屋久島のえべっさん巡り 特別編1 一湊の弁天さん
「えべっさん巡り」の特別編として、宝船に恵比寿さんと同乗していらっしゃる紅一点の神さん弁天さんについてご紹介いたします。
拝啓
前回の屋久島のえべっさん巡り 第10回(http://blogs.yahoo.co.jp/honeycomcabin/13133574.html)では一湊(いっそう)の村恵比寿さんを紹介。その道すがら訪れた一湊の矢筈嶽(やはずたけ)神社もご案内いたしました。ガイドマップなどでは八幡様が祀られているということになっておりますが、さる方のお話によると「弁天」さんも祀られているとのこと。
七福神の弁天さんは「弁才天」とも「弁財天」とも表記される七福神の中の紅一点。元々は古代インドのヒンドゥー教の女神サラスヴァティー神。聖なる河の神さんで、音楽神、学芸神などとして信仰されてきました。そんな訳で、えべっさんの持ち物が釣竿と鯛であるのに対して、弁天さんは楽器の琵琶を持っていらっしゃいます。
また、水つながりで弁天島や弁天沼など水にまつわる地名も多いようですが、屋久島は離島で海に囲まれている上、無数の川が森から海へと注いでいるのですから、弁天さんがどこにいらしても不思議ではありません。
そんな屋久島の最北端にある矢筈岬、一湊海水浴場の脇から岬の先端に進むと行き止まりの駐車場、そこから徒歩数分で木々のアーチから矢筈(一湊)灯台が覗いて見えます。

アーチを抜けると口永良部や遠くは鹿児島まで見渡せる断崖絶壁に、灯台がすっくと立っています。

この灯台に行く手前、「忠魂碑」の社の駐車場から海岸に下りていくと矢筈嶽神社があります。

鳥居のすぐ後ろには深い洞窟があり、その入り口をふさぐように立つ拝殿が奥の本殿を波風から守っています。

本殿の脇には大漁祈願の旗が幾本も立っていて……

この絵馬を見つけて喜んでいた矢先、宮之浦の益救神社の宮司さんに伴われて雅楽奏者の若者が笙(しょう)の演奏を奉納しにやってこられました。何というラッキーな巡り合わせでしょう。

装束を身に着け笙を手にする奏者の方

潮騒を伴奏に厳かな笙の響きが洞内に響き渡りました
こうしたひと時を得られたのも弁天様のお導きかもしれません。

敬具