拝啓
今日朝日新聞のWebニュースでは「ロンドン市長に初のイスラム教徒 住民の多様化が後押し」との見出しで、パキスタン移民2世の労働党下院議員であり人権派弁護士であるサディク・カーン氏(45)がロンドン市長に当選したとことが報道されていました。
ロンドンの人口817万人のうち「英国籍の白人」は約45%にとどまり、約37%が英国外生まれ。
イスラム教徒も100万人以上で人口の12.4%を占めるとのこと。
インド系英国人のヴィアス・ウツパル立命館アジア太平洋大学准教授(国際政治学)の談話では「移民2世の東京都知事が誕生するようなもの……政党が多様な地方議員の擁立に動き、市民も支えることが必要になるが、日本では社会の多様性を深めることが歓迎も推進もされていない。
今は女性議員を増やすことの方が優先順位が高く、民族・宗教的マイノリティーの日本人が地方政界のリーダーとして活躍するのは、まだまだ先だろう」と語っています。
ここで思ったのが、屋久島の移民と政治。
人口13000人ほどの屋久島も、その3割ほどはここ数十年の移住者だと聞いたことがあります。
島に古くから住んでいる方の子育て世代の多くは島外に出てしまって、児童の多くが移住者の子供たちとなっている小学校は珍しくありません。
移住者二世の女性町長が島に現れる日が間もなくやってきても不思議ではありません。
今から20年以上前、一人の女性移住者が「町政に女性の声を‼」をスローガンにして町議選に立候補し、惜しくも48票差で落選した歴史が記されています。
それが『屋久島ラーメンの細道』とどう関係するのかといえば、飲食店の厨房に立つ女性の姿が目につくのが島の特徴であると言うことです。
それも移住者がかなりを占めている様子。
居酒屋で焼酎瓶を空けながら大声で騒ぐ男性より、地道に調理に励む厨房の女性に島の未来を見るのは私だけでしょうか?
最近、厨房に立つ女性の方の顔ぶれが変わっておりますが、みなさん愛想よく、招き猫も元気に迎えてくれております。
お昼の11時から2時までしかやっておらず、しかもお値打ちのサービスランチが食べられるのは平日のみ。
迷うことなく「サービスランチ」を注文。待つことしばし
いつもは備え付けのカリカリニンニクチップをたっぷりかけるのですが、今日はあっさりいただくことに。
キクラゲの触感と海苔の風味が豚骨スープを引き立てます。炒飯で腹ぐらいもちょうど。
お財布的にも満足です。
ラーメンに限らず、丼やプレートメニューはややもすると単調になりがち。
見た目の色や盛り付けの形、塩味・甘味・辛味・酸味・苦み・旨みといった味の組み合わせ、それにシャキシャキとろとろフワフワこりこりなどの食感、その料理の核をなす香り。
そうした多様性が織りなすハーモニーを一皿一碗に盛り込むことは結構工夫が必要で、六角堂でもそれに心を砕いております。
六角堂プレートカレー。中身は季節や日によって異なります。
ラーメン一杯、丼一碗、漬物一切れに店主の気遣いを見るとうれしくなります。
ご飯で自分を元気にしてくださった方が、いつまでも元気でありますように。
そしてそれが島の多様性豊かな未来を切り開く源となりますように、と願う島のお昼時でした。
敬具