屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

火より出で益救島に立つ羊歯観音

拝啓

今日は全国的に冷え込んだ様子ですが、屋久島も寒の戻りです。今日から六角堂にご滞在になるお客様も毛布をご所望されました。

そんな屋久島で「熱い」場所、それは安房の名勝「松峯大橋」のたもとにある陶芸作家山下正行さんの「埴生(はにい)窯」です。先週末に火入れをした窯は60時間も薪をくべられ1300℃の炎を抱いていました。その窯から焼きあがったばかりの作品が、昨日取り出されました。

今回はいつもより器や皿の数が多いとのこと。

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そして今回の目玉は「埴生観音」の作品群。

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割れやすい土なので、多くは鞘に入れて焼かれました。

その中で一番愛らしいのは、幼くして亡くなられた娘さんの面影を一番残したこの作品。

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それがお姉さんになって、天使のような姿になった作品も。

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表情や服装だけでなく手に持っている物もハスやヒマワリ、鉢や動物など一体一体違います。中でも次の作品は掌に小さな猫を乗せ、伏し目がちな表情で一番目を引きました。焼きあがった色合いも微妙で心惹かれます。

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山下さんの奥様が気に入られているのは屋久島によく生えている羊歯(シダ)を手に持つ「羊歯観音」。羊歯は、島のいたるところに生えていますが、最近、窯の近くの松峯大橋から安房川に羊歯を投げるのが観光客の間で流行っているとか。

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作品を実際に手に取ってご覧になりたい方は、下の地図を頼りにお立ち寄りください。

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敬具