何やら楽しげな七福神が乗った宝船
日本在来の恵比寿さんが仲良く相乗りしたちゃんぽん船
それは古くから住む島民と新たに海を渡ってきた移住者が混じり合って暮らす屋久島のよう
島の港のある集落に祀られる恵比寿さんのお姿から、島の暮らしも見えてきそうです
拝啓
これまで「里のイラストマップ」を手掛かりに屋久島の恵比寿さん巡りをしていましたが、そこに載っていない恵比寿さんがまだいらっしゃいました。
その一つが永田灯台の裏、石塀の外側に祀られた恵比寿さんです。以前から祠があることには気付いていたのですが、航海の安全を祈願する八幡様だろうと思い込み、塀を乗り越えて確かめもせずにいました。今回は何やら気になって石塀に登り、外側に掛けられたアルミの小さな梯子を下りると……
灯台と同じ白地の祠に朱塗りの「戎」の文字も鮮やかに
しっかりと鯛を抱えて微笑むお姿を拝見させていただきました。
脇には石碑がありましたが、文字を判読する能力に掛けているため読めませんでした。どなたか内容を教えていただければ幸いです。
灯台を後に、宮之浦を抜けてしばらく行くと椨(たぶ)川の集落。ここにお住いで六角堂イートハーブにご来店下さったお客様から先日、手造り冊子を頂きました。
この椨川集落案内冊子には恵比寿さんの案内も。
これによると「里のイラストマップ」には載っていなかった三体目の港恵比寿さんがいらっしゃるとのこと。しかも「とびうおえびす」と呼ばれている恵比寿さんには何故だか6尾の魚を奉納するそうで、これは参らねばと車を走らせました。
公民館の脇から椨川の港へ
そこにはしっかりとした祠が
抱えられた丸い石がトビウオなのでしょうか?
海岸に沿って岩場を少しばかり歩くと祠のようなものが目に入り
参道のような通路を上がると
壊れた祠がありました。港恵比寿さんは元はここにいらっしゃったのでしょうか?せっかくここまで来たので浜伝いに大浜の恵比寿さんも再度参拝。
「鰹えびす」と呼ばれていることから、抱えていらっしゃるのは鯛ではなくて鰹なのでしょうか?
港に戻ってお寺の脇の村恵比寿さんにもご挨拶
丸っこい石のお姿です
左脇の石(サンゴ?)も何かの神様なのでしょうか?
村恵比寿さんの祠の左手にはもう一つの祠が
「さらお様」と呼ばれているなぞの神様
にこやかに微笑んでいらっしゃるので福を運んで下さるに違いありません
敬具
第1回 繁盛を願いて注ぐ恵比寿かな
尾之間の「村恵比寿」「浦恵比寿」「浜恵比寿」さん、
原(はるお)の恵比寿さん、
麦生(むぎお)の一対の恵比寿さん
第2回 初春の島に宿れる七福神
宮之浦の一対の恵比寿さん
第3回 静かなる島の宵々々恵比寿
楠川の「へたの恵比寿」「オキの恵比寿」さん
椨川(たぶがわ)の「岡(村)恵比寿」「浜(鰹)恵比寿」さん
小瀬田の恵比寿さん
安房の恵比寿さん
第5回 潮風に吹かれて浜を見守れり
湯泊の恵比寿さん
中間(なかま)の恵比寿さん
栗生(くりお)の恵比寿さん
第6回 海亀の里を見守る恵比寿かな
永田の前浜の恵比寿さんと田舎浜の恵比寿さん
第7回 桜鯛顔もほころぶ岡ヱビス
吉田の浜恵比寿さんと岡恵比寿さん
第8回 波に似てゆたりゆたりの恵比須顔
一湊(いっそう)の一対の恵比寿さん
第9回 あめつちのめぐみ思わすヱビスかな
志戸子の一対の恵比寿さん
第10回(追加編) 神々と湯に浸りたる島の旅
一湊の村恵比寿さん
第11回(追加編) 津波来ていずこに去らむ島ヱビス
安房南港の恵比寿さん
第12回(追加編) すさび来る嵐の前の小春かな
平内の恵比寿さん
特別編1 密やかに島を見守る弁才天
一湊の弁天さん