屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島トリッコロール第26回 雲水去りて新たな仏登場 宮之浦 樹

拝啓

島にランチやお茶やお菓子を頂ける新しいお店ができればすぐ、遅くとも半月以内には伺う島暮らしでありながら、

1年前に県道沿いに新たな看板を見付けつつ、伺えていないお店がありました。

それがこちら。宮之浦屋久島高校の南側、かつての「雲水」さんの看板があった場所。

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「樹」と書いて“いつき”さん。

島の飲食店を案内するいくつかのサイトで「樹」さんの紹介記事を眺めつつ、

などなどetc.

昼の営業時間内に宮之浦を訪れる機会がないまま時は過ぎておりましたが……

今日の午前中、徳洲会病院の定期診察を受け、会計を済ませて薬を頂いたのが12時前。朝食抜きの空腹を満たす絶好の機会とばかりGOTO ITSUKI。

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すでに駐車場はほぼ満車。

幸い空いていたカウンター席の一番奥にちんまり座り、メニューを拝見。

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下調べで「チキンカツ定食+御膳」を頂こうと思っておりましたが、「夏の限定メニュー」が登場していて、その中に「チキンの黒酢あえ」が。

これまで屋久島島内で目にしたことのないメニュー。しかも季節限定とあらばこれしかないと定食で注文。

麦生では受信できないAMラジオのラジオショッピングを聴きつつ待つことしばし。

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サラダに小鉢、酢の物、香の物、茶碗蒸しに味噌汁付き。

まずはサラダをザザっと口に頬張り、モズクをツルンと頂いて、胃と舌の準備完了。

いよいよチキンの黒酢あえに箸を延ばせば……

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ほう、要するに鶏モモ肉の黒酢餡掛け。酢豚の鶏和食版。

肉は食べ応えがあり柔らかく、酢はとげとげしさが一切なくて甘味ほんのり。

ゴーヤのお浸しは全く苦みがなく、茶碗蒸しは出汁が効いた優しい風味。

以前ここで営業されていた「雲水」さんの料理との違いが鮮明に。

雲水さんのランチで頂いたカレーや

海老天丼は

どことなく野趣に富み、力強さを感じさせる料理。

言わば円空仏のような味わい。

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それに対して樹さんの料理は、滑らかさと優しさに満ちていて、

言わば広隆寺宝冠弥勒の如し。

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なんとなくでも通ずれば幸い。

で、茶碗蒸しには鶏のササミ?豚汁風の味噌汁には豚の代わりに鶏の胸肉?

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いずれにせよ、鶏肉がお好きな方は一度お試しあれ。

しっかりお腹も膨れました。

食後におまけで付いて来るコーヒーの味もまた和風。

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何処となくハトムギ茶のような風味も樹流なのかと。

 

板場にお二人、帳場とお運びに三人。

島の飲食店としては多めのスタッフ。

それを支えるだけのお客様がいらっしゃるということでしょうか。

末永い繁盛、お祈り申し上げます。

敬具

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