拝啓
屋久島には全国から様々な年代の方が単身、あるいはご夫婦・ご家族で移住され、1万3000弱の島人口の3分の1近くがこの数十年の移住者だとも。最近は20代から30代にかけての若い移住者が目立ち、島の其処此処で赤ちゃんが誕生。小学校では移住者の子供の方が多数を占める教室も普通になりつつありますが、移住者の主力は島の自然や畑仕事を楽しみに老後をのんびり暮らそうと移住された方々。
その中で釣りを楽しみに大阪から平内に移住され、2009年に開かれた「珈琲 シーサーシーサー」さんはダンディなマスターとクリエイティブなママさんのお店。
実は、小島のコスモス&ヒマワリ畑を楽しみに車を走らせたものの、どうしたわけか一本も咲いておらずガッカリ。ここまでガソリン代を使って走った悔しさを何とかして収めようと閉店間際に伺いました。
夕陽差し込む店内の席に座れば心落ち着き、季節が戻ったかのような陽気に合うものはと伺えば、お薦めは「自家製アイスクリームぜんざい」。それに合う珈琲をとマスターにお尋ねすれば、本日の珈琲のラインナップを……
モカが好きなのですがと申し上げると「以前は置いていたのですが、島の人はなかなか飲んでくれない上、イエメンのモカマタリは高いので止めました」とのお答え。そこで「明るい酸味、トロピカルフルーツのような香味」の「エルサルバドル」を。
この数年ご無沙汰していたにもかかわらず覚えていて下さって、到底まねのできない記憶力に感服しつつ待つことしばし。
窓から差し込む夕陽に浮かぶアイスクリームは滋味深く、大粒の小豆のふっくらと白玉のもっちりで心ふくよかに。エルサルバドルの珈琲は明るく爽やかな香りと味わい。
店内には奥様の作品が並び、来年の干支もスタンバイ。
店仕舞いし掛けていらしたのに快く接待して下さったマスターとママさんに感謝。シーサーの笑顔に見送られ心地よく帰途へ。
2016年の屋久島経済新聞の記事(https://yakushima.keizai.biz/headline/33/)で「圧迫感のないよう、人の視線が気にならないよう工夫した……靴を脱いで入る店内は仲の良い友人の家に遊びに来たような居心地の良い空間」と紹介されているお店。お二人ともお元気でお店が末永く続きますようにと願わずにはいられませんでした。
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