拝啓
彼岸の四色お萩、十五夜の月見団子にも巡り合えぬ島の秋。
その空虚を埋めて余りある、月の欠片のような艶めかしい一品が、
湯泊のはまゆさんで頂いた「チーズプリン」。
つややかに濡れた肌を一口掬えば、得も言われぬ滑らかさと滋味に富んだ乳の香り。
そしてその翌週、頂いたのが
しっとり肌理細やかな生地は舌に溶け込み、ふくよかなコクと香りが鼻腔に溢れる逸品。
二年前に頂いた、はまゆ開業当初のチーズケーキはこちら。
素朴さとしなやかな力強さを湛えていたケーキが、二年の時を経てエレガントに変身。
このダイナミックな変化に、忘れかけていた屋久島シェーブルチーズケーキの夢を思い起こしました。
※珈琲はまゆの営業日はこちらから
https://www.instagram.com/coffee_hamayu/?hl=ja
そもそも私が都を離れ、新たな移住先を見付けようと動き始めたのは20年以上前。
キャンプ場を併設したヤギ牧場でシェーブルチーズ工房を作ることを目標に、
ヤギやチーズに関する書籍や記事を読み漁り……
北海道から沖縄まで各地のヤギ牧場を視察し、
2001年に「ProjectG マイノリティの交差点 スケープゴートを許さない」を立ち上げ、
ヤギに関する情報コーナー「ProjectG やぎ・ヤギ・山羊さん」も設置。
しかし、
京都北部の山羊牧場で飼育作業を手伝う中、自分が如何に動物飼育に不向きかを実感。
カフェを併設したコテージを営むことに移住計画を変更。
そして2011年10月19日、屋久島六角堂を開業し、はや9年が経とうとしておりますが、
今また新たにシェーブルチーズが島の新たな地平を拓く日が訪れることを確信。
何のこっちゃかといぶかる皆様のために、
すでに各地で商品化されている「山羊チーズケーキ」をご紹介。
まずは岡山市の「ルーラルカプリ農場」のチーズケーキ。
栃木県の那須高原には「今牧場チーズ工房」のチーズケーキ。
沖縄には「カフェマローニエ」のスティックタイプベイクドチーズケーキ。
そして奄美大島(鹿児島県龍郷町)には「それいゆふぁ~む」のチーズケーキ。
ヤギチーズのコクとなめらかさが引き立つ『プレーン』とアールグレイの茶葉を生地に練りこんだ香り豊かな『紅茶』フレーバーの2種を詰め合わせたセットです。
ヤギミルク100%で作ったなめらかで程よい酸味が特徴の山羊クリームチーズを贅沢に使用したチーズケーキは、濃厚な口当たりでありながらあっさりとした後味をお楽しみいただけます。クセが少なく山羊乳が苦手な方にもおすすめです。
奄美の百花香る自家製のハチミツ付きなので、お好みで香りを変えてお召し上がりください。
こうした先達の知恵や工夫に学びつつ、
屋久島シェーブルチーズケーキを産み出して下さりそうなお店を
しばらく探訪して参りたいと存じます。
敬具