拝啓
先日、どなたかのFacebookで画像を見て気になっていた丼。
それを頂きに上がりました。
尾之間のサンキュー食堂さんの新メニュー。
赤い文字で一番下に表示された屋久島海鮮丼。
屋久島なのになんで狸やねん!
と誰しも突っ込みたくなる器をパッカ~ンとすれば。
彩り鮮やか狸のお腹。
刺身は小さめに切られているので歯の弱い方や小さなお子様にも食べやすそう。
別の器に入ったユズベースのタレを掛け回して頂くと、
程よい酸味と何か判別できませんでしたがヒリリとした辛味も。
魚が苦手な方にもサクサク頂きやすくなる効用有りかと。
特徴はオレンジに盛られた粒々、
トビウオの卵「トビコ」が「屋久島」らしさの演出?
いつも元気に陣頭指揮を執っていらっしゃる社長さんに確認できたらよかったのですが、この日は生憎不在。
重ねてもう一つ、
いらっしゃれば伺いたかったのがこちら。
オープン当初からレジで出迎えてくれている狸のカップル。
今日はその脇に「たぬきの云われ」も掲示してありました。
サンキュウ―食堂が属する「武蔵グループ」の本拠地は三河。
なのになんで信楽の狸なのか?
お会計時、スタッフさんに
「社長さんは信楽と何かご縁があるのでしょうか?」と尋ぬれども
答えは「さぁ?わかりません」。
八相縁起って何? | ほっとする信楽 信楽町観光協会 (e-shigaraki.org)
にもあるように狸の置物は八相縁起(縁喜)とも呼ばれる縁起物。
当然商売繁盛の願いはあるにせよ、
その奥にある思いを手前勝手に推理すれば……
家康と言えば狸オヤジ。
その狸が重用した外国人がウィリアム・アダムス。
彼は関ケ原の戦いの約半年前の1600年4月、
大分県に漂着したオランダ船のイギリス人航海士(水先案内人)。
家康は彼に外国交渉の通訳を任せ、
幾何学や数学、航海術などの知識を家臣に学ばせ、
日本初の西洋式の帆船サン・ブエナ・ヴェントゥーラ号の造船を命令。
三浦按針(按針=水先案内人)の名で旗本に取り立てる厚遇ぶり。
家康は「鎖国」の張本人と思いきや、
当初は独自に貿易を行って利益を得ていた西国大名に対抗し、
フィリピンやメキシコに使節を送るなど積極的に貿易を目指すと共に、
スペイン領メキシコとの交易のため、
サン・ブエナ・ヴェントゥーラ号をメキシコに派遣。
スペイン国王への親書まで送っていた“海外交易推進派”だった……のですが、
イエズス会のキリスト教布教を脅威に感じ、一転キリスト教禁教令&鎖国へと。
この辺りは、数週間前にオンデマンドで観たNHK BSプレミアム「英雄たちの選択『家康が夢見た“開国”』」の受け売り。
付記
そんな歴史の一ページがあったのかと思っていたところ、
先頃見たのは外国人技能実習制度に関する新たな番組や報道。
政府は今月下旬から、
コロナ禍で厳しくしていた入国制限の上限を1日あたり3500人から5000人に引き上げる方針。
それに対して重なる不安も。
入国緩和 技能実習生を受け入れる現場 期待と不安の声|NHK 関西のニュース
その数日後、
日経新聞のWEBで次のスクープ記事が。
その肝は在留期間が延長される職種の拡大。
もう何年も前から、
技能実習生を取り巻く課題が報じられておりましたが、
WEB特集 外国人技能実習制度の闇 ~彼は駅に捨てられた~ | 新型コロナウイルス | NHKニュース
夢破れる外国人労働者たち | NスペPlus (nhk.or.jp)
WEB特集 「わたしいま幸せです!」職失った技能実習生が活躍! | 技能実習生 | NHKニュース
日本国内の少子高齢化と労働力不足を「日本人」だけでは賄えぬことは、
前世紀、あのバブルの頃から明白で、
そのひずみを一身に受けているのが外国人技能実習生だということ。
そして同日、
屋久島発のWEBニュース「ほっと屋久島」で取り上げられていた記事がこちら。
今年1月に1万2131人だった人口は、
9月には1万1996人と、135人も減っているのです。
そして、亡くなった方は106人。
つまり、自然に減る人数よりも早いペースで人口減少が進んでいるのです。
20年後の2040年ごろには、人口が1万人を割り込むと予想されています。
そこで町では、「屋久島町過疎地域持続的発展計画」(2021年度~2025年度)を策定中。
Facebook版はこちら
屋久島町としては、年間に迎える移住者の数を「250 人」とする目標を掲げていながら、その実現に向けての有効な手立ては……
そのヒントは、先に触れた外国人技能実習生。
屋久島でも、
30年以上前に屋久島町が誘致した縫製工場で、
それを知る町民は少ないようす。
「ワイケーエス・屋久島」
屋久島の栗生に町の誘致企業として創業して30数年になります。
当初は通販用のシャツが主でしたが
現在は制服やドレスシャツ、カジュアルシャツまでに製造品種が広がりました。
縫製のみの工場で、中学校の講堂跡で創業しています。
建物は古いですが水、空気はピカイチの環境です。
工場のある栗生の方に聞けば、
とても働き者で感じの良い娘達ばっかりだとのこと。
しかし問題は、今の仕組み。
国内で実習生を支えるはずの管理団体のもろさ、あくどさ。
ならば、
全国の悪例を教訓とし、
と思っていた矢先、
サンキュー食堂の社長さんのFacebook記事が目に入って参りました。
そこで、
屋久島のサンキュウ食堂にも外国人技能実習生がやって来るのか?
そしてその先には、
徳川家康が一旦はもくろみながら、
果たすことのできなかった環太平洋の交易・交流を、
今こそ屋久島を起点に叶えてみせようとの心意気が
「狸丼」に込められているのではないか!!
との推理は当たっているのかどうかを確かめに伺った次第。
あ~~話が長かった。
でもまだ終わらない。
農林水産観光業を維持発展させつつ、
自然とヒトの多様性が日本で一番尊重される魅力的な島造りには、
様々な外国人が移民として定住できる条件づくりをすることしかないかと。
そこで思い起こしたのが、
9月に行われた屋久島町議会議員選挙で876.432 票、
断トツのトップ当選をした岩川たくのり議員のWEBサイト。
そこに掲げられていた
たくのりのまちづくりの一項目
若い世代のチャレンジを応援
・日本語学校誘致と、日本中に先駆けた移民の受け入れ整備
岩川たくのり公式サイト (takunori-iwakawa.com)
屋久島町で「移住者」の誘致に関する提案は10年以上前から何度も目に触れたものの、
「移民」に関する積極的提案を耳にしたことはありませんでした。
そしてもう一つ注目したのが
・障がい者やLGBTQ等、誰ひとり取り残さない福祉政策
以前この「おみずの島プロジェクト」でも移民・難民の受け入れ実現や、
LGBTQを含むパートナシップ条例の策定について触れてまいりましたが、
ようやく立場ある人が訴えて下さる時代になったのかと感慨に耽ったものでした。
まずは、
東南アジア諸国連合(Association of South‐East Asian Nations)10か国、
インドネシア
カンボジア
シンガポール
タイ
フィリピン
ブルネイ
ベトナム
マレーシア
ミャンマー
ラオス
から屋久島へ!
狸が健全・安全・安心な環境で技能実習生を呼び寄せて下さることを妄想しつつ、
夜の帳は降りてまいりました。
敬具
「おみずの島プロジェクト」の記事一覧 - 屋久島六角堂便り~手紙
追伸
Facebookにこの記事のリンクを張ったところ、サンキュー食堂の社長さんから下記のメッセージをいただきました。
ありがとうございました。