屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

Eriobotrya japonica のかぐわしさ

イメージ 1拝啓
 
屋久島に移住して一か月も経たぬ間に引越しの憂き目にあい、「手紙」もなかなか更新できずにおりました。

Yahoo!ジオシティーズの勝手な都合でジオログは閉鎖されることになり、Yahoo!ブログへの引っ越しとなりました。

さて、引っ越し後の最初の便りは、屋久島の小島地区でポン菓子を作りながらビワを栽培していらっしゃる「三畳食品」さんのご紹介です。
 
屋久島へ移住して10年ほどになる後藤さんは、耕作放棄されてジャングル状態にあった樹齢40年ほどのビワ畑を復活されました。三畳食品さんのHP(http://sanjousyokuhin.jimdo.com/)でその栽培の様子を知り、是非とも実ったビワ畑を見たいと思い、農場まで押しかけさせていただきました。
 
枇杷は中国南西部原産のバラ科の植物ですが、学名はEriobotrya japonica。日本には古代に持ち込まれたようで、インドではビワを用いた様々な療法が生まれたそうです。中国系移民がハワイに持ち込み、日本からはイスラエルやブラジルへと広められたとのこと。
 
そんあビワについて後藤さんから興味深いお話もいくつか伺いました。その一番の興味はビワの種についてのお話。以前からビワに含まれるアミグダリン(ビタミンB17)は抗癌作用があり、ビワの葉茶が良いとは聞いていましたが、ビワの種には葉の千倍以上もアミグダリンが含まれているとのことでした。
 
しかも種には杏仁(アンニン)のようなかぐわしさがあり、ビワの実のコンポートを作るときには種を取らず丸のまま使った方が香りが損なわれないということでした。
 
後藤さんの教えに従って砂糖のみで作ったコンポートは絶妙の味。次回は六角堂の指定銘柄プエルトリコ産ラム酒「ロンリコゴールド」を加えたコンポートも作り、瓶詰にしてお客様にお持ち帰りいただけるようにする予定です。
 
春に作った六角堂特製タンカンマーマレードは連休初めに売り切れ。初夏のビワコンポートも多くの方に召し上がっていただければ幸いです。
 
敬具