屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島丼紀行 第4回 安房のステーキ丼

拝啓
 
重陽節句も過ぎ、六角堂のある屋久島麦生では日暮れが早くなるとともに鈴虫の音も高くなり、秋の駆け足を感じます。
 
今日も六角堂コテージは2泊3日の弾丸旅行で縄文杉と宮之浦を縦走された元気な男子学生5人組さんが昼前にチェックアウト。
入れ替わりのお客様がいらっしゃらないので、午後からゆっくりコテージの片付け。
シーツなどの洗濯物を洗って、夕方コインランドリーに乾燥をかけに行きがてら、さる店に丼を食しに行ったものの休店。
六角堂スパイシーブックカフェ・イートハーブもその例に漏れませんが、島の飲食店は臨時休業や休日変更が珍しくありません。
 
それならばと、車を走らせたのが安房の県道沿い、グリーンホテルの向かいにあるテイクアウト専門の「島・しまキッチン」https://www.facebook.com/pages/%E5%B3%B6%E3%81%97%E3%81%BE%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3/1501392106797762?sk=info&tab=page_infoさん。
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ここのカレーについては屋久島カレー事情 第21回-輝くカレー』(http://blogs.yahoo.co.jp/honeycomcabin/12872314.html)でご紹介しましたが、メインはステーキ丼弁当
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6時を過ぎてマスターが閉店準備を仕掛けているところ、無理を言って作ってもらいました。
その分奮発して肉1.5倍、ご飯大盛りを注文。
待つこと10分ほどでホカホカのステーキ丼弁当の出来上がり。
コインランドリーの乾燥が終わるまでまだ間があるので、どこで食べようかと思案。
夕闇迫る中、車で5分とかからない春田浜の海水浴場に向かいました。
 
9月の平日の夕方、人気のない浜は満潮時で波が近くまで打ち寄せ、夕日はとっくに西の山に落ち、薄暮に包まれていました。
吹き寄せる海風に身を包まれながらパッケージを開封し、石造りのテーブルに丼を置いてまずは記念撮影。
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受け取ってから5分以上経っていましたが、ご飯も肉も温もりを保っていて舌から喉から胃袋へと幸せが降りていきます。
微かなる種子島の島影を眺めつつ、暮れ往く海辺でわびさびの夕餉。
そうです、「島・しまキッチン」のステーキ丼にはワサビが付いていて、これが肉の味を引き締めて上手いのです。
 
今回この丼紀行と称して毎食のように丼を食べ続けて再認識したこと。
その一つは薬味=スパイスやはハーブの力です。
 
牛丼にはやっぱり紅ショウガ、カツ丼にはミツバか青ネギ、天丼には大根おろしにワサビか下ろし生姜も合うかも、親子丼にはやっぱり山椒……
主役を引き立てる脇役の力、なくてもいいかもしれないと思われるような端役の光です。
 
そしてもう一つは「日本のカレー」は丼の一種であるということ。
 
六角堂スパイシーブックカフェ・イートハーブのカレーは「日本のカレー」とは趣の異なるカレーですが、それでも「丼精神」を忘れず、「おかんのカレー」とは一線を画しつつも庶民に支持されるカレー、スパイスとハーブの組み合わせを大切にしたカレーであり続けようと決意した次第です。
 
さて次回は、ある意味最も「屋久島らしい丼」かもしれないと持っている丼のご紹介を予定しております。
 
敬具