屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

旅のまとめ その⑤ 紀三井寺の六角堂と和歌浦の『油屋』 泉州の居酒屋

拝啓

旅も五日目、1月13日。

この日は秘かな人気スポットと聞く和歌の浦の「和歌浦食堂」で昼食を頂くのが主たる目当て。

 

ところが和歌浦行きのバスに乗りそびれ、次のバスは1時間半後。

そこでJRで紀三井寺へと向かうことにしたのですが、乗れる普通電車は1時間先。

 

またしてもタリーズで朝食がてら時間待ちを。

 

1時間待ちでJR紀勢線普通電車に乗車後、

10分ほどで到着した紀三井寺駅から徒歩10分。

紀三井寺の山門から本殿まではまた急な階段。

見れば、「ケーブルカーのりば」の大きな看板。

歩くのは厭いませんが、

乗り物に乗るのも今回の旅の目当ての一つなので乗車することに。

参拝料400円+ケーブルカー代200円。

所要時間ほぼ2分。

 

下車してすぐに目に入ったのが、なんと六角堂

お堂の中には観音様がずらりと。

由緒書きによれば江戸時代の建立。

何にせよ、思いがけないご縁でした。

 

そして六角堂の傍らにあったのは「文塚」

正式には「迷い子郵便供養之塚」

届けられずに焼かれた全国の郵便の灰をここに収めて供養する塚なのだとか。

 

こうして『手紙』と名付けたブログを書いている身。

かつて生徒や親御さんに出していた学級通信や学年通信のタイトルも『手紙』

その手紙を読んで下さった方が、このブログを読んで下さっているかも。

そう思うとシミジミします。

 

その後、日本最大の木造観音立像を見上げ、

 

本堂前に座られている「びんするさん」をなで、

 

こちらにも鎮座されていた波切不動明王さんにご挨拶。

 

さて、ぼちぼち和歌の浦へと向かおうかと。

 

案内板によれば和歌の浦は川の対岸。

途中には東照宮や天神さんも。

 

境内から眺むれば、真正面に和歌浦漁港が。

 

えっちらおっちら階段を下り、グーグル頼りに歩いて行くことに……

したものの結構先は長そう。

 

ネットでレンタル自転車の店を検索して電話で問い合わせると、

「今はもうやってません」とのお答え。

 

そこでテクテク橋を渡り、

川沿いから漁港に向けてテクテクすれば、

紀伊東照宮

またまた急な階段を上り、拝殿へ。

 

社務所掲示が目に留まりました。

神職巫女のガイド」!

お願いしました。

 

左甚五郎作の彫刻などの説明やら、お宮の祭礼などについて20分ほどの案内。

記念撮影にも快く応じて下さいました。

 

そこからまたテクテク歩いて和歌浦天満宮さんに。

まるで絶壁のような階段。

登り切ってお使いの牛を撫で、

 

またテクテクテクテク。

やっと「わかうら食堂」に到着。

廃業された築90年の旅館をリノベーション。

玄関を入ると古風なしつらえ。

階段を上がった二階が食堂。

 

紀三井寺駅に着いてから寺や神社を巡り、

漁港を望む窓際の席に座るまで約3時間歩き詰め。

ああ~くたびれた。

 

かなり遅めのランチを頂くことに。

 

WAKASYOKU名物「鯛しゃぶ」はお高いので、

「豪華絢爛 WAKASYOKU丼」ドリンクセットを注文。

タイ、カンパチ、イカ、サーモン、エビにハスや大葉やキュウリやレモンが彩を増し、賑やかな盛り付け。

頂いてみると、その下に隠れたシラスがほくほくでなんとも美味。

ご馳走様でした。

 

実はこの「わかうら食堂」

ジブリ映画千と千尋の神隠しの舞台となる『油屋』の趣があると一部で評判。

 

日本各地のみならず、海外にもモデルではないかと言われている場所がいくつも。

千と千尋の神隠しの本当のモデルや舞台はどこ?各地に点在する温泉旅館 | らくらく湯旅 (fmworld.net)

 

中でも気になっていたのは台湾の「九份(ジョウフン)」

屋久島には「千尋(センピロ)の滝」がせっかくあるのですから、

白谷雲水峡の「もののけの森」と対、

というより対極の、

安房川河口の街並みを「千と千尋ランド」に改造出来たら、

どんなに面白かろうとかねてより妄想しております。

島の魚介やジビエを楽しめる飲食店街の中心に「油屋」を模したスパを。

その支配人にはだれがふさわしいか、

屋久島湯婆婆コンテストも開催。

八百万の神々の着ぐるみをっきたスタッフがお客様を接待。

妄想はいくらでも膨らみます。

 

今回は明るいうちに訪れたのでピンとは来ませんでしたが、

夜の趣は如何ほどか。

想像するしかないのが残念ですが、

十分に妄想のネタを頂くことができました。

これもまた、ご馳走様でした。

 

さて、それからの帰路。

リュックを紀三井寺駅のコインロッカーに預けているのでそこまで戻らねばならないのですが、同じ道をまた歩くのも退屈。

お店の方にバスはないかと尋ねると……

「地元の人間はバスに乗らないのでわかりません。ちょっと調べてみます」とのお答え。

結局、バスを二つ乗り継がなければいけないことが判明。

おまけに駅前に就くバスはなく、徒歩を加えると1時間以上かかる様子。

ならば歩くかと決断。

 

お会計場に向かうと窓の外に立派な灯篭。

しかも六角形

いわれを伺いましたが、詳しいことは分からぬとのこと。

ただ話の流れでまたもご縁を。

そのオーナー(スタッフ?)さんは、

20年ほど前にヨットで屋久島の宮之浦港まで渡った」とのこと。

ここでもまた、屋久島。

やはり「千と千尋ランド」には、何か必然性があるのかもと。

 

見知らぬ人と話す旅の醍醐味。

こちらもまたご馳走様でした。

 

で、「歩くなら海岸べりがいいですよ」の教えに従いテクテク。

 

ところが、橋を行き過ぎ戻ること往復2Km余り。

1時間半ほど歩いて紀三井寺駅に到着。

JRで和歌山駅、バスに乗り、南海和歌山市駅へ。

南海電車に揺られて泉佐野駅から徒歩2分のホテル着。

 

一息ついて再び電車に乗り、

辿り着いたのが泉大津の居酒屋「伊奈華」

 

母方の叔母と従妹が十数年前から営んでおり、

一度は来てくれと言われながら行けなかったお店。

常連客が歓談する和やかなお店の雰囲気に包まれ、

死んだ母の知らなかった逸話を叔母から聞き、

これでまた一つ、

気に掛かっていたことを果たせた充実感に浸れました。

 

これで、旅の目当ての半分はクリア。

翌日は、大阪、京都を経て高槻へ。

 

つづく