拝啓
天気図を見ると、教科書に載りそうな梅雨前線の連なり。
一昨日から九州各地の豪雨災害で濁流に飲まれて亡くなられた方も多数。
痛ましいことに、今回の洪水でもまた特別養護老人ホームが被災。
避難所に駆け込まれた方々もコロナ災禍の最中、
例年以上にストレスが高まっていらっしゃることかと。
心よりお見舞い申し上げます。
そして今後、梅雨前線は本州各地にも豪雨をもたらす予報も。
皆様ご安全に……
などと対岸の火事のようなことを言っていられないのは屋久島も同様。
先月、島の防災体制に疑問や不安を抱いて島の南半分、
高平、麦生、原、尾之間、小島、平内、中間、栗生集落まで、
避難所に指定されているすべての公民館の所在地と周辺の様子を実地検分。
実は公民館と言い慣わされていますが、
正式名称は公民館以外に生活館だったり、次のように様々。
へき地保健福祉館(春牧)
観光農林漁業経営管理施設(麦生・小島)
自然休養村管理センター(尾之間)
集落の人にとっては何の不都合もないでしょうが、
移住して間もない人や観光客の方がいざという時に、
避難所の公民館はどこなのかと戸惑われるのではないかと心配。
しかも、
役場のHPで「湯泊生活館」を検索しても
ネットで「マップ 屋久島 湯泊 避難所」と検索しても
屋久島町の避難所 | world | map | CityData.jp
地図で示された場所は湯泊郵便局の並びの民家。
生活館がどこにあるのかスマホ片手に歩いて見つけられたのは、
魔除けの石敢當だけ。
地元の方に教えて頂いて、やっと見つけた生活館は、
地図とは全く違う、県道を挟んだ消防団の建物の裏。
その裏にはドクターヘリの場外離発着上になっているグラウンドが。
湯泊集落の人にとってはネットのマップがどうなっているかなど、知ったこっちゃないかもしれませんが、
もし湯泊温泉に浸りに来ていた観光客のお客様が避難の必要に迫られた時、
人を探すより先にスマホで避難所を検索するのでは?
「役場のHPの地図が間違いとあっては重大問題」と思うのは大げさでしょうか?
「やくしま満喫商品券」で観光客の皆様に屋久島をお楽しみ頂こうというならば、
役場は観光客の安全確保や情報の提供にも最大限の配慮をすべきかと。
Google mapの過ちを役場が指摘し、Googleに訂正させる役場であれば信頼も高まるだろうにと。
そうしたチェックを担う課がどこかは存じませんが、今後の働きに期待。
で、ここらでようやく、
そろりそろりと「ラーメンの細道」に分け入ることに。
観光のお客様が「やくしま満喫商品券」を利用して、
島の南部でラーメンを一杯頂こうとすれば……
まずは、屋久島町役場のHPを検索し、
そのトップに張ってある「やくしま満喫商品券」のロゴをクリックすると、
商品券の説明ページが開き、
その中の
やくしま満喫商品券をご利用ください! を開いて、
さらに、
やくしま満喫商品券取扱店舗(飲食店)を開いて、
そしてまた、
やっとのことで、登録店紹介ページに到達。
臨むらくは、ここでもお客様目線の情報発信。
加えて残念なのは、
そこに島民や観光客の皆様がよく利用されるお店のいくつかが載っていないこと。
登録は任意なので全店登録されていないのは自然なのですが、
同じ地区で同じようにお店を営んでいるにもかかわらず、
役場から登録案内の書類が送られて来ず、
登録しそびれてしまった店もあると聞けばもったいない話。
それは島民対象の「離島航空割引カード」の登録案内送付でも同様のことが。
担当の「観光まちづくり課」や「産業振興課」がどのような基準で登録案内の送付先を選考したのか存じませんが、
島を元気にさせようと発案されたのであれば、飲食や観光業を営む町民の意欲を漏れなく支える役場であることを願って止みません。
そんな思いを抱きつつ、
今回ご案内するのは安房にある二つのお店の「かた焼きそば」。
「何や、ここまで来てラーメンやなくてかた焼きそばかいな!」と落胆あるいはお怒りになられる諸氏もいらっしゃるかと存じますが、
湿度90%以上の夏の屋久島であればラーメンよりも冷麺、
否、
野菜や魚介類もたっぷり摂れる上、
殺菌作用のあるお酢をたっぷり掛けまわし、
口にサッパリ、
胃にスッキリの「かた焼きそば」がお薦めかと。
まずは、
安房大橋のたもと、県道からモスバーガーの角を安房港よりに入った中ほどにある
「あわほ」さん。
こちらの冷麺は以前ご案内済み。
メニューを確認し、
「かたやきそば」+「ぎょうざ」を注文して待つことしばし。
野菜やかまぼこの色どりもよく、酢をたっぷり掛けまわして頂くと香りも引き立ち味も締まってハフハフと。
麺はちゃんぽん用の麺を揚げているからか、若干太めで餡の汁気がしっかり染み込み柔らかめ。
硬いのが苦手な方にはちょうど良いかも。
ちなみにこちらは満喫券登録店。
お店の二階でゲストハウスドリームを経営されていることもあってでしょうか?
さて、お次は
同じ路地を公民館に向って進んだ先の角、
中華風のお食事処「万福」さん。
こちらは以前、開業早々のラーメンをご案内。
メニューを確認して
「かた焼きそば」+ぎょうざを注文したところ、
残念ながらぎょうざは品切れで断念し、待つことしばし。
ぎょうざ品切れのお詫びでか、チャーシューのおまけ付き。
こんもり盛られた頂上にむきえびクルリン、ウズラ卵がよっこらしょ。
お酢をシャバシャバ掛けまわし、
箸を立てるとカリリの触感、いや嬉し。
細身の麺を掻き崩しつつ餡を絡めてハウハフと。
魚介に纏ったお酢の風味が食欲をそそります。
ちなみに万福さんは満喫券の登録はないものの、
離島カード割の登録店に。
ついでながら、かた焼きそばのうんちく。
かた焼きそばとは、焼きそば麺ではなく中華麺を揚げ、
その上に中華風の旨煮を掛けた「中華丼」の麺バージョンですが、呼び方は各店様々。
五目かた焼きそば
五目あんかけかた焼きそば
あんかけ焼きそば
海鮮かた焼そば
海鮮あげ面
揚げ焼きそば
etc.
よく似ている中華料理が炒麺(チャーメン)。
中華麺を野菜や肉などの具材とともに炒めたタイプではなく、
鉄鍋で焼いたり揚げたりした中華麺の上に片栗粉でとろみをつけた餡をかけたタイプと同系列の料理。
また、
かた焼きそばと長崎名物「皿うどん」との違いは、
「うどん」か「そば」かではなく中華麺の太さの違い。
かた焼きそばの麺より、皿うどんの麺はぐっと細目。
かた焼きそばと皿うどんの違い〜かた焼きそばと皿うどんの違いを簡単解説
とにもかくにも、
離島カード割は7月15日(水)スタート。
お一人様何度でもご利用可ですが、
各店200名様の先着順。
ご来店時に離島カードをお忘れなく。
六角堂のちんたらcafeも、及ばずながら参加しております。
敬具
「屋久島ラーメンの細道」シリーズの過去記事はこちらから。