屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

オオカミの呼び声聴けぬ島の冬

拝啓
 
六角堂香草食堂スパイシーブックカフェ「イートハーブ」の1月18日(日)・19日(月)・20日(火)の今週の絵本特集は『オオカミさん』。
 
日本語のオオカミの語源は大神(おおかみ)で古くから狼信仰が存在し、『日本書紀』には狼のことが「かしこき神(貴神)にしてあらわざをこのむ」と記述されています。山の神として山岳信仰とも結び付き、武蔵御嶽神社や秩父三峯神社の狛犬はオオカミだそうです。
 
さて、六角堂にはヤギさんつながりでオオカミさんが登場する絵本も20数冊ございますが、今回はオオカミさんが主役の9冊をご紹介いたします。発行初版順に紹介しますので、イートハーブのどこにどのオオカミさんがいるのか探してみてください。
 
不思議なのは、どの絵本のオオカミもみな「男子」であること。肉食系女子の多い昨今ならば、女オオカミの絵本があってもよさそうなのですがね。
 
■ やっぱりおおかみ
作:ささきまき、発行:福音館書店1977年初版
 
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ひとりぼっちのおおかみは、仲間を求めて、ぶたの町、うさぎの町、とさまよいますが、どこへ行っても仲間はいません……。
 
■ 3びきの  かわいい  オオカミ 
著:ジーン・トリビザス 、絵:ヘレン・オクセンバリー、発行:富山房1994年
 
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3匹のかわいい狼は広い世界に出ていくことになりました。「でも、悪いおおブタには気をつけるのよ」 狼たちはれんがで家を作ったのに、とんでもないわるブタはそれを壊して…。「3匹の子豚」の素敵なパロディー。
 
■ オオカミのチキンシチュー
作:カザ啓子、発行:西村書店1995年初版
 
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食べることが大好きなおおかみは、チキンシチューが食べたくなりました。シチューに入れるにわとりを見つけたおおかみは、もっと太らせてからと、にわとりの家にせっせとホットケーキやドーナツを運びました。
 
■ オオカミと石のスープ
作:アナイス・ヴォージュラード、発行:徳間書店2001年初版
 
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ある冬の夜、どうぶつたちの村へ、年おいたオオカミがやってきました。オオカミは、めんどりの家のドアをたたいていいました。「すこしあたたまらせてくださいよ。そうしたら、石のスープをつくってあげましょう」。悪者になりきれない気弱なオオカミと、のんきでしたたかな村のどうぶつたちのさりげないやりとりがおかしくてたまらない、フランスで人気のユーモラスな絵本。
 
■ おおかみペコペコ(復刊版)
作:宮西達也 、発行:学習研究社2007年初版
 
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はらぺこおおかみのペコペコがやってきたのは、大根畑。ペコペコは大根をかじりながら思った。「だいこんじゃなくて、ねずみがいてくれたらなあ、うふふふ」。でも、目の前にあるのは、やっぱり大根ばかり。涙と笑いなくしては語れないペコペコの話。
 
■ オオカミ 
作:エミリー・グラヴェット 、発行:小峰書店2007年初版
 
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イギリスで出版された絵本の中で、最もすぐれた作品の画家に贈られる、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した、すばらしい絵本。
 
■ エゾオオカミ物語
作:あべ弘士、発行:講談社2008年初版
 
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それは、たった100年前のことでした…… 北海道にいたエゾオオカミが、この世からいなくなったのは約100年ほど前のこと。動物絵本の第一人者であるあべ弘士が、人間と動物の歴史をしずかに語ります。
 
■ オオカミくんはピアニスト
作:石田真理、発行:文化出版局2008年初版
 
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心をつなぐピアノの音色。きっと、誰かが待っている。
 
■ おおかみだあ!
著:セドリック・ラマディエ、絵:ヴァンサン・ブルジョ、発行:ポプラ社2014年初版
 
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たいへんだ たいへんだ!!えほんの ページを めくれば めくるほどおおかみが ちかづいてくる!!えほんをかたむけたり、ふったり、ひっくりかえしたり!読者のアクションがえほんの世界を動かす、フランスうまれの新感覚絵本。
 
こうしたオオカミの絵本のキーワードは「孤独」かも。一人暮らしが長い方、どこで誰と暮らしていても何やら違和感を感じているあなたなら、オオカミくんの気持ちが伝わるかもしれません。
 
ちなみニホンオオカミが絶滅したのは今から100年ほど前の1905年とされているようです。屋久島にもオオカミはいたのでしょうか?
 
イートハーブの営業は日曜日は夕方5時、月・火曜日は夜7時までご入店いただけます。どうぞごゆっくりオオカミくんと一緒にお過ごしください。
 
敬具