屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島丼紀行 第3回 尾之間の牛丼

拝啓
 
関東から東北にかけてお住いの方は記録的な豪雨で難儀をされているご様子。
それをニュースで知りながら呑気に丼巡りをしているのは申し訳ないようですが、やりかけると納得するか飽きるかくたびれて寝込むかするまで続けたくなる難儀な性分をお許しください。
 
さて天丼・カツ丼のお次はやはり牛丼です。
島にはファストフード店は「モス・バーガー」のみで牛丼チェーン店はなし。
丼物をメインにしている飯屋も見かけません。
京都で暮らしていた時には「なか卯」を筆頭に「吉野家」「松屋」「すき屋」を週に一度は巡回して新製品を確認していましたが、島に来て牛丼の存在を忘れかけていました。
 
そんな折、尾之間のお食事処「味徳」(http://www5.synapse.ne.jp/ajitoku/)さんに足を運んでお品書きを眺めていると「お昼限定メニュー カツ丼・牛丼」とあることに気付きました。
そこで早速、翌日のお昼に行くと駐車場が満車、翌日出直したもののランチタイムに間に合わず丼は終了、それでくじけてなるものかと今日は車を飛ばして昼前に入店。
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お店は尾之間のバス停の真ん前で、モッチョム岳を背負って佇んでいます。
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店内はテーブル席とお座敷で、小さなお子様連れも利用しやすい店の作り。
知っている人ならだれもが認める美人で物腰柔らかな女将さんが明るい声で「いらっしゃいませ」。
その声にすかさず「牛丼ください」。
待つことしばし、三度目の正直となる牛丼さんにやっと御対面です。
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思いがけず丼の中央に卵の黄身。
まずは豆腐とワカメの味噌汁をすすって口慣らし。
最初は卵を崩さないように肉とご飯を口に運びます。
屋久島風(というか鹿児島全般)の甘口仕立てですが、肉の味わいは損なわれておらず、玉ねぎはシャキシャキとトロトロの中間の良い火の通り具合。
二口食べてからおもむろに黄身を崩してすき焼風に。
卵の滋味と滑らかさがご飯と肉を包んでよりおいしくいただけました。
 
欲を言えば、薬味の紅ショウガがあればなおのこと。
 
レジ台に店名入りのマッチが置いてあるのも一つの風情。
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何度も足を運んだ甲斐がありました。
いずれ機会を見付けてもう一つの「お昼限定メニュー」のカツ丼をいただきに参りたいと存じます。
 
敬具