屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島弁当三昧 第13回 シナモンロールでシマロール 後編 南の五店+&

拝啓

屋久島のパン屋さん応援、

シナモンロールでシマロール 前編 北の四店」の続編。

前編をご覧いただいていない方はこちらからどうぞ。

屋久島は一周100㎞の丸い島。

北側は東シナ海に面する旧上屋久町、

南側は太平洋に面する旧屋久町。

気候も風土も人の気風も、しばらく住んでいると微妙な違いに気付かされることも。

南の特徴の一つは移住者が多いこと。

移住者の割合の方が多い集落さえ。

飲食・宿泊・工芸・加工販売などの個人事業主ばかりでなく、

無農薬・自然農法の果樹栽培やハーブや薬草も含む野菜の生産販売、

養蜂なども含めて新規就農する方が其処此処に。

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地元の農家さんも主力の柑橘類や南国果実ばかりでなく、

珈琲の樹の栽培を手掛けられている方も。

こちらの写真は麦生の畑で咲く珈琲の樹の花。(5/27撮影)

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そんな島の南のパン屋さんは5軒。

まずは安房(松峰)の「ヒロベーカリー」さん。

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ここでもまた「シナモンロールありますか?」と伺うと、

「昔はやっていたんだけど、シナモンは好き嫌いがはっきりしていて止めてしまいました」とのこと。

誠に残念。

好みのベーコンエピを頂いて車中でハグハグ。

食べてしまったので写真はなし。

 

お次は春牧の「Shiiba」さん。

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ヤクスギランドに向かう交差点が近い上、コンビニのような品ぞろえもあって

観光客や外人さんの利用も多いお店。

入って右手のパンコーナーに進めば、シナモンロール

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「人気のシナモンロールは甘さ控えめの大人の味」のポップも。

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アメリカ風のアイシング仕立て。

日本ではこのタイプが多いようで、島の甘いもの好きには人気なのかも。

 

車を西に進めれば、

麦生の石窯パン工房「樹の実」さん。

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残念ながらただいま休業中。

 

さらに西に進んで、尾之間のバイパス沿い。

2014年開業の『 パン・ド・シュクル』さん。

佐藤さんがオーナーのPain(パン) de Sucre(砂糖)。

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こちらも、開店当初焼いていたシナモンロールがなくなっていたのですが、

強い要望にご主人が応えて下さって、

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クリームチーズのトッピングで再登場。

パン生地の香ばしさとクリームチーズの滑らかさが絶妙なのですが……

パンが柔らかくシナモンロールというよりはシナモンパン。

その効果でか、お昼前には売り切れてしまう人気商品として復活。

個人的には

ショウガ科のウコンの特産地であり、

ショウガ科の月桃が梅雨を彩る屋久島であればこそ、

「スパイスの女王」と呼ばれるショウガ科のカルダモンが入った

スウェーデン風のシナモンロールを頂きたいところ。

島に長く暮らす人が好む「柔らかくて甘いパン」に仕立てるのは、地元のパン屋さんとしては当然の道筋。
その一方、移住者や観光客の舌を楽しませてくれる「島では珍しいパン」も作り続けて頂きたいと、切に願うばかり。

 

そして最後は、

尾之間の旧屋久町庁舎前にある「ペイタ」さん。

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残念ながら1月から臨時休業のまま。

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JRホテルのお客様や島のお宿に長期滞在される外国人の方の中には常連さんも。

いろいろご事情はあるかと存じますが、

奥の喫茶コーナーでパンと珈琲を頂ける日が来ることを心より願っております。

 

さて、

二回にわたってお届けした「シナモンロールでシマロール」。

好みのシナモンロールを探したいという素朴な願いで始めたのですが、

もう一つ「社会的かつ政治的使命感」に火が付いてしまったのもその動機。

ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、島の未来に関わること。

それは、屋久島町は5月29日に町議会で決定した次の取り組み。

屋久島町 観光関連事業 支援給付金。

6月1日から申請受付開始。

屋久島町観光関連事業者支援給付金交付要綱」によれば

http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/t_yakushima/wp-content/uploads/2020/05/kankoukanren_kyuufu_youkou.pdf

経済的に直接の影響を受ける観光関連事業者の事業活動の維持及び再開支援のため、

屋久島町観光関連事業支援給付金の交付を開始します。

対象者は

原則として、令和2年1月1日以前から屋久島町住民基本台帳に登録されており、

屋久島町に施設、店舗、事務所もしくは事業所等を有する

下記のいずれかに該当する事業者。

(1) 旅館業法(昭和 23 年法律第 138 号)第3条第1項の規定により旅館業の営業の許可 を受けている宿泊事業者

(2) 専ら土産品類を製造する製造・卸売り事業者

(3) 専ら土産品類を販売する小売事業者

(4) 飲食店営業事業者

(5) ガイド事業者

(6) 専ら旅行者を対象とした体験商品を提供する事業者

(7) 専らエコツアー体験用品類を賃貸する事業者

(8) 道路運送法(昭和 26 年法律第 183 号)第4条第1項の規定により一般乗用旅客自動 車運送事業の許可を受けているタクシー事業者並びに道路運送法第 80 条第1項の規 定により自家用自動車の有償貸渡し業の許可を受けているレンタカー事業者

(9) 道路運送法第4条第1項の規定により一般乗合旅客自動車運送事業の許可を受けている定期路線バス運行事業者

(10) 道路運送法第4条第1項の規定により一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けている貸切バス運行事業者

(11) 海上運送法(昭和 24 年法律第 187 号)第3条第1項の規定により一般旅客定期航路事業の営業の許可を受け、本町への定期船を運航する事業者

(12) 航空法(昭和 27 年法律第 231 号)第 100 条第1項の規定により航空運送事業の経営の許可を受け、本町への定期航空機を運航する事業者

(13) その他、町長が特に必要と認めるもの

となっており、

①対象者が土産物、弁当、ガイド、レンタル店なども含まれ
②前年度との売り上げ比較なし、減収でなくても申請可能で
③申請にあたって必要な書類のコピーは、役場本庁・各出張所で無料ででき
④申請から給付まで約2週間。

などの内容は大いに評価できるところ。

しかし、

屋久島町観光関連事業者支援給付金に関する

Q&Aの8番に異議あり

http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/t_yakushima/wp-content/uploads/2020/05/QA.pdf

8番  対象要件 (対象事業者)
質問:弁当や総菜、パンの販売をする事業者は対象となりますか。

回答:食品衛生法上、弁当屋や総菜屋は飲食店営業であることから対象事業者として認められますが、

パンの製造は菓子製造業であり、

専ら観光客が買い求めるモノを製造していると認められないため、

給付対象外となります。

「今日のお昼何にする?お弁当?それともパンにしようか?どこのパンがいい?」

これが自然な会話でしょう。

「飲食店営業許可も受けている店の弁当買おうか?それとも菓子製造業の許可を受けている店でパンを買おうか?」と意識するお客様がどこにいるでしょうか。

観光客、取り分け外国人観光客であれば「弁当としてパンを買う」のは普通のこと。

 

しかも、

宮之浦の「ひらみ屋」さんは

6月になっても入り口に旅行客の入店についてお願いが、英語表示も含めて掲示

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百水さんの入り口にはテイクアウト販売についてのお知らせ。

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春牧のShiibaさんも一時、島外のお客様お断りの張り紙が。

そして尾之間のパン・ド・シュクルさんは今なお、週5日の営業を3日に短縮。

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観光客が滞在するお宿が密集する島の南部だからこその気遣いもあってのことかと。

観光地屋久島では

弁当屋さんもパン屋さんも同等にするのが自然です。

 

さらに、

平海製菓さんは

菓子製造業であっても、土産物店やお宿に商品を卸すので

(2) 専ら土産品類を製造する製造・卸売り事業者に該当。

百水さんは

就労継続支援施設ですが飲食店の営業許可を得ているので

(4) 飲食店営業事業者に該当

樹の実さんとペイタさんは

お店がcafe形式で飲食営業許可も得ているので

(4) 飲食店営業事業者に該当

ペイタさんが仮にこの先お店を閉められる可能性があっても、

次のQ&Aの回答によれば申請可能。

Q&A 4番  対象要件 (対象事業者)
質問:申請後、倒産又は廃業となった場合どうなりま すか。

回答:審査の結果、給付決定をした場合は給付させていただきますが、倒産・廃業による口座閉鎖など、お受け取りになれない場合は、給付できない場合があります。

Shiibaさんはイートインスペースがあるので

(4) 飲食店営業事業者に該当

ネット販売のLinna Bakeryさんが

(3) 専ら土産品類を販売する小売事業者

の対象になるのでしょうか?

一方、

イートインスペースも喫茶部もない「ひらみ屋」さん「ヒロ」さん「パン・ド・シュクル」さんは申請不可となるのでしょうか?

パン屋さんの営業許可基準では、サンドイッチなどのいわゆる調理パンの販売は、

弁当販売と同じ扱いになり、飲食店営業許可が必要だとか。

ならば、調理パンを扱う3軒とも営業許可を得ていらしゃるかと。

では、

このQ&Aは屋久島のどのパン屋さんを念頭に置いて書かれたのか?

各店の業務形態を確認して文案を作られたのかどうかが疑問。

何より

島にとっての自家製パン屋さんの存在価値、

観光業における位置付けを、役場がどう意識しているのかが問われます。

 

先日、この支援給付金の申請に役場に伺った折り、

他人事とは思えず、

島のパン屋さんは観光客も多数利用される

屋久島独特の“観光資源”

コロナの影響大であろうし、是非とも給付対象にして頂きたい

と担当者の方にお願いして参りました。


この願いが荒木町長に通じてQ&Aを改訂されるか、

(13) その他、町長が特に必要と認めるもの

の対象にされることを心より願います。

 

+α、

パンと言えばハンバーガ

島にはかつてマムズキッチンさんのハンバーガーもありましたが、

今知る限り店舗で焼いているのは安房

モスバーガーさんと

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その20m先にあるsungun burgerさんで

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いずれも飲食店の扱い。

モスバーガーさんは全国チェーンですが、フランチャイズであれば地元の飲食店。

申請要項の

屋久島町住民基本台帳に登録されており、
屋久島町に施設、店舗、事務所もしくは事業所等を有する事業者

に該当するはず。

また、

レンタカー屋さんが対象になるならば、

観光客が乗るレンタカーに給油をするガソリンスタンドも対象に。

コインランドリーを利用する旅行者も多数いらっしゃることは、

お宿を営んでいる者ならよく知っていること。

ならば、コインランドリー屋さんも対象にすべきかと。

さらに、

島に数多くある、リラクゼーションや鍼灸・マッサージのお店(事業主)は、

登山客にとってとてもありがたい存在。

お店によってはその施術を受けたいがために島へリピートされるお客様も。

(6) 専ら旅行者を対象とした体験商品を提供する事業者

として認定されるべきかと。

 

少しでも多くの町民の窮状を救い観光業を守りたいと願うのであれば、

このコロナ騒動で売り上げが減少した業種の実態に即して頂きたいもの。

 

島を訪れて下さる方がどのように衣・食・住を過ごされていらっしゃるのか。

それを熟知してこそ観光立島の推進、移住促進、島内経済の活性化が進むのだと。

敬具

追伸

6月2日の午後、役場から支援給付金の案内と申請用紙が郵送されてきました。

どのような基準で送付先を決められたのか分かりませんが、

情報と給付金がすべての該当者に行き届きますように。

6kakudo-tegami.hatenablog.com