拝啓
いきなり核心の写真。
秋田のリンゴ「紅の夢」とクルミとカボチャの種が入った、
永久保の雪苔屋さんの「りんごキャラメルケーキ」。
リンゴの程よい酸味、クルミの香り、カボチャの種の歯ざわり、そしてケーキのしっとりした触感が心地よいアンサンブルに。
雪苔屋(@yukigokeya) | Instagramプロフィール
リンゴとクルミは合うもんだな~~と感心。
それもそのはず(?)、
そのヒロインは女神イズン。
その神々の永遠の若さを約束する黄金の林檎の管理人。
夫は詩の神ブラギ。
なんとなく似ている。雪苔屋のパティシエの夫に。
アース神族の王国アースガルズの神々は不老不死の黄金のリンゴを食べることで、永遠の若さを保っていた。
リンゴの木を守っていたのは運命を司るノルン。
モーニングの作り手は魔女か女神か 新店探訪 ➂ 原 ノルン(屋久島グッドモーニング 第9回) - 屋久島六角堂便り~手紙 (hatenablog.com)
そのリンゴを摘み取り、収穫することを許されていたのが、
春の神格であるイズン。
ある日、巨人シャツィと悪戯好きの神ロキとのもめごとに巻き込まれ、
イズンは巨人の国ヨトゥンヘイムへ連れ去られてしまう。
リンゴを食べられなくなったアースガルズの神々は老い始め、
ロキにイズンを取り戻すように命じる。
あれこれの策略の後、ロキはイズンを一個の「木の実」に変えて持ち去り、
イズンはアースガルに戻り、再びリンゴを得た年老いた神々は若さを取り戻すことができたとさ。
イズン、黄金の林檎を守護する北欧神話の神姫 - waqwaq
ここで出てきた「木の実」が「クルミ」だと、『エッダ 古代北欧歌謡集』では記されているようで。
北欧神話ではリンゴとクルミが切っても切れない縁で結ばれていると言う訳。
そしてまた、
前回のブログ「リンゴブギウギ ⑧ ディオニューソスのチキンカツ丼からデメテルのアップルパイへ 樹林&Song Lines」に登場した豊穣とブドウ酒と酩酊の神ディオニューソスにまつわる話。
そのヒロインは木の精霊ハマドリュアスの一人、カリュアー。
ディオニューソスからの 寵愛を受けたカリュアーでしたが、
不慮の事故で死んでしまい、
悲しんだディオニューソスはカリュアーをクルミの木に変えて弔ったのだそうな。
クルミの歴史 クルミの神話とくるみ割り人形の物語 walnuts
そんな北欧やギリシアの神話を思い起こせば、
りんごキャラメルケーキの味わいも増すというもの。
ケーキの上の方に見える緑の実はカボチャの種。
カボチャと言えばハロウィン。
そのパーティで行われる余興の1つが「アップル・ボビング」。
水を入れた大きめのたらいにリンゴを浮かべ、手を使わずに口でくわえてとるゲーム。
寡聞にして、リンゴを使った日本の遊びを知りませんが、
昭和の中頃まであった木のリンゴ箱を机代わりに勉強した庶民の子供は多数。
それを遊具にした子供達もまた。
写真詳細|MAINICHI PhotoBank - 毎日新聞社「子供の遊び・リンゴ箱の“トロッコ”遊び」 | 昭和時代, 古い写真, ジュブナイル (pinterest.jp)
そうした写真の中には、
記憶の片隅に残っている紙芝居の風景も。
ノスタルジックな写真を眺めていると、
ボチボチ今の仕事を切り上げて、
相棒「ステップワゴンスパーダ」に道具を詰め込み、
北は礼文島から南は与那国まで、
ちんたら放浪の紙芝居屋になろうかとも。
敬具
追伸
11月25日㊏、宮之浦の離島開発センターで行われるシンポジュームに参加すれば、雪苔屋の熊ちゃんの歌声が聴けるようです。
おやつと珈琲 雪苔屋 屋久島町 (yukigokeya.wixsite.com)
屋久島世界自然遺産登録30周年 | 屋久島町|人と自然と。世界自然遺産屋久島 (yakushima.kagoshima.jp)