拝啓
さて、この正月は島の各地にある恵比寿様のお詣りをしてきました。なぜ恵比寿さんなのかと言われると語るほどのいわれはないのですが、昔から宝船に乗った七福神が何やら楽しげで好きでした。
真ん中にいらっしゃるのが恵比寿様
七福神は恵比寿の他に、大黒天(インドのヒンドゥー教のシヴァ神の化身マハーカーラ神で大国主命と合体した神様)、毘沙門天(インドのヒンドゥー教の闘いの神クベーラ神)、弁才天(インドのヒンドゥー教の女神サラスヴァティー神)、福禄寿(中国の道教の神で南極星の化身)、寿老人(こちらも道教の神で南極星の化身)、布袋(仏教の禅僧。弥勒菩薩の化身ともいわれている)がいらっしゃいます。
インドや中国など太古の日本人からすれば最先端の知識をもたらした「外国」からやってきた神さんに交じって、ただ一人恵比寿さんは日本在来の神様。イザナミとイザナギの間に生まれた漁業の神様です。ヒンドゥー、道教、仏教、そして日本の神道が仲良く一緒に乗ったちゃんぽん船が宝船。
また、海外からの漂着物のことを「えびす」と呼ぶ地域もあり、漁のときに漂着物を拾うと大漁になるという信仰もあるといいいます。流れ着いたものを得体のしれない災いをもたらす「異物」としてではなく、何やら面白い福をもたらすものとして受け容れる。それは日本人の本来の性分なのではないでしょうか。そんな海を渡ってやってきて福をもたらす七福神は、移住者の多い屋久島にぴったりかもしれません。
前置きが長くなりましたが、恵比寿さん詣で。島の南部、尾之間、原、麦生の恵比寿さんの様子は以前お伝えしました。(http://blogs.yahoo.co.jp/honeycomcabin/12581783.html)
今回からは島の東側、宮之浦から安房にいらっしゃる恵比寿さんの紹介です。
■ 宮之浦の恵比寿様
まずは、宮之浦の恵比寿さん。フェリーや高速船の着く島で一番大きな町宮之浦、その宮之浦港には二対の恵比寿様がいらっしゃいます。
一体は宮之浦港の脇の公園にいらっしゃる恵比寿さん。
釣竿を振り上げた凛々しいお姿です。
もう一体はシーサイドホテルに向かう上り坂の途中、ウィルソン株の模型に祀られた木霊神社の奥。海を見下ろす高台にいらっしゃいます。
穏やかな笑顔が素敵です。
敬具