拝啓
2月3日朝6:30、
鹿児島中央駅から目指したのは、天草の埼津教会。
2018年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産とは / 世界文化遺産「天草の﨑津集落」 / 天草市 (city.amakusa.kumamoto.jp)
前夜ホテルで「地球の歩き方JAPAN 島旅 天草」 をめくりつつ、
鹿児島から天草に渡るルートを探索。
鹿児島の出水から「天草ロマンスシャトルバス」に乗り、
島の南にある教会に近そうなのとフェリーに乗れること、
そして何よりHPで見たバスの格好と名前に心惹かれました。
天草から次の地へは、
鹿児島中央駅7:00。
九州新幹線開業後JRから切り離された「肥薩おれんじ鉄道」で出水まで向おうと。
まずはJR鹿児島本線川内行きワンマンカーに乗車。
川内で肥薩おれんじ鉄道八代行きに乗り換え。
トイレに行って時間がなかったので乗車券は車内で買うことに。
がらんとした車内の椅子に腰かけて、
フェリーの時間を再確認すると(゜o゜;
なんと2月3日、今日まで整備でフェリー運休だと!
どうしたもんか⁉とネットで検索したものの良い手立てが見つからず、
こんな時はプロに聞くのが一番と、
ワンマンカーの運転手さんに停車中を見計らって相談。
すると、出水で停車中に天草出身の乗務員さんを呼んでくれ、
「終点の八代まで乗って、そこからJRの鹿児島本線銀水行きに乗り換えて宇土駅で降り、特急バスあまくさ号に乗り換えるしかない」とのアドバイス。
おまけに65歳以上なら「オレンジフリー切符」が半額でお得だとも。
65歳と1か月の身、即決。
とりあえず、予約した天草市本渡の宿へ直行することに。
何十匹ものくまモンと電車にゴトゴト揺られることに。
肥薩おれんじ鉄道はトイレも広くてFree Wi-Fiも使えて快適。
八代から再びJR鹿児島本然銀水行きに乗り換えて、
宇都駅に到着。
ここまで電車の旅4時間20分。
バス停でバスを待っていると、
地域のコミュニティバスが頻繁に。
20分ほどで「あまくさ号」も到着。
約2時間で天草市本渡バスターミナルに到着。
googlさんによれば、ここから宿まで徒歩10分。
荷物を背負っててくてく歩けば……映画館が。
古びた建物に『第一映劇』の文字。
気になりましたが、
とにかく荷物が肩に食い込むので、
そのまま進むと商店街。
地方都市に限らず多くの商店街がそうであるように「シャッター商店街」に。
本屋の表示が出ている店はデイサービスセンターに。
新しく元気そうな看板のお店は何かとみれば起業支援センターでした。
それでもお地蔵さまはきちんとお世話がされていて何やらホッと。
ただ、防犯カメラ作動中の張り紙に物悲しくも。
そして13:45、朝6:30に鹿児島のホテルを出てから7時間15分後、
ようやく到着したお宿が「栄美屋旅館」。
創業1933年の老舗旅館。
全国旅行支援を使える宿を探す中、
HPの「宿の歴史」に心惹かれて決定。
「エイミ屋」と思い込んで電話で宿直予約をしたところ、
女将さんらしき方の明るい声で「はい、エミ屋でございます」と。
ここで何やら不思議なご縁を感じました。
20年ほど前から音信不通で気に掛かっている卒業生の名と同じだったからです。
16時のチェックイン予定にもかかわらず、お部屋をご用意して下さったり、
島巡りにはレンタカーが必須と、
天草で一番格安の「にこにこレンタカー」を紹介して下さったり。
こういうところが老舗の女将さんなのだなと感服。
レンタカー屋さんも送迎に来てくださって、
翌日夕方まで借りることに。
そして15:30、いよいよ崎津教会を目指すことになったのです。
【電車とバスからの学び】
◎ 電車で学んだこと
国内外を問わず、鉄道ファン、鉄道オタク(鉄ちゃん・鉄子)は数知れず。
山登りも海遊びも苦手で、ヒーリングやリラクゼーションや地魚にもさして関心がない人たちを屋久島に呼び込む手立て。
そのヒントが鉄道にあるのだと。
鉄道オタクの種類を鉄道ファンではない人にもわかるように解説 - 通勤コンパス によれば、その種類も多種多様。
撮り鉄・乗り鉄・葬式鉄・探検鉄・音鉄・もじ鉄・ミニ鉄・収集鉄・車両鉄・時刻表鉄・模型鉄・ゲーム鉄・見る鉄・ミステリー鉄……
そして自分なりの架空路線やウソの電車について仮想する妄想鉄なるものまで(私もその一人)。
野村総合研究所の高田伸朗氏によれば、鉄道ファンは150万~200万人。中心となる鉄道マニアは約2万人。少しでも好きな人を含めた鉄道ファンはその百倍近くに上り、航空機の3~4倍、バスの10倍いるとのこと。
鉄道ファン、なぜ多い? ママ鉄、撮り鉄 すそ野広く|NIKKEI STYLE
以前から気になっていたことの一つは、
宮之浦の「屋久島観光センター」レストランに飾ってある「急行屋久島号」のプレート。
急行屋久島とは……
※S45.10.1
大阪-西鹿児島間(東京-大阪間臨時)定期・不定期PC急行「桜島」を改称
※S47.3.15
そして、
何年も前から、トロッコ列車の旅客化が取り沙汰されてきています。
屋久島の住民が中心となって作るNPO法人の活動はどうなっているのか。
黒部渓谷のトロッコ
京都嵯峨野のトロッコ
こんなトロッコ列車に屋久島で乗りたいと思う人は、きっと世界中に。
妄想鉄としては、以前このブログの「お水の島プロジェクト」でも披歴した鹿児島市電屋久島乗り入れも。
屋久島と最も縁が無さそうな「鉄道」から新たな島の未来が見えてくるのではないかと改めて思った列車の旅。
◎ バスで学んだこと
宇都駅でも天草市内でも小型のコミュニティーバスが活躍していました。
屋久島のお隣の種子島にもコミュニティーバスがあると聞いていますが、
コミュニティバス (town.minamitane.kagoshima.jp)
高齢化、過疎化の進んだ地域住民にとってのみならず、
観光客にも大切な足となるもの。
また、あまくさ号を運行する産交バスでは様々なバスの部品グッズも販売。
中にはバスのシートのアップサイクル商品も。
九州産交バスオンラインショップ「バスもっと!」 (kyusanko.co.jp)
どこの地方(田舎)でもそうですが、「車なしでは生活できない」からの脱却が課題。
なんなら無印良品(MUJI)がデザインした自動運転バスの導入検討も。
良品計画デザインのバス、アジア展開へ - NNA ASIA・アジア・車両
特に屋久島の路線バスは終バスが7時台。
安房や宮之浦で食事をした車を持たないお客様は、タクシーを利用するしかない現状や如何に。
住民にも観光客にも喜ばれるバス網、バスグッズの企画・開発・運行が、島の活性化、移住者増にも役立つのではないかと。
つづく