拝啓
2020.05.29、屋久島町観光まちづくり課/産業振興課より
「町独自の新型コロナウイルス感染症経済対策事業」のお知らせ。
「現状対策+収束後観光キャンペーン」の二段構えなのですが、
どうもしっくりこないのは、
先日、閣議決定された国の消費喚起策の「Go Toキャンペーン」、
「Go To Travel キャンペーン」
「Go To Eat キャンペーン」
「Go To Event キャンペーン」
「Go To 商店街 キャンペーン」
と同様。
ようするに、お金をばらまくことに変わりなし。
「新しい生活様式」を唱えるならば、
既存の事業者(特に大企業)の利益を、
一時的に保護すること以上に、
社会(国や町)の産業構造や
事業者と消費者の意識を変える取り組みにこそ、
お金(予算)を振り向けていくべきではないかと。
そのとっかかりと言うか、
ヒントを思いついたのは
里のtekutekuウォーキングで見かけたあれこれと、
1986年に出版された
ちくま文庫で読み返してのこと。
一時流行った「トマソン」なる言葉をご記憶の方もいらっしゃるかと。
要するに、実用性を失い見向きもされなくなった路上の「物件」に
新たな光を当てて楽しむ行為とでも言えばよろしいでしょうか。
屋久島にも、
この「トマソン」が
其処此処の集落に埋もれているばかりか、
今現在、
「トマソンになりつつある」物件までもが。
それらを発掘し、
新たな価値を見出し、
あるいは付加し、
観光資源=島の誇りとしていく事に一条の光があるのではないかと。
その第一弾は島の最南西に位置する栗生集落の
マンボウ号。
栗生浜の入り口にある「ようこそ栗生」の案内板には
栗生港に「まんぼう号発着場」の案内が。
しかし、
このまんぼう号なるもの、
島とのご縁を頂いてからこのかた、
一度として見たことがないばかりか、
その存在について聞いたこともなし。
それが、とあるFacebookの書き込みで、
栗生から七瀬海遊のグラスボート(水中展望船)があったんですよ
という文言を発見。
興味津々でコメントをさせて頂くと。
私の乗った頃は、
民宿「亀」さんが船長さんでした。
後で知った事ですが…
はじめは岩崎が運営していて、
亀さんのご主人が受け継いだとの事です。
受付が港にあって、チケット売りの
制服来たお姉さんがいたので、
私の時くらいまでは岩崎だったのかも。
とのお返事を頂き、
その「亀さん」を訪ねにお話を伺いに栗生まで行ったものの、
お留守でお会いできず。
所在なく、浜周辺を散策すれば、
なんと!
「まんぼうⅡ」を発見。
その前景は、また何と!
陸に上がった船どころか、
家になった船。
♪海に魚船を浮かばして 行ってみたいなよその国♪
の歌の通り、
海にあって人や荷物を運んでこそ、
あるいは魚を捕りに漁師を乗せてこその船。
それが、陸に上がって家になっては、
もはや船とは言えまいに。
ある意味トマソン。
そこで、
その実像を知るために向ったのが……
栗生集落の秘かな主、
安房の『街の灯』、
靴屋のポンポン(サンガンバーガー)さん。
お薦めの「YAKUSHIMAブレンドバーガー」を頂きつつ、
伺ったのは次のようなお話。
かつて、その「マンボウ号」に乗船した時のこと。
乗船前、石垣島は川平湾のグラスボートを想像していたら……
結構大きな観光船。
しかし、
そのグラス越しに見えた魚群は
川平湾をはるかに超える絶景だったとのこと。
所有(運行)者が二転三転した後、
マンボウ号の運航がいつ、
なぜ廃止になったかは不明だとのこと。
いずれにせよ、
廃船となったマンボウを引き取って家に仕立て、
宴会やカラオケに使えるフリースペースとして貸し出し中だとか。
先の案内板は平成20(2008)年度に立てられたものなので、
今から12年前にはまだ運行していたはず。
そこで、改めてネット検索し直すと……
「海中展望船まんぼうの施設紹介」ページを発見。
そこには、
ガラス張りの窓から、サンゴ礁や熱帯魚、キビナゴの大群を観賞しながら周遊します。
所要時間は約35分で、気分はまるで海中散歩。
時々悠然と泳ぐウミガメに出会うこともあるかもしれません。
クルージングが終わったら、新鮮な魚介はいかがでしょうか。
キビナゴの刺身はとくにおすすめの食材です。
とのアナウンス。
ただし、次の注意書きが。
「※こちらの施設は閉館しております。」
そんなエ~~モンが、何故にゆえに廃業されてしまったのか?
謎は深まるばかり。
その謎を解き、
かつ、
運行時の様子を知る方々が様々なエピソードや
写真や動画を一処に寄せ、
往時のエピソードをまとめ、
かつ又、
海を走る船でなくなったものの、
姿を変えてなお、人を「乗せ」人を「楽しませ」、
観光船としての使命を果たし続ける
マンボウの生き様に光を当てる
「マンボウⅡ物語」の製作。
さらに、
廃業の教訓を活かし、
島民の力を結集し、新たな島の観光船
「マンボウⅢ」の就航を目指す。
それを可能にする
新たな組織、制度、支援の輪づくり、
「マンボウプロジェクト」こそ
島の新たな船出。
船のみならず、
人が行き交う陸海空の乗り物についての構想(妄想)はこちらから。
この日、雷一発で防災無線も使えなくなった役場新庁舎で
MBCニュース | 屋久島町役場 落雷で電話や防災無線使用できず
荒木町長が思い描く島の未来とは?
新たな町造りを進めて行こうとする
役場の職員さん達を後押しする、
町民の一人として、
この「屋久島トマソン」をしばらく続けさせて頂こうと存じます。
続きはこちらからどうぞ。
敬具