屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島うどんドン 第3回 玄関先でうどん エアポート屋久島→観光センター→屋久どん

拝啓

 

この二か月、豚と並行して頂いていたうどん。

三回に分けてご報告しようと。

 

今回は、島の三つの玄関口にほど近いうどんを三品。

 

まずは屋久島空港内の「エアポート屋久島」で頂いた、

『海鮮かき揚げうどん』。

空港ターミナルの奥まったところで何やら侘しげな風情であるからか、

屋久島町民で利用する人は少ない様子。

ただ、午後2時を過ぎると軒並み昼休憩や閉店となる島の飲食店が多い中、

昼時に食べそびれたランチ難民にはありがたい存在。

 

おまけに、飛行機好きにとってはたまらない至近距離での飛行機見物。

で、

そのうどん。

かき揚げはしっかりとした存在感があり、それなりの食べ応えも。

ただ、これだけでは胃の腑が満足してくれない者向けに、

高菜で巻いたおにぎりなんぞがセットになってくれたらいいなと。

 

何はともあれ、

今どき珍しいステンレスの取っ手付きカップで食後に頂くお冷もまた、

屋久島」なのかもしれません。

ただ、こうしたのどかな情緒に身をゆだねてばかりはいられません。

屋久島空港滑走路延長も必要性遥かと存じますが、

MBCニュース | 屋久島空港滑走路延伸・ジェット化「早期事業化を」総決起集会 鹿児島県屋久島町

その前に、

天候不良で島にアクセスできなずに涙をのんだお客様を逃さぬよう、

まずは全天候で着陸可能な誘導設備の完備を。

そしてそれ以前に、

鹿児島からの最終便が到着しても、

安房方面に向かう路線バスがもうない!」

「タクシーを呼んでも来ない!」

この由々しき事態を解決することから始めるべきでは。

せめて途方に暮れた空腹を満たすうどん一杯があればまだしもかと。

 

お次は北の玄関口、

宮之浦の「屋久島観光センター」2Fのレストランで頂いた『屋久島うどん御膳』。

しばし待つ間に眺める国鉄の栄光の日々。

これを見るたび、

老朽化したフェリー屋久島2に代わる「鹿屋連絡船」に鹿児島から市電を乗り込ませ、そのまま島内を走らせる「ヤクザル号」「ヤクシカ号」計画の妄想を思わずにはいられません。

 

それが無理でも、せめてトロッコ軌道を観光用に供用して小杉谷を新たな観光や自然保護の拠点とする。

気動車が引くトロッコ列車が無理ならば、

人が漕いで走る「電動アシストトロッコ自転車」の運用をする。

あるんです。すでに、他の観光地では。

流行ってるんです。

レールマウンテンバイク Gattan Go!! | 飛騨高山観光公式サイト (hidatakayama.or.jp)

 

2人乗りで線路をGO 「軌道自動自転車」、JR東海が電動化へ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

時期屋久島町長にはぜひご検討頂きたいものだ……

 

などと広がる妄想を、断ち切るように現れたうどん御膳。

飛び魚の唐揚げと山芋が小鉢に入り、

つけ揚げ(トビウオのすり身のさつま揚げ)がのっかっているところが屋久島気分。

そこに添付の温玉を載せて頂く。

旅の情緒を掻き立てる演出込みで1,100円なら佳しかと。

 

一方、

南の玄関安房には、うどんをメニューのメインにしている「屋久どん」さんが。

「満喫セット」は地元住民にはぜいたく過ぎ、

かといって「屋久島うどん」だけでは物足らない。

そこで丼とのセットメニュー。

今回はカレー丼付きの「Kセット」を注文。

なみにセットに付いたアルファベットはY・A・K・U・D・O・Nの一文字ずつをとったもので、内容とは何の関係もないとのこと。

立派な屋久杉の板を背景に写真を撮ると、

観光気分が高まります。

一組で車一台、ひょっとしたら小さな家一軒分ぐらいするのではと思えるような屋久杉の調度品に囲まれて頂くうどん一杯。

七福神の笑顔に見送られ、

店の外の祠に佇む女神さんと新たに増えたオブジェ(神さん?)に一礼して、ご馳走様でした。

屋久島観光の「縄文様頼み」からの脱却。

その模索の姿を屋久どんKセットにシミジミ味わわせて頂きました。

 

屋久島は観光のお客様と多様な移住者によって支えられている島である。

それを一番実感しているのは、小さな個人営業の飲食店主かもしれません。

それを「地元の人間(利害)関係」の中でしか選ばれてこなかった町長や議会関係者は、腹の底から実感していないのでは。

そうでなければ、高速船乗り場やフェリーターミナルを、

うどん一杯いただけないまま放置し続け、

飛行機の最終便で到着したお客様を呆然とさせることなどなかろうかと。

身も心も温まる観光環境整備は、

多様な住民の力を活かすことでこそ実現するのだと思う玄関先でした。

 

次回の「屋久島うどんドン」は、島の最北端一湊の二品をご案内する予定です。

 

敬具