屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

うつむかず見上げてごらん地球人

拝啓

今日2月17日は延期されていたブラックホールや宇宙の成り立ちの解明に迫る天文衛星アストロHにChubuSat衛星2基と九州工業大学の鳳龍四号が相乗りしたH2Aロケットの打ち上げ。発射に間に合うように、いつもの撮影場所カヤックガイド「サウスアイランド」( http://www.south8940.com/ )さんのプライベートビーチへ。

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お向かいの種子島は夕暮れに加えて霞掛っていつもよりぼんやりしていますが、その分ロケットの噴射光ははっきり見えるのではないかと期待。

予定通り午後5時45分、島からオレンジ色の光が上昇しました。

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一旦雲間に消えたロケットは夕焼雲を突き抜けてぐいぐい上昇

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300mのズームレンズで機体もぼんやりですが判別できました。

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ロケット雲を引き出しながら昇るロケット

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一段目も無事切り離し

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月に向かって消えていきます

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迫る夕闇に残った雲は吉祥の龍のようでした

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天文衛星アストロHが知らせてくれる宇宙の姿は、自分がいかに小さな世界、瞬くほどの短い時間に生きているのかを再確認させてくれることでしょう。

H2Aの開発費約1,800億円、打ち上げ費用を含むアストロHの開発費約310億円も、73億の地球人一人ひとりの生き方や目指すべき世界のあり様を考え直させてくれるなら、安いものかもしれません。ちなみに、海上自衛隊のいずも型ヘリ空母は一隻1200億円(「いずも」と「かが」の2隻で2400億円)、航空自衛隊が導入するステルス戦闘機F35は1機200億円(42機購入予定で8400億円)なり。

ただ、屋久島では今回の天文衛星打ち上げへの関心は今一つのよう。打ち上げ時刻が近づいても種子島の見える浜から逆方向に向かう車が目立ち、下校途中の小学生もうつむきながら家路に急いでいました。世界中の子供たちが、空を仰いで未来を見つめる人に育ってほしいものです。

敬具