屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

梅雨のあめつちをこねたる島暮らし

手づくり体験案内 第2回 埴生窯さんのご厚意

拝啓

7月に入って視界不良で屋久島空港に飛行機が着陸できず、島を出る飛行機も欠航続出の日々。おまけに台風が団子のように連なって日本に接近しつつあります。

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滅多に雨で通行止めにならない屋久島の県道も、ついに道路陥没で一時通行止めの区間が出る始末。

そんなうんざり梅雨ではありますが、来週は大きな楽しみが待っています。それは8日に予定されている安房の「埴生窯はにいがま(https://www.facebook.com/haniigama)さんの火入れ。

先月、埴生窯さんにお邪魔した折、「作りたいものがあるなら自分で作ってみたら」と粘土を分けてくださいました。思いがけないチャンスとばかり、先日苔玉作りの指導をしていただいたフォーマサンヒロさんの田中さんをお誘いして、小雨降る六角堂の軒下で粘土をコネコネ。

テーマは「花挿し付き箸置き」と「ミニ苔盆栽鉢」。

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奥のスッキリ愛らしい田中さんの作品は半日で、手前のゴテゴテした私の作品は二日がかりで創りました。

私のモチーフは三つ。一つは最近興味を持っている六牙白象(ろくげのびゃくぞう)摩耶夫人 (まやぶにん) が六本牙 (きば) の白い象を夢に見て釈迦を懐妊したところから、釈迦の入胎を象徴する象であり、普賢菩薩 (ふげんぼさつ) が乗る白い象でもあります。そしてもう一つのモチーフは六角堂の通勤招き猫ニャー。

思いつくまま最初に作ったのが下の一輪挿し付き箸置きです。

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奥が「あお向け六牙」と「うつ伏せ六牙」、手前が「あお向けニャー」と「うつ伏せニャー」

次に作ったのは花挿し・香立て付きミニ苔鉢。

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「六牙白象三兄弟」

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「千客万来招福ニャー」

一番の大作(といっても手のひらサイズ)は、このところ読み返したり読み足したりしている密教美術や真言立川流(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%B7%9D%E6%B5%81_(%E5%AF%86%E6%95%99)の本から想を得て作ってみました。

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「雌雄和合六牙白象」

最後に作ったのは六角堂のシンボルアニマル山羊さんをモチーフにした作品。

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花挿し付きミニ苔鉢「唯我独尊」と花挿し付き箸置き「涅槃」

厚かましくも山下さんの作品の隙間に置いて焼いていただく予定です。上手く焼きあがったら、六角堂で使います。

埴生窯では陶芸教室を行っているわけではありませんが、イベント等で随時作陶の手ほどきをしてくださっております。ご興味をお持ちの方は山下さんの作品を手に取れる埴生窯に足をお運びください。

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敬具

追伸

今回の窯焚きは稀に見る長雨による高湿度のため、窯の内部の場所によっては十分な火力を得られず、次回の火入れで改めて焼き直しをする作品も出たそうです。

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そんな悪条件の中、おまけで焼いてくださった六角堂の作品の一部を7月末に奥様が届けて下さりました。

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有り難い限りです。

感謝