屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

おみずの島プロジェクト 多様な人々が世界中から集まって活き活き暮らせる島にするセンターと条例作り

拝啓

今月初め、屋久島町から次のようなお知らせが。

尾之間支所庁舎跡地利活用事業に係る事業者を募集します|人と自然と。世界自然遺産屋久島 (yakushima.kagoshima.jp)

要するに旧尾之間支所庁舎の跡地の利活用を行う事業者募集のお知らせ。

募集する事業内容及び条件は……

屋久島町第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる

次の基本目標のいずれかに適う事業であること。

屋久島町の特性を生かした働き方の確立と経済活動の循環
 ~地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする~

屋久島町を起点とした教育・交流・移住サイクルの確立
 ~地方への新しいひとの流れをつくる~

Ⅲ 結婚・出産・子育て等のライフステージに応じたバックアップの充実
 ~若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる~

Ⅳ 多様なプレーヤーで築く、安心・安全な循環型社会の実現
 ~時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する~

そのお知らせにはYouTube動画が添付。

www.youtube.com

その動画の視聴回数は65回  2021/08/16

そして

それが掲載されている「Yakushima Town【屋久島町公式】」の
チャンネル登録者数は1700人。 

 

www.youtube.com

その動画の視聴回数は1,862回 2018/12/10

世界自然遺産の島、観光立島を目指す屋久島町のチャンネルと動画。

にもかかわらず何故にこれほど登録数や視聴回数が少ないのか?

 

それはさておき、

この十数年前の来島者急増とその後の急減に直面して、

島の未来を憂える声はそこここに溢れる一方、

深刻なのは島の人口減少。

コロナ禍の影響もあってか島を離れる人も多く、

今年の1月からも転出者が増。

毎月配布される『町報やくしま』の「人の動き」欄を今年(2021年)3月号から11月号まで、

1月から9月までの人口動態をスマホで撮って繋いでみれば、

その深刻さはありありと。

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1月に12,131人だった人口は9月に11,996人へと135人減少し、

ついに12,000人を切りました。

その間の転入者は542人で転出者は610人。差し引き68人の減少。

出生は48人で死亡は131人。差し引き83人の減少。

何故だか68+83=151で、先の135人減と数字は合いませんが、

とにかく三桁の減少に違いはありません。

全国的な少子高齢化の折にもかかわらず48人の出生はなかなかのもの。

ならば、人口減少を食い止める主たる課題は何か⁈

それを考えるヒントは、以前このブログでもご紹介した次の統計。

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1960年に24,000人を越えていた人口が、

10年後の1970年には17,000人台へと7,000人も急減し、

そのまた10年後の1980年には15,000人台へ、

そのまた10年後の1990年には13,000人台へと減少。

10年ごとに2,000人ずつ減少していたにもかかわらず、

その後の20年間は人口減少に歯止めがかかっていたのです。

これはお隣の種子島と比べても特異な現象でした。

ところが2015年には12,000人台へと減り始め、

2021年9月にはついに12,000人を切ってしまったのです。

この10年ばかりの間に、屋久島で何が起こっていたのか?

言い換えれば、行政や町民は何をしてこなかったのか?

それを探ることが、これからの屋久島を考える上で重要かと。

 

話は変わるようですが、

生物多様性国家戦略なるものの存在をご存知の方は少ないかも。

生物多様性国家戦略 - Wikipedia

そこでは

生物多様性を社会に浸透させる
地域における人と自然の関係を再構築する
森・里・川・海のつながりを確保する
地球規模の視野を持って行動する

ことなどが目標とされており、

世界自然遺産に登録されている屋久島にとっても大きな課題。

 

しかし、それと同時に意識すべきはヒトの多様性戦略。

それは先の「屋久島町第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げられた

「多様なプレーヤーで築く、安心・安全な循環型社会の実現」にも関わることかと。

www.town.yakushima.kagoshima.jp

 

そして、それと共鳴するやもしれぬ民間活動の一つに、

2020年に始まった対話型コミュニティimagine Yakushimaが。

imagine-yakushima.com

ただ、その存在をどれほどの島民が認知、支持しているのかは不明。

それを行政がどのように把握、応援しようとしているのかは更に不明。

今は、若い地元出身者や移住者の今後に期待するばかりです。

 

そんな島の現状を踏まえた提案が二つ。

その第一は、

旧尾之間支所庁舎の跡地の利活用として、

① 外国人技能実習生の管理団体を設置し、

➁ 日本語・日本文化研修センター(日本語学校)を開設。

③ 併せて農・林・水産・観光業、及び介護の実習拠点とすること。

さらに、

④ かつて株式会社奈良義肢さんを中心に設立された「NGOアフガニスタン義肢装具支援の会」が目指したような、

世界各国の紛争地帯で義肢装具製作が出来る技術者を養成する専門学校を設置し、

世界に貢献する屋久島の核とすること。

アフガニスタン紛争被害者への義肢提供による支援[株式会社奈良義肢] | VSOP運動|本業を通じた社会貢献活動 (nippon-saiko.jp)

 

そして第二は、

屋久島町独自の「パートナーシップ条例」を制定し、

LGBTQのみならず様々な事情で困難や不安を抱える異性カップルも安心して暮らせる生活環境、関連諸制度を整備すること。

 

屋久島町民(鹿児島県民)で知る人は少ないかもしれませんが、

2021年4月、指宿市で鹿児島県初のパートナーシップ宣誓制度が開始。

www.city.ibusuki.lg.jp

また、

2022年1月には鹿児島市でもパートナーシップ制度が導入される予定となっています。

samesexpartnership.wixsite.com

内容に違いはあれども、

パートナーシップ制度を施行している自治体は2021年10月現在で130。

パートナーシップ宣誓制度について | 日本LGBTサポート協会

しかし、

離島の振興を図る5つの法律に指定されている有人島304島、

平成27年国勢調査による日本の有人島416島の中で、

パートナシップ制度が施行されている離島は現在0島。

離島初のパートナーシップ条例の制定はインパクトがあり、

その内容がこれまで実施されてきた他の自治体を凌駕するもの、

例えば同性異性を問わず、

外国人パートナーや養子縁組をも認めるような制度となれば画期的。

制度導入は多様性を尊重し、その生活を支援する島になることの宣言。

ひいては子育て世帯や様々な技能を持つ単身者をも惹きつけ、

人口減少の歯止めどころか、

「サル2万シカ2万ヒト2万」と言われた島の生態系バランスを回復することにも。

それが更には新たな観光客の開拓や飲食・宿泊従業員の確保にもつながり、

島の経済の支えとなることも。

 

社会的弱者が暮らしやすい島は、誰にとっても暮らしやすい島。

 

条例制定は第一に挙げたセンター設置と比べて費用は格安。

町民の理解と支持を得、

様々な関係機関(国の省庁)と折衝することは必要ですが、

町議会で承認されれば実施可能。

 

現在屋久島町では議会への請願・陳情書の受付期間中。

(11月29日午後5時まで)

議会への請願書・陳情書を受け付けます|人と自然と。世界自然遺産屋久島 (yakushima.kagoshima.jp)

条例制定の請願・陳情もこの際ありかと。

 

この冬、暇を持て余している接客&予約担当従業員ニャーも、

それならば私も手を貸そうと身を起こしましたが、

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肉球では請願書への押印不可と知り、早々にふて寝。

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もしどなたか、興味関心をお持ちでしたら制度実現に向けてご一緒に。

請願の場合は、紹介議員の署名又は記名押印が必要だとのこと。

先頃の選挙で当選された町会議員さんの中で、

賛同して下さる議員さんはいずこにかあらんや。

敬具

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