屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島ラーメンの細道 第5回 レンゲの位置から見えるもの

拝啓
 
トビウオのつけ揚げやサバ節を使ったラーメンが「屋久島ラーメン」ならば「屋久島うどん」も同様かと、島のうどんを代表する安房屋久どん」さんで再確認して参りました。
メニューには「屋久どんオリジナル屋久島うどん」の説明書きが
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セットメニューの説明は微妙に違います
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頂いたのはミニ海老天丼付きの「屋久島うどんAセット」
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しっかりシンプルにトビウオの付け上げとサバ節のトッピング
 
さて、ここからが本日の本題。今回ご紹介するのはこうした「屋久島産」とは距離を置き、地味で地道な味わいのスタンダードなラーメン。
宮之浦の益救神社の参道沿いにある「ランチボックス」さんのラーメンです。
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メニューはとてもすっきりしています
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赤字で付け加えられた「あんかけラーメン」(これだけカタカナでラーメンなのは何故?)や「カレーらーめん」にも心惹かれましたが、
初めて訪れたお店なので、ここはやはりベーシックな「らーめん」に「小どん」を付けて注文し、待つことしばし。
 
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しっかりとしたチャーシューにもやしとネギ。
スープは昔の中華そばを思い起こさせてくれる懐かしい味です。
 
ここで「なるほどね」と思ったのは、麺やスープのこと以上にレンゲの置き方
これまであまり気に掛けたことがなかったのですが、これは意外に重要かもと。
丼にレンゲを挿し掛けて出す場合、島で見かけたパターンは基本二通り
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丼の右側に、①レンゲの腹を上にして出すパターン。 ②レンゲの背を上にして出すパターン。
ところがランチボックスさんは丼の左側にレンゲの背を上にしてあります
 
これは店主のラーメンの食仕方に対する姿勢を示したものかも。
多数派の右利きのお客様を対象にした場合、右手の箸で麺を食しつつ、左手でスープをすすりながら食すための心遣いではないかと
あるいはスパゲティを食するときのスプーンとフォークに似せているのか?
しかもレンゲの背が上を向いて出せば、レンゲがスープに沈むこともありません。
 
「店主は左利きだけなんとちゃうか?」という突っ込みも可能でしょうが、アートであれツィッターの呟きであれ、表現されたものは表現者の意図に関わらず独り歩きするもの。
レンゲ一つの置き方からラーメンの楽しみ方を思い巡らすのもまた良いものではないでしょうか。
 
さて、次回はどんな細道のラーメンか。
どうぞよろしくお付き合いください。
 
敬具
 


屋久島ラーメンの細道インデックス

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