屋久島のえべっさん巡り 第11回(追加編) 安房南港の恵比寿さん
何やら楽しげな七福神が乗った宝船。インドや中国からやってきたヒンドゥー、道教、仏教由来の6人の神さんと日本在来の恵比寿さんが仲良く相乗りしたちゃんぽん船。それは古くから住む島民と新たに海を渡ってきた移住者が混じり合って暮らす屋久島のよう。
島の港のある集落に祀られる恵比寿さんのお姿から、島の暮らしも見えてきそうです。
今回は「屋久島のえべっさん巡り」で参りそこねていた、安房南港の恵比寿さんを紹介します。
拝啓
以前「うらうらに照れる陽射しのヱビスかな 屋久島久島のえべっさん巡り 第4回 小瀬田~安房」で安房港北埠頭の恵比寿さんを紹介いたしましたが、今回は安房港南埠頭。

ずらりと漁船が並んだ港の安房川河口縁にお社があります。

その縁起によれば元は如竹神社の横に鎮座されていたものを移転されたとのこと。北埠頭の漁港の建物にある恵比寿さんと浜恵比寿・村恵比寿の対になっていたのでしょうか。

朱塗りのお社には島の他のお社よりも太めのしめ縄が掛っています。

風雨に耐えてお姿は朧になりかけていらっしゃいますが、それでも海に暮らす人々の安全を見守られる恵比寿さんの温かみを感じます。
こうしたえべっさん巡りをしていて、改めて気にかかるのが「南海トラフ大地震」による津波の到来。屋久島には最大13mの津波が地震の40分後に襲ってくるという予測が2012年に報道されています。
下の安房集落のパノラマ写真の中央にかすかに白く見える鳥居は山幸彦(火遠理命=ホオリノミコト)を祀った「粟穂(あわほ)神社」。

神社に参る階段の登り口にあるレストランかもがわは海抜6m。

13mの津波が来れば安房の町並みはすべて波にさらわれます。
粟穂神社の隣には法華宗の「久遠山本佛寺」

安房大橋の右手たもとには安房生まれの儒学者泊如竹を祀る「如竹(じょちく)神社:泊如竹廟」。
パノラマ写真の右端の鎮守の森にはオオヤマツミを祀る「大山祇(おおやまづみ)神社」があります。
ちなみに13mの津波が来てもようやく難を逃れられそうな海抜20m地点は安房警察署前です。

神様や仏様に安全を祈願するとともに、人は人の知性と努力と人の輪をもって津波に備える必要をひしひしと感じざるを得ません。
敬具
屋久島えべっさん巡りインデックス
第1回 繁盛を願いて注ぐ恵比寿かな
尾之間の「村恵比寿」「浦恵比寿」「浜恵比寿」さん、原(はるお)の恵比寿さん、麦生(むぎお)の一対の恵比寿さん
第2回 初春の島に宿れる七福神
宮之浦の一対の恵比寿さん
第3回 静かなる島の宵々々恵比寿
楠川の「へたの恵比寿」「オキの恵比寿」さんと、椨川(たぶがわ)の「岡恵比寿」「浜恵比寿」さん
小瀬田と安房の恵比寿さん
第5回 潮風に吹かれて浜を見守れり
湯泊と中間(なかま)と栗生(くりお)の恵比寿さん
第6回 海亀の里を見守る恵比寿かな
永田の前浜の恵比寿さんと田舎浜の恵比寿さん
第7回 桜鯛顔もほころぶ岡ヱビス
吉田の浜恵比寿さんと岡恵比寿さん
第8回 波に似てゆたりゆたりの恵比須顔
一湊(いっそう)の一対の恵比寿さん
第9回 あめつちのめぐみ思わすヱビスかな
志戸子の一対の恵比寿さん
第10回(追加編) 神々と湯に浸りたる島の旅
一湊の村恵比寿さん
特別編1 密やかに島を見守る弁才天
一湊の弁天さん