具体的な新提案などは紹介されていないのが残念。
そこで、
これまでご案内した和菓子と、
こちらも島では数少ないコレとで、
高齢化のみならず島の地域&経済の課題を解決する糸口を。
辛口と甘口のタレを好きなだけ塗りたくり、
好きなだけ削り節と青海苔を掛けられる
ブタ+肉(関西では牛のこと)+イカ+エビ+玉子=スペシャルお好み焼き。
熱っつ厚の鉄板にアクリルボードなど載せられるはずもなく、
下町のお好み焼き屋ではコロナなんぞどこ吹く風。
40年ぶりに訪れたリピーターの一人として、
地元の家族連れやカップルさんと隣り合わせでフーフーハグハグ。
好物の山椒たっぷり砂ズリや焦げた醤油の香るゲソの歯ごたえを堪能。
昔はステンレスの取っ手付きボールに入った具材を、
自分好みに焼くこともできましたが、
今は女将さんが空きテーブルの鉄板でジュージューと。
40年前おばちゃんだった女将さんは、
今や80代?ひょっとしたら90行ってるかも。
二泊三日で縄文+白谷+西部林道を駆け抜ける
弾丸ツアーのお客様はいざ知らず、
島の情緒を楽しみたいお客様やリピーター様、
長期滞在のお客様の多くは、
自然だけでなくヒトに対しても「未知との遭遇」を願うもの。
それが叶ったお客様のリピーター率が高いことは
多くのお宿の経営者の知る所かと。
気心も裏も表も知り尽くした
幼馴染や親族一同の気楽な付き合いを楽しみつつも、
これまで千度繰り返してきたお馴染みの話を、
たまげたように興味を持って聞いてくれる相手と出会うことは良い刺激にも。
それを可能にするのが各集落に設置する「島の駅」。
島の茶菓子や屋久島茶、
タンカンジュースやハーブティーを頂くだけでなく、
飯時に限らず“屋久島あるある”のランチ難民には、
もちろん島焼酎の昼飲みもOK
刺激や生き甲斐が欲しい地区住民と
島の「生」を求める観光・移住希望者が出会う場を。
駅の管理は地区ごとで行い、
不足する経費や開業資金は町が補助する。
更には、新参者と古株とのコラボで、
大胆かつワクワク感あふれる新商品開発の場に。
こんなことを言えばまた、
帰って来る言葉も予想できますが、
それでも言わないより言った方がまし。
選挙も行ってこそナンボのもん。
少しばかり話が長くなり過ぎましたので、
今回はここまでにし、
次回はもう一つの集いの場、
“ウオーターフロント”について少しばかり。
敬具
「おみずの島プロジェクト」の記事一覧 - 屋久島六角堂便り~手紙
追伸
今回の京都での入院は、
2年前に故障した1986年式NARITA J2のレストアのため。
壊れたパーツの補修用に1958年式NARITA F1の腎臓一個を移植する手術。
なにせ元がポンコツの中古品。
提供したパーツの耐用年数は15年持てば御の字だとのことですが、
とりあえず12日に修理成功。
ご心配下さった皆様には、心より感謝申し上げます。
追追伸
耐用年数は考えようによっては、新治療法開発のリードタイム。
それが叶うようにするためには、医療技術が健全に進展するような環境が必須。
天変地異は致し方ありませんが、大不況や戦乱は人智で避けられるもの。
だからこそ、
今月末の衆議院議員選挙では、
医療や福祉や学術に冷淡で、
軍拡万歳の現政権をひっくり返したいものです。
今がよければ現政権、よくないのなら別のどこにでも。
棄権の選択は、
現状肯定、
あるいは強いもんの味方になることの意思表示です。
それはいじめが、
多数の無視、無関心に支えられているのと同じ構造かと。