拝啓
埴生窯の火は翌朝、1300度ほどまで上がっていました。
第三回 作家の執念と自然の力の競合
10月15日の朝八時過ぎに再び埴生窯を訪れると、火口は白く輝いていました。その火を見つめながら薪をくべる作家、山下さんの真摯なまなざし。
側面の火口からも吹き出し火。
火の力を確かめながら作家は持てる技を掛けて行きます。
登り窯最上段の煙突からは、炎が吹き上がり続けています。
どのように灰が解け、どんな色合いの作品ができるかは、窯の火が落ち、窯出しするまで作家すら知ることができません。
その仕上がりを見せて頂くことができたのは、窯出しをした18日の朝でした。
つづく