拝啓
秋の屋久島新規開店案内第3弾は……
尾之間で10月28日プレオープンされた「とんかつ サンキュー食堂」さん。
以前、トーンさんやすし将さんがお店を営まれていた場所。
扉を開ければ、招き猫ならぬラブラブ狸がお出迎え。
かつて座り慣れた窓辺の席からは相変わらずのモッチョムが。
この窓の景色を見ながら頂いた、トーンさんのトンカツ定食を思い出し、
杜甫の五言律詩「春望」が頭をよぎりました。
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書万金に抵たる
白頭掻けば更に短く
渾べて簪に勝へざらんと欲す
そんな微かなノスタルジアを振り切るようにメニューを閲覧。
テーブル脇にはかつバーガーなどの立派なメニューシートがありましたが、
プレオープン初日の今日は、
「本日の限定メニュー」。
もう一枚にお店の挨拶文が。
営業スケジュール表の細かさにオーナーさんの細やかさが。
愛知県豊橋市出身、創業54年で培ったみそカツが自慢とのこと。
7月末からFacebookでオープンの知らせをされていて、
豊橋に総本店がある「武蔵グループ」の一翼らしいと知り、下調べも。
そこで何はともあれ、メニューの一番上に表示された、
みそカツ定食(中)税込1,650円を頂くことに。
ほほう、箸袋はやはり「武蔵」。
上から見るとカツの大きさがより判然と。
ググっと寄れば、味噌だれの香りもふんわりと。
肉厚で柔らかな豚肉の触感は、島ではなかなか味わえないもの。
更に千切りキャベツの細さは何やら京都のかつやを想わせて懐かしさひとしお。
ただ、細さのあまり汁気の多いみそだれを吸い込んでジュンワリし過ぎかもと思いきや、
「食べっぷりがよろしいので、キャベツの追加をどうぞ」と、
わざわざオーナーさんがキャベツをおまけして下さって、感謝。
お客様の様子をしっかり目配りしつつ、
これからの島での営業を考えていらっしゃる熱意に感服。
箸袋の裏に記された五ヶ条の一~三は間違いなし。
四と五は今後に期待と言うところ。
帰り際には開店祝いの粗品も頂いて。
バーガー系は早ければ年内、遅ければ年明けにスタートできるかもと。
甘い味噌だれは島のお年寄りにも好まれるかと思いますが、
味噌カツと言えば今はすでになき安房の「和が家」さんと「なつみ庵」さんの味噌カツ。
品質の高さを維持しながら、島の味に定着させるハードルをサンキュー食堂さんには越えて頂きたいもの。
新たなメニューの展開とリーズナブルなお値段で、
末永く繁盛なさいますように。
次回は屋久杉自然館駐車場の「杉の茶屋」さん跡にプレオープンした「Yakushima Plant-based Cafe & Act【ne-】」さんのご案内を予定です。
敬具
「屋久島の人と暮らし」の記事一覧 - 屋久島六角堂便り~手紙
追伸
六角堂のちんたらBookCafeは、
諸般の事情により今しばらくお休みさせて頂きます。