屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

リンゴブギウギ ⑤ Song Linesと雪苔屋 KannonとBentenのケーキ (屋久島ボンボンポイ第74回)

拝啓

この六角形のリンゴに恋焦がれておりました。

県道を西へとひた走り、

コスモス畑の角を海へと下り、

開店と同時にSong Linesさんに入店。

しかし、片思いの恋につきものの悲しいすれ違い。

出会いは叶いませんでした。

が、

そこには思いがけない紅玉タタンとの再会が。

 

思い起こせば4年前、2019年の11月

湯泊の「珈琲はまゆ」で頂いた忘れがたいリンゴの二品。

「紅玉リンゴのタタン」

そして、

「紅の夢りんごタルト」

その詳細は過去記事で。

屋久島ボンボンポイ第19+2回 艶やかな紅の夢見しはまゆ - 屋久島六角堂便り~手紙 (hatenablog.com)

 

4年の歳月を経て、

湯泊から平内へと移住しその店名も変われども、

なお存在したiNaho apple Tatin

姿は変われど、

変わらぬ艶やかな光が宿っておりました。

得も言われぬ透明感が愛おしい。

加地中深珈琲との相性も抜群でした。

 

そしてSong Lines さんのもう一品が「スフレロール 柿」

果物は何が好きかと聞かれれば、

1番 モモ、2番 カキ、3番 洋ナシ

柿に惹かれて翌日頂くことに。

実は、屋久島で柿の実どころか柿の木を見た記憶がありませんでした。

聞けば、平内川のほとり、

かつてシズクギャラリーだった建屋の脇にあるとのこと。

Shizuku Gallery - 屋久島|画家・高田裕子-ジュエリー作家・中村圭

帰り際確認すれば、

おお、なんと柿が生るなり川の端。

ズームアップ。

「カキノキ」の語源は「カガヤキ」が訛ったものだという説も。

艶々と柿色に染まった柿は、

屋久島も日本の一部であることを主張しているかのよう。

で、翌日。

スフレロールの中に柿が入っていないのは残念ですが、

ロールを縦に起こしてみれば……

傾きかけた秋の日差しを受けたスフレロールは、

何やら観音様の光背光輪のよう。

勝手にiNaho Kannon Roll と呼ばせて頂きます。

 

その翌日、

永久保の雪苔屋さんへ注文していた珈琲豆を引き取りに。

そこで待っていてくれたのは「キャラメルりんご」。

 

先月頂いたのは「紅玉りんご」

 

今回は、豆を引き取りがてら珈琲一杯頂いて帰ろうと思っていたのですが、

一期一会のご縁を得た「キャラメルりんご」を振るわけには参りません。

その横顔は……

「どうよ⁈」と背筋を伸ばしてポーズをとって微笑みかけているかのよう。

ローマの休日に出演した頃のオードリー・ヘプバーンのよう。

The Hair Product We Can Thank Audrey Hepburn For | Glamour

そういえば、似ている。

りんごケーキの創造主に。

一番似てるのは忽那汐里(くつなしおり)、

あるいは高畑充希だと常々思っておりましたが。

はたまたそれは、

音楽や戦勝の守り神、弁天様(弁才天)にも通ずるような面持ち。

富山県射水市 新湊弁財天)

弁天さんはもともとインドの水の女神サラスバティー

日本風に変容した神様。

旦那はヒンドゥー教創造神の一人ブラフマー

ブラフマー

どことなく似ている。

りんごケーキの創造主の旦那に。

と言う訳で、

今回頂いた「キャラメルりんご」は、

MARInA Benten Apple Cake と勝手に呼ばせて頂くことに。

 

はてさて、次は如何なる女神のリンゴ菓子に出会えるか、

『仏教を彩る 女神図典』(西上青曜著、朱鷺書房1995年刊)なんぞを眺めている間に、

秋の夜長は更けて参ります。

敬具