拝啓
冷え込みがぐっと進んだ屋久島の朝晩。それでも夕暮れ時に入道雲が山陰に立ち、
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夜更けた海の漁火をぼんやり眺めるには絶好の季節。
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六角堂コテージにご滞在になるお客様のチェックイン後、思い立って自家栽培の屋久島産コーヒー豆を自家焙煎した珈琲を味わえると聴く麦生のアクセサリー屋「モストレル」さんに初めて足を運ぶことに。
場所は県道沿いの「HONU」さんから山側へ坂を上がってコテージ「ハナマナ」さんの少し手前。
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干し柿が吊るされたお店の玄関に味わいのある看板……ですが「珈琲乃郷」とは?
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いぶかりながら店内に入ると帽子やら
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見廻す内にMENUを見つけて一安心……したのも束の間、残念ながら屋久島産コーヒー豆は品切れで次のシーズンまで頂けないとのことでした。が、にこやかな女性の笑顔にコーヒーを注文。
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手回しミルで豆を挽き、ゆっくりドリップして下さっている間、おしゃべりしつつ店内巡ればおや、六角形。思わず親近感がぐっと増し。
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その下にある書棚の上に見つけたのは
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屋久島在住の写真家堀江重郎著「屋久島 神々からの伝言」南方新社、2018/7/17刊
裏表紙をめくると著者のサイン入り。聞けばここでガイドと夜光貝アクセサリーの販売をされているモストレルさんのお知り合いとか。では、ここのオーナーさんはモストレルさんかと尋ねれば、カウンター席にゆったり腰を掛けていらっしゃる郷さんなのだと。いや、失礼いたしました、それで「珈琲乃郷」。
埴生窯のカップに注いで下さった珈琲を啜りつつ、この夏出来立てホヤホヤの写真集をパラリ
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ネットで確認すると「20年近く撮り溜めた写真約15万点の中から109枚を厳選して掲載した、珠玉の写真集がついに完成。NHK「屋久島 空の黒潮―海から始まる命の物語―」に写真を提供し注目を集める著者、渾身の一冊」とのこと。また一冊、屋久島の恵みが結実したようです。
ちなみにその日コーヒーを淹れて下さったのは栃木から移住され、モストレルさんと一緒にここで手作り帽子を販売している娘さん。ブランド名は「DECO CHANG」。
営業許可の関係でドネーションとなっているお代を壺に入れ、居心地の良いお店を後にすることに。
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お見送りして下さったdecochangさん、干し柿が美味しくできますように。
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寒さが増したころには、店内の薪ストーブに火を入れて迎えて下さるとのこと。干し柿をあてに暖炉の脇で珈琲を頂ければ幸いです。
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敬具
これまで紹介した「屋久島ほんの気持ちばかり」インデックス
西邨マユミ著『キレイな人は「その一口」を大切にする 正しい食欲のつくり方』
石田紀佳著『魔女入門 暮らしを楽しくする七十二候の手仕事』
星野道夫著『魔法のことば 自然と旅を語る』
鳥居著『キリンの子 鳥居歌集』
石和鷹著『地獄は一定すみかぞかし 小説 暁烏敏』
前野隆司『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』
荒木経惟『いい顔してる人』
鍵井靖章『アシカ日和』
高田渡『バーボン・ストリート・ブルース』