屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

片隅に瞬く明かり灯したり

追伸
 
明日明後日のカレーとともにご案内すべき「今週の絵本紹介」を忘れておりました。
 
そこで「今週のおすすめ絵本」
 
冬至が近付くにつれ日の入りが早くなり、何やら物寂しい夜が長く感じられるようになってきます。街路灯も少なく海と森に包まれている屋久島ならなおさら。そんな闇の中に浮かぶ窓の明かりや、蝋燭(キャンドル)の炎の揺らめきに安らぎを覚える人も多いでしょう。店に飾られるクリスマスツリーの電飾もその一つかもしれません。
 
六角堂イートハーブもそんな思いでクリスマスツリーを飾りました。
 
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ならば絵本紹介のテーマは“クリスマス”と思いきや“日本の人魚”です。里にはめったに雪の降らない屋久島です。雪の飾りの綿の代わりにサンゴや貝殻を飾りました。すると何となく、人魚のクリスマスのように見えてきました。そしてキャンドル(蝋燭)ナイトとくれば……
 
一冊目は、大正時代に活躍した童話作家小川未明の『赤い蝋燭と人魚』でしょう。今回は酒井駒子の絵による絵本(偕成社2002年1月刊行)を紹介します。
 
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娘を思う母人魚の切なさと人間のエゴイズムがグッとくる物語。ロフトの絵本コーナーにはいわさきちひろの絵の作品もありますので読み比べてご覧ください。
 
二冊目は異色の絵本、米倉斉加年作『まさかね絵草子  人魚物語』(角川書店1977年12月刊行)です。
 
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俳優米倉斉加年氏は多彩な方で、何冊もの絵草子(絵本?画集?)を出されています。その「まさかね絵草子」の一冊。不気味さの中に、人間の本質を見ることのできる一冊です。
 
三冊目は歌手Coccoの『南の島の恋の歌』(河出書房新社2004年8月刊行)です。
 
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周りの人から自分が「痛い存在」だと思われていると気付いた時、どうしようもなく落ち込んでしまったことがある人なら、この絵本に共感できるはずです。
 
昔から、絵本は子供の読み物ではないんだな感じて頂ける三冊。よろしければ、ホットレモネードやホットチャイを召し上がりながら、手に取ってご覧ください。
 
以上