拝啓
9月23日秋分の日はお彼岸の中日。
前後各3日を合わせた各7日間(1年で計14日間)。
中日に先祖に感謝し、
残る6日は、
悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日とされている特別な日。
そんなお彼岸、今年も六角堂の庭には萩の花が咲いております。
思い起こせば1年前。
島の「自家製お萩」を訪ねる旅をしておりましたが、結局出会うことはできませんでした。
島で生まれ育った方に聞けば「屋久島ではお萩はお彼岸じゃなくって十五夜」とのこと。
去年の仲秋の名月は10月1日で、その日に原の「つむコロキッチン」さんで自家製お萩と巡り会えました。
今年もお彼岸にお萩を食べることはないのだろうと思っていたところ、
先日、志戸子のkiinaさんから「わいわいランドで五色おはぎ売ってるよ」との情報。
そこでパタパタ行ってみると、どうやら売り切れ。
ただ今年はお彼岸と仲秋の名月が重なったこともありお月見団子をゲット。
ただやはり、
それでは気が済まず、その足で宮之浦の新月堂さんに伺えば、
「今年はお彼岸の中日、9月23日の朝から作ります」とのありがたいお話。
と言う訳で、前置きが長くなりましたがお彼岸の中日、
新月堂さんへ。
社長さん自らお一人でこしらえたという四色おはぎを頂いた後、
前回のブログでお伝えした「らーめん らんちぼっくすさん」でのお詫びの一食を頂き、
屋久島ラーメンの細道 第43回 健在でした、厚切りチャーシュー麺 宮之浦 らーめん らんちぼっくす - 屋久島六角堂便り~手紙 (hatenablog.com)
お礼方々、kiinaさんでお茶を一服。
よもやま話の後、
駐車場に戻るとかき氷の旗。
土日限定で志戸子地区の方がお店を出しているとは聞いていましたが、
今日は祭日と言うことで営業中。
せっかくなので「ハワイアンブルー」を頂くことに。
強い日差しにどんどん溶けかかるかき氷と、新月堂のお萩を浜辺で頂こうとパタパタするれば、浜の石に蹴躓いてかき氷の上三分の一が落下。
悲しい( ノД`)シクシク…
四色お萩は左上から時計回りで粒餡、粒餡入りきな粉、こしあん、こし餡入り胡麻。
こし餡を一口頬張り、半分溶けたかき氷をシャリシャリ。
三途の川を渡った彼岸で一息入れた気分に。
ゆえあって来月半ばまで糖質制限をしている最中、
残りの三つはボランティアでお店を出しておられるお姉様方にお裾分け。
大喜びしていただけました。
これで六波羅蜜の一つを曲がりなりにも実行。
ちなみに六波羅蜜とは……
(1) 施しという完全な徳 (布施波羅蜜)
(2) 戒律を守るという完全な徳 (持戒波羅蜜)
(3) 忍耐という完全な徳 (忍辱波羅蜜)
(4) 努力を行うという完全な徳 (精進波羅蜜)
(5) 精神統一という完全な徳 (禅定波羅蜜)
(6) 仏教の究極目的である悟りの智慧という完全な徳 (般若波羅蜜)
で、これで本日の目的は果たせたと満足しつつ帰ればよいものを、
しつこい性分が再度ムクムク湧き起こり、
噂に聞いた「五色おはぎ」がひょっとして、と「わいわいランド」で停車。
すると、しっかり待ってくれておりました。
あったのは五色ではなく、四色おはぎ五個入りパック。
いそいそ六角堂に戻り、開けパック!
四色は新月堂さんのお萩とほぼ同様。
磯の香り漂う「青海苔」があれば完璧だったのですが……
問題は左下の「がめの葉」。
聞いたことない。
Wikipediaで調べると「がめ」とは「サルトリイバラ」のことだと。
和名サルトリイバラの由来は、つる性の茎には棘があることから、「これでは猿も思うようには動けない」という意味だとか。
そして別名は「かから」。
何のことはない、屋久島(鹿児島)でおなじみの「かからん団子」の葉っぱやないですか。
ちなみに「がめの葉饅頭(団子)」は九州筑前、福岡県の名産だと農林水産省は言っております。
「がめの葉饅頭」の”がめ”とは、
福岡県北部では亀やスッポンを「がめ」と呼び、その甲羅にそっくりな葉っぱであることからだとも。
五色おはぎパックのシールをとくと眺めれば、
なるほど、販売元は福岡県の「菓心堂」さん。
熊本県の工場から海を渡ってはるばる島までようおこし。
島のかからん団子はあまり季節感を感じさせないお菓子ですが、
かからを使った新たな商品を開発するお店が、
一つくらい出てきてもよいのではと思う秋の夕暮れ。
敬具