拝啓
10月27日は屋久島町町長選挙。立候補者はどうやら現職2期目の町長荒木耕治氏と新人で島の観光・農業・電気関連組合長を歴任された小脇清治氏のお二人の様子。
(それぞれのHPより写真を拝借)
先ごろまで、時折選挙カーが走り抜けたり後援会の方がポストに後援会報を投函されるぐらいで、これで選挙前かと思うほど静か。ネット上では無風そのものでしたが……
新人の小脇氏が後援会のHPを開設し、ブログ形式で訴えを発信。
フェイスブックも同時開設。
コメントやメッセージも直接送れるようになっています。
一方、荒木氏も10月に入って後援会のHPを立ち上げ。
実績や施策などを紹介。
ただ、高齢者のお宅も多いため島内パソコン普及率は2割ほどとも。
選挙運動の主戦場は昭和と変わらず地縁・血縁が中心。
「地元民」との濃く深い関わりを持っていない移住者の身にしてみれば、ある意味蚊帳の外状態。
それならばと、あれこれネットで検索してみると……
12年前の屋久島町合併第一回 屋久島町 町長選挙の折には、
「島内の市民グループが屋久島町長選挙の立候補表明者4氏を招き、26日より「政見講演会」を島内各地で開催」
と、現在配信休止の「屋久島タイムス」2007年8月25日の記事も。
今回の立候補者のお二人はその選挙にも立候補されていて、その時の公約も掲載されております。
「十年一日」の感もある、島の変わらぬ問題意識と課題に対する対応の遅さを痛感。
そんな折、「2019屋久島町長選挙立候補予定者公開討論会」開催のお知らせページが到着。
「屋久島で公開討論会を実現させる町民の会」の責任者は川村貴志さんという方のようで、一般社団法人リンカーンフォーラムの助言と援助により行われるとのこと。
日程上、公職選挙法に触れない形で実施するため、討論会とは言うものの事前に用意された質問に対する「一問一答形式」で候補者同士の討論はなしとのことですが……
小脇氏の話は「小脇清治と屋久島町の未来を語る座談会」で伺ったものの、荒木氏の肉声はおろか生のお姿も町長在任8年間、一度も拝見したことのない身なれば、どんな話をどんな表情でなさるのか見てみたいもの。
お二人とも選挙の公約やら政策やらを後援会広報などで訴えていらっしゃいますが、これから10年の屋久島町の基本方針は、この9月に発表された
「屋久島町第二次振興計画 わたしたちのまちの未来 屋久島町第二次振興計画 令和元年度~令和 10 年度 [第1版] 」で確定済み。
それをどのようなスタンスで、何に比重を置き、どのように展開するのかが町長によって大きく変わるのだと。
振興計画の最後のページには審議会会長の訴えが。
(前略)……多岐にわたる島の未来像が十分に描けているとは考えておりません。
どうぞご家庭で、各グループで、集落で、本書を踏み台にしてご検討いただき、ご意見を役場までお寄せいただきますよう、お願い申し上げます。
とりわけ、島の活性化の基礎を築いてきた集落の役割が今後いっそう高くなることが予想されます。
島づくりは文字通り村づくり、人づくりだと考えられます。
みんなで力を合わせて、住みよい屋久島町をつくってまいりましょう。
しかし、振興計画の冊子は予算が10万円しかつかず全戸配布は無理とのこと。
住民アンケートやタウンミーティングをもとに、住民代表も委員に加えて練り上げた振興策を、現職町長はどれほど真摯に受け止めているのか疑問も湧く次第。
町のすべての施策の基本となる振興計画の全文はネットで閲覧することができます。
まずはササッとあらましをご希望の方は「概要版」も
新庁舎がオープンして早々、5月には豪雨災害もあって観光客激減に悩む屋久島町。
県立屋久島高校は生徒数減で、今年の一年生はついに2クラスに。
保育所もデイサービス施設も人手不足のため、待機乳幼児や通所不可の高齢者も。
おまけに庁舎の瓦屋根は波打ち危険の指摘も……
今、町政に必要なのは、課題を抱える住民の声に誠実に耳を傾け迅速に対応すると共に、
振興計画に示された課題や目標を有機的に繋ぎ合わせ、より高次な解決を見出すための高い視点と深い見識を持つブレーンを役場内外に育てること。
それをより積極的に進めようとする候補者に、一票を投じたいと思うことしきり。
今回もまた、候補者を巡る様々な中傷誹謗・疑心暗鬼が島の里を巡っているようですが、どの選挙でも一番の課題は「無関心の壁」を打ち破ることかと。
敬具