何やら楽しげな七福神が乗った宝船
日本在来の恵比寿さんが仲良く相乗りしたちゃんぽん船
それは古くから住む島民と新たに海を渡ってきた移住者が混じり合って暮らす屋久島のよう
島の港のある集落に祀られる恵比寿さんのお姿から、島の暮らしも見えてきそうです
今回はこれまで見付けられなかった平内の恵比寿さん紹介です
拝啓
今日は月に一度の栗生診療所通い。帰りに尾之間のそば屋さんで限定5食「天丼+かけそばセット」を頂いてお腹と気力を満たし
汁も全部飲み干して、吹き出す汗を拭きふき、車を引き戻して向かう先は平内の港。
この冬一番の寒気が流れ込み始み始めた日本列島ですが、昼前の屋久島南部は穏かな小春日和。平内の港は波も立たずトンビが悠々舞っていました。
港から徒歩で坂を上って戻り、ふと見るとガードレールの切れ目の向こうに何やら影が。海を臨むがけっぷちに祠が一つ
2014年11月から始めた屋久島の恵比寿さん巡りですが、ずっと見つけられずにお参りできていなかった平内集落の恵比寿さんにやっと巡り合うことができました。
左の大黒さんと共に彩色の施された穏かなお姿で、釣竿も手にシャッキリと微笑んでいらっしゃいました。
他の浦や港の恵比寿さんは、大概海岸べりからすぐ見えるところにいらっしゃいますが、平内の恵比寿さんは港からやや離れた坂の途中、切り立った崖の上に。
地元の方でなければすぐに見付けられないのも頷けます。
東の入り江には薄く切り立った岩の屏風が水路を作っています。
島で一番素朴、味わい深い港かもしれません。
明日からの予想される荒天、どの海や浜も無事でありますように。
敬具
第1回 繁盛を願いて注ぐ恵比寿かな
尾之間の「村恵比寿」「浦恵比寿」「浜恵比寿」さん、原(はるお)の恵比寿さん、麦生(むぎお)の一対の恵比寿さん
第2回 初春の島に宿れる七福神
宮之浦の一対の恵比寿さん
第3回 静かなる島の宵々々恵比寿
楠川の「へたの恵比寿」「オキの恵比寿」さんと、椨川(たぶがわ)の「岡恵比寿」「浜恵比寿」さん
小瀬田と安房の恵比寿さん
第5回 潮風に吹かれて浜を見守れり
湯泊と中間(なかま)と栗生(くりお)の恵比寿さん
第6回 海亀の里を見守る恵比寿かな
永田の前浜の恵比寿さんと田舎浜の恵比寿さん
第7回 桜鯛顔もほころぶ岡ヱビス
吉田の浜恵比寿さんと岡恵比寿さん
第8回 波に似てゆたりゆたりの恵比須顔
一湊(いっそう)の一対の恵比寿さん
第9回 あめつちのめぐみ思わすヱビスかな
志戸子の一対の恵比寿さん
第10回(追加編) 神々と湯に浸りたる島の旅
一湊の村恵比寿さん
第11回(追加編) 津波来ていずこに去らむ島ヱビス
安房南港の恵比寿さん
特別編1 密やかに島を見守る弁才天
一湊の弁天さん