拝啓
今日の昼前、屋久島町役場に所用で出向くと……
「屋久島木材フェスタ」開催中。
六角堂では大変お世話になっている福島木工さん
愛らしい人形なども制作されているアセンス工房さん
気品のあるスプーンなどの食器を中心としたMurakami Woodworksさん
心和む木卵のウッドショップ木心里さん
それぞれの作品を眺めているだけでほっこりします。
で、役場に出向いた所用とは……
六角堂接客担当従業員ニャーに「はよせんかいな!」とせかされて、
屋久島町議会事務局で「請願書」提出手続きの確認に。
請願内容は
「屋久島町パートナーシップ制度の創設」。
請願に必要な紹介議員さんの目途もついたので、
請願書の書式や添付書類などを確認。
その際に出会ったのが先ほどの木材フェスタ。
そこで「そうや!」と思い付いたのが、
請願が実り制度が運用された折に渡される、
パートナーシップ証明書あるいは宣誓受領書用フレーム。
島にある多彩な木工工房で専用フレームを作ってもらい、
町が記念品として贈呈すれば話題になること請け合い。
日本各地に様々あるフォトフレームですが、
無垢の屋久杉や様々な島の木を寄木にしたフレームを贈呈用に作れば、
人気を呼んでふるさと納税のお品として全国から発注が来るかも。
それと併せて、
鹿革の証明カード入れもあれば最高。
屋久島で鹿革作品を販売していらっしゃるariga-toさんはもちろんのこと、
https://ariga-to.shop/collections/名刺入れ
鹿肉を扱うヤクニク屋さんの鹿革を使った新商品を開発中の山口県の革工房JACKさんでも。
と、またしても広がる妄想。
しかし請願自体は妄想ではなく地に足の着いた現実。
ロマンではなくリアル。
「パートナーシップ制度なんぞ作ってもだれが利用するんや?」
と疑問に思わる方もいらっしゃるかもしれません。
「当事者が作ってくれって頼んでるのか?」
とおっしゃる方もいるに違いありませんが、
そもそも当事者とは誰のことなのか?
パートナーシップ制度は法的に認められていない同性婚希望者や
様々な理由で法的保証のない事実婚をされている異性カップルのみが
当事者なのか?
違います。
社会的弱者が暮らしやすい世の中は誰にとっても暮らしやすい世の中
それを実現する事は誰にとっての利益でもあります。
ゲイやトランスジェンダーなど身近にいない、
と思っていらっしゃる方が国民島民の多数派(マジョリティー)でしょうが、
様々な不利益を背負い、不安や苦悩を抱きながら
「はい私そうです」とカミングアウトする人がどれほどいるでしょうか?
もっと言うなら、
自分の子供や孫がレズビアンであることを隠しながら独り悩んでいるかもしれません。
それを苦に、中学卒業後島を出て島外の高校に進学した子がいてもおかしくない。
また、
「お父ちゃんが好きな人と一緒に暮らすのはかまへんけど、再婚だけはしんといて!」と娘から言われているヤモメのオヤジさん。
毎朝一緒に味噌汁を啜り、お笑い番組を見ながら夕食を共にしていながら、
いざ相方が救急車で徳洲会病院のICUに担ぎ込まれても面会できず、
「延命措置をしますか」と聞かれても「家族」でないため何も言えない。
そんな心配を抱えているカップルさんが同じ集落に住んでいるかもしれません。
そしてさらに、
「自然とヒトの多様性」こそが屋久島の特徴。
世界自然遺産となることで自然の多様性が保護される一方、
人の多様性を保証する制度がないのは片手落ち。
パートナーシップ制度の創設は、
多様な人々が島で安心して暮らせることの象徴。
それが移住・定住者を増やし、
人手不足で定員を埋められぬ保育所や高齢者施設の人手を賄い、
子育て世帯やデイサービスを受ける高齢者の生活も安定するというもの。
都会でストレスを抱えるLGBTや事実婚の方が安心できる島だとわかれば、
ひと時の癒しを求めて島を訪れて下さる方が増え、
観光客の減少で先行き不安な観光、宿泊、飲食業界の経営も新たな未来が開けます。
そして何より、
一人一人の人権が守られてこそ実現される心豊かな生活。
と言う訳で、
月曜締め切りの請願書を完成させるべく、今夜は徹夜かも……
とエネルギー補給のためにレストランかもがわさんで、
夜も頂けるBランチを注文。
ご飯一杯お代わり自由、珈琲一杯セルフサービス付きで1,100円。
島の明日が元気でありますように。
敬具