拝啓
今回の参院選の投票率は54.7%で戦後4番目の低さとのこと。棄権した45.3%の有権者が、その意思にかかわらずこの国の現状を肯定し、進路を決めたと言えるかもしれません。
こうなるのは立場を共にする者同士、生身の声を交わす場が少なすぎるからかも。ネットやSNSで飛び交う言葉の多くは案外独り言の集積、あるいは気の合った仲間同士の相槌、屈折した不満や怒りの投げつけ、切れば血を吹き動けば汗する生身同士の関わりをためらう不安の中和剤。いくら「いいね」を増やせても、願う暮らし(社会)を支え合う仲間を増やすことはできません。
で、やっとここからが本題。「屋久島丼紀行 第38回 カフェ丼が切り開く未来」で「自家製ベーコンエッグ丼」をご紹介した宮之浦のヒトメクリさんを再訪。
「屋久島の自然や観光のあり方などを語り合い、考える場として、島内外への情報発信基地をめざし」「島の文化の発展・継承につながればという思い」で刊行された雑誌『ヒトメクリ』(http://hitomekuri.com/hitomekuri/current-issue/)の拠点。
今回は屋久島の鹿肉を具材にした「屋久鹿タイラーメン」がお目当て。カウンター席の窓ガラスには、ちゃんとその売り込みが。
席に置かれたメニューの案内を見れば……
wikipediaによれば……
「タイ料理では、ひとつの料理に辛味、酸味、甘味などが混ざり合い、複雑な味覚を醸し出している状態が美味とされている。このため食堂には砂糖、ナンプラー、唐辛子の酢漬け、粉唐辛子を入れた容器のセットが必ず置かれ、各自が供された料理を好みの味付けに整えてから食べるのが普通である」とのこと。
待つことしばし、調味料セットを引き連れてお待ちかねのラーメンが登場しました。
酢とナンプラーは多めに、唐辛子はほどほどに、砂糖は無しで……口の中でフォー(米粉麺)のツルリにナッツのクリリの触感と、ナンプラーや焦がしニンニクの芳香が響き合う楽しい一品を楽しませていただきました。
島の味わいでありながら島を越えた味わい。それを産み出すパワーに敬服。
さて人口1万3000人ほどの離島でありながら、島のあちこちのカフェや食堂(ヒトメクリさんを始め、トーンさん、ノマドさん、PONPONさん、ヨロン坂さん、ジャングルキッチンさん、ボンクラートさん etc.)では、年間を通して個性的かつ多様なライブが催され、カフェは感動を共有する場に育ちつつあります。
こうした趣味や気の合う仲間と今日を潤す「感じる翼」を広げつつ、好みや暮らしが違っても何かの願いで結ばれて明日を拓く「考える翼」を広げられたら何かが変わるかも。
ささやかに暮らす人と人とが瞳を合わせ、耳を傾け、今と未来を語り合うささやかな場を作り育てる。その面倒臭さや煩わしさを楽しさに変えられれば何かが動くかも。
六角堂スパイシーブックカフェ・イートハーブもその一翼を担えればと願う2016年7月10日、雷鳴とどろく鹿児島県知事・参議院議員選挙当日でした。
敬具
屋久島ラーメンの細道インデックス
安房 NABURA 「NABURA(油)そば」&「しょうゆダレラーメン」
尾之間 モッチョムビュー トーン 「ピリ辛みそラーメン」
宮之浦 味菜 「ちゃんぽん」
安房 こしば 「サービスランチ」
宮之浦 龍鳳「とんこつラーメン」
安房 ファミリーレストランかもがわ「とんこつラーメン」
安房 八重岳食堂 「ラーメン」
安房 じいじ屋「塩ラーメン+ミニ豚こつ丼」と「味噌ラーメン」
宮之浦 ランチボックス「らーめん+小どん」
宮之浦 王龍(わんろん)「屋久島黒ラーメン」
宮之浦 楓庵「屋久島もののけラーメン」
宮之浦 琉誠「屋久島ラーメン」