拝啓
今日の午前中、屋久島町役場へ。
入り口に消毒液が置いてあること以外に変わる所もなく、
申請書類に使うボールペンもいつものように渡されて、
穏やかで落ち着いた雰囲気の庁内。
ああッ、来る前に聴いてカチンと来た防災無線の「定時放送」、さもありなん。
4/25(土)定時放送
●健康長寿課からのお知らせ
4月8日午前0時、政府は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県の7都府県に緊急事態宣言を出しています。
緊急事態宣言発令中はこれらの地域への不要不急の訪問は自粛していただくよう、お願いします。(以下省略)
[問]役場健康長寿課(TEL43-5900)
おいおい、4月16日には緊急事態宣言は鹿児島にも出てるんとちゃうんかいな?
●町民課から令和2年度町税等の納付についてのお知らせ
令和2年度、軽自動車税の納付期限は、4月30日木曜日までとなっております。
納付がお済みでない方や、すでに納期限を過ぎている方につきましては、早めに納付していただき、税金を滞納することがないようお願いします。
[問]役場町民課(TEL43-5900)
えっ、この苦難の折、税金納付期限の延長や減免の知らせやないの?
こんな時こそ泰然自若を装うべしというのでしょうか。
危機感を持った町長や役場幹部ならば、
関係各所の職員に島の其処此処に出向かせて実態把握に努めるべき。
町民のお困り事や、課題解決に結びつきそうな糸口を見付けて来るまで帰って来るな!
と喝を入れてもよさそうなもの。
その帰り際。
急遽休業した「ファミリーレストランかもぐわ」さんの隣で健闘している安房の「お弁当 お惣菜 かもがわ」さんへ。
ショーケースにはお馴染みの弁当と総菜各種。
求めたのは、焼きサバ弁当ではなく……
観光客にも島民にも一番愛されている(個人的感想です)「竹の皮弁当」税込430円。
六角堂に戻って従業員のニャーもいないデッキ席に弁当をセット。
プラ容器ではなく伝統的なエコパック。
おもむろに竹の皮を剝きむき、OPEN THE BENTO !
塩昆布と小梅のおにぎり二個に、
トビウオのつけ揚げ、鶏のから揚げ、卵焼き、焼きサバ、きんぴらごぼうのおかず五品で430円。
防災無線から12時のチャイムが流れるや否や、
弁当求めるお客様の車が途切れることなく続々やって来るのもうなずけます。
これも、日頃から観光客・島民の区別なくお客様の要望をしっかり受け止めて営業されてきた成果かと。
例えば、
1. テイクアウト ・ デリバリー “こども食堂” (無料)
栄養と愛情ある食事をすべての市民に
高齢者・障害者にも提供
2. 絵本の宅配便 (無料)
図書館から絵本 5 冊を各家庭に
3. 高齢・障害 相談ダイヤル (無料)
専門職員が 土・日・祝日も対応 迅速に支援
大変なときだからこそ
いつも以上に寄り添うのが
行政の使命・役割
締めくくりの言葉だけでも、ほっとします。
そのお隣の神戸市では、
全国のスタートアップ(起業家)から新型コロナウイルス対策に役立つアイデアや技術を募集している。外出自粛による減収などの打撃を受けている飲食店や物販店と客をつないで支援する仕組み作りなどを想定。
必要経費は、開発支援金として上限50万円まで市が支払う。提案から市の取り組みとして広げるまで、最短で2週間程度を想定。
なんというフットワークの軽さとスピード感。
昨年5月の豪雨災害で得た教訓を活かすこともできないまま、
このコロナ災禍を迎えてしまった屋久島町。
いつ解除されるか分からない「緊急事態宣言」下で、豪雨や台風被害、そして明日来てもおかしくない南海トラフ大地震による大津波に襲われるたら……
と本気で想定しているのかどうかは分かりませんが、
午後から六角堂の上空では、バタバタブォンブォン鹿児島県の防災ヘリの訓練飛行。
「人はいつか死ぬのではなく、いつでも死ぬもの」は故樹木希林の言葉。
どんな死でも悲しみに変わりはありませんが、
無残な死、無念の死だけは避けたいものです。
コロナに感染する前に、暮らしも店も立ち行かなくって迎える死。
避難所で「島民以外お断り」と入室拒否され、風雨にさらされ落とす命。
そんな想像を打ち消すためにも、
「今、何を皆とすべきか」思い巡らす曇天の午後。
敬具