屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

おみずの島プロジェクト [条例再検討] 荒れた施設と元気な女性cafe その3

拝啓

前回の「おみずの島プロジェクト [条例再検討] 荒れた施設と元気な女性cafe その2

からの続きです。

尾之間「文化の森」-「珈琲屋 木霊」から栗生「ラ・ポンタ」-「栗生加工センター」-「栗生漁港休憩所」-「ワイケーエス屋久島」と巡った帰り、立ち寄ったのは中間屋久島ライン 緑の回廊」

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島を訪れた観光客は大きな木製標識を見かけ、「道の駅」みたいなもんかいなと車を回す方も多いかと。少なくとも10年前の私はそうでした。で、島民ならご存知の通り……

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立派なトイレ以外はひたすら駐車場。水飲み場の蛇口は使用不可。

トイレ脇には観光案内プレート。

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平成11年に「みどりの回廊事業」により作られた公園。設置者は旧「屋久町」のまま。

そこで屋久島 黒崎公園」でネット検索すると、トイレの案内ばかり。

屋久島紹介サイト屋久島マルシェ」のサイト内検索では「黒崎公園」の検索結果「なし」。「緑の回廊」で検索し直すと、やはりトイレ案内で、しかも所在地は湯泊。

公衆トイレ(湯泊・緑の回廊) | 屋久島マルシェ

ついでながら、Googlで「屋久島 緑の回廊」「屋久島 黒崎公園」と検索すると、今から10年程前に六角堂を建てるにあたり実地調査した「島のバリアフリートイレ案内」を載せた六角堂HPが、かなり上位でヒットしてしまいます。嬉しいやら悲しいやら。

www.yakushima-h.com

そもそも「みどりの回廊事業」とは20年前に誰が発案し、どこが金を出した事業なのか。ご存知の方は是非教えて頂きたいもの。

林野庁が提唱している「緑の回廊」は「野生生物の移動経路を確保することで、より広範かつ効果的な森林生態系の保全を図る」もので、全く別物。

 

結局、「屋久島町 緑の回廊」でヒットしたのは屋久島町役場農林水産課からの次のお知らせ。

www.town.yakushima.kagoshima.jp

そこに載せられた中間の緑の回廊の「環境美化業務」の概要は

2 業務内容

(1) 対象施設の草刈作業(作業面積:約1,400㎡) ※ 作業範囲は、別紙図面のとおり。

(2) 支障木等の伐採(軽微なもの)

(3) 投げ捨てられた空き缶等のごみの適正処分

(4) その他施設の環境美化に必要な事項 
4 委託金額
・ 一金 91,000 円(消費税込み)
5 応募資格等

・ 町内で活動している各種団体(婦人会、老人クラブ、PTA組織、スポーツ少年 団保護者会等の営利を目的としない団体)

 

どこの団体が応募して受託されたのか存じませんが、ご苦労様です。

ただ、トイレと駐車場だけの施設、ネットでも検索できない公園では何とももったいない限りです。一湊「布引の滝公園」小瀬田「ふれあいパーク」も大同小異。

 

そこで提案-その1

回廊だの公園だのパークだのを観光客の期待に応え、地域活性と節税に役立てるため、

広大な駐車場や敷地の一角に中古のコンテナハウスの小屋を連ね

① 小瀬田の愛子の里やかつての麦生のむいごっこを参考に、地元の高齢者サロン兼用で地元野菜や地魚、かからん団子やツノマキなど「ばあちゃんの味」を販売。

② 島で小商いをしたい移住者などの若者に無料で出店を許可し、トイレや駐車場の管理を委託する。

 

半ば苛立ちにも似た思いを抱きながら車を東へと走らせている内に、腹の虫が泣き出して、昼食抜きだったことに気付く始末。

島を巡る観光客がよく陥る、3時を過ぎて食事のできる場所を見つけられない「ランチ難民」状態に。

しかし、屋久島来訪12年、移住6年の身であれば……平内「naa yuu cafe」さんへ。

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この日の「なーゆープレート」は二種類でしたが鶏のから揚げはすでに売り切れ、里芋の揚げ団子を注文してほっと一息。

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里芋の色っぽい艶と触感。

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ラストオーダー間際の遅い時間とあってか、お客様は顔見知りの移住者と長期滞在者がお一人ずつ、観光客のお客様が後から二名。

さて、

町役場の職員さんたちは、島巡りに付きまとう苦労や不満、すさんで空虚な施設の実態をどれだけ御存じなのか。

そしてまた、移住者女性が主として営んでいるお店にどのようなメニューがあり、どのような方がくつろぎ、観光客の期待に応えているのかご存じか。

それを知らずして、観光振興も、移住促進も地域活性化もありません。

 

そこで提案-その2
役場職員が自ら属する集落以外の地域や移住者の実態を把握し、

観光客や移住者のニーズに応え、
新たな特産加工品の開発や販売方式への援助を図る意識を向上させるため

① 二年間に限り年間ボーナスの3%分を食事代(アルコール不可)として支給する。
② 半年間で移住・長期滞在者が営む飲食店で飲食をし、店内風景と飲食物が写りこんだ自撮り写真を撮影する。
③ 当日中に訪れた飲食店や飲食物に関する感想など、必要項目について200字程度のレポートを書き、自撮り写真を添付して担当課にメールで送信する。
④ 各自のレポートは随時、職員間で閲覧・共有できるようにする。
⑤ 支払った飲食代は期日までに担当課に請求し、賞与3%の額を超えた費用については自己負担とする。

こうした職員自身の身を切る(身を肥やす)取り組みこそが、

2019年10月2日に公開された屋久島町第二次振興策」で挙げられた

www.town.yakushima.kagoshima.jp

次のような課題を克服させていくのだと思わずにはいられません。

[街の魅力を引き出し働き甲斐をつくる]

課題 新たな製品開発 43p 

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課題 新たな消費ニーズに沿った、創業、事業拡大への支援 44p

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課題 消費者ニーズに即した販売方法。戦略への対応 44p

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課題 宿泊や食に関する受け入れ施設の充実 49p

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島に山積する課題解決のポイントは屋久島アプリ「MAIDO屋久島=屋久島HOYHOY」の提案と同じく

① 課題をバラバラにとらえず、課題のつながりに注目する

② 町長や役場職員、議員や各種団体職員の意識改革を進める手立てを打つ

それなくして何の解決も見出すことはできないと確信しております。

 

さて、こうした素人考えの思い付きのような提案を、どうしたら町の行政に反映させることができるのか?

それを次回考えてみたいと思います。

敬具

6kakudo-tegami.hatenablog.com