屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

桃色の吐息よもれよ梅雨の鬱

[六角堂スパイシーブックカフェ・イートハーブからのお知らせ】

今週の営業は
6月 21日(日) 11:00~ラストオーダー16:00
6月 22日(月) 11:00~ラストオーダー19:00
6月 23日(火) 11:00~ラストオーダー19:00

みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております


拝啓

梅雨入りして早20日。降り続く雨と這い続けるヤスデと思い出したように飛び回る流れ虫の鬱々たる日々が続いております。

そんな20日土曜日は久しぶりに薄日の差す半五月晴れ。流し虫の心配も杞憂に終わり、第三回「島の朗読会」も20名以上の参加者を得て盛況となりました。次回の島の朗読会は7月25日を予定しております。

さて、今回の週替わりカレーはブルーになりがちな島の梅雨に対抗する「桃色吐息ココナッツエビカレー」。これまでに召し上がっていただいたトマト味の強い赤いエビカレーとココナッツの甘みが強い白いエビカレーの真ん中を行くカレーです。

密教では赤は女性性を白は男性性を象徴。その二つが和合した桃色吐息カレーを是非お召し上がりください。

土曜日の朗読会でお試しいただいたシンプルカレーではむきエビのみでしたが、日曜からは有頭エビ付。メニューと価格の改定は来月まで据え置いてのご提供です。

さてさて、今月の絵本特集は『雨と虹』。降り続く島の雨にはうんざりしますが、雨の多い分だけ虹を見る機会が多いのも屋久島の特徴。晴れ間に浮かぶ虹を頼みに、未だ数週間は続く梅雨を乗り切りたいものです。

今回ご紹介する絵本は13冊。表紙の画像紹介は5冊のみですが、ご来店の際にはぜひ全冊読破なさってください。

■ 「イタリア民話 にじのみずうみ」
文:坂本鉄男、絵:岩崎ちひろ、発行:偕成社1970年初版
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■ 「クエスト にじいろの地図のなぞ」
作:アーロンベッカー、発行:講談社2015年初版
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■ 「にじいろのさかな」
作:マーカス・フィスター、訳:谷川俊太郎、発行:講談社 初版1995年
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■ 「コッコさんとあめふり」
作:片山健、発行:福音館書店2003年初版
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■ 「あめふりうさぎ」
作:せなけいこ、発行:新日本出版社1981年初版
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■ 「あめふりうります」
文:平田 昌広、 絵:野村たかあき、発行:講談社2014年初版
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■ 「かがみのえほん  ふしぎなにじ」
作:渡邉千夏、発行:福音館書店2014年初版

■ 「あめのもりのおくりもの」
作:ふくざわゆみこ、発行:福音館書店2006年初版

■ 「水の絵本シリーズ 虹になったしずく」
文:柴崎勉、絵:かおかおパンダ、発行:雄山閣2005年初版

■ 「はじめてであうえほんシリーズ  あめ  ぽぽぽ」
文:ひがしなおこ、絵:きうちたつろう、発行:くもん出版2009年初版

■ 「かえるのレストラン」
文:松岡節、絵:いもとようこ、発行:ひかりのくに2001年初版

■ 「ウィルコンの絵本シリーズ  にじ」
文:ジークフリード・ピー・ルプレヒト、絵:ヨゼフ・ウィルコン、訳:いずみちほこ、発行:セーラー出版1989年初版

■ 「虹の橋 Rainbow Bridge
翻訳・絵:葉祥明、発行:佼成出版社2007年初版

民話、字のない絵本、仕掛け絵本、ナンセンス……etc.多彩な絵本を雨降りの午後ゆったりお楽しみいただければ幸いです。

敬具

追伸
20日土曜日の朗読会で時間つなぎに朗読した即興の詩を戯れにご紹介いたします。

    萌え燃え島の梅雨

  プラスチックが黴てステンレスが錆びた朝
  ヤスデがぞわぞわ床を這う
  籠るべき土もなければ食らうべき餌もない屋中を
  待ち受ける蜘蛛に捧げる自己犠牲か

  プラスチックが黴てステンレスが錆びた黄昏
  流し虫がもわもわ光に集う
  ひたすら交尾のためにのみ生まれ翅を落として連なりさまよう
  一夜の夢の無残な跡はせっせせっせの蟻の餌

  プラスチックが黴てステンレスが錆びる島
  生と引き換えの
  深い深いタナトスの森

  プラスチックが黴てステンレスが錆びる島
  死と引き換えの
  深い深いエロスの森