拝啓
庭のバナナが雨に打たれて弾けて来たので切り取って母屋に房吊り。
「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、
静さんが手に持つ花札を10月の「鹿と紅葉」に替えてから早や半月。
本当ならばちんたらブックカフェを開いているはずだったのですが、
あんなそんなこんな事情で、まだしばらく開けられそうにありません。
その経緯を少しばかり……
18年間連れ添った相棒ステップワゴンが走行距離36万キロを超えた辺りから病状悪化。
満身創痍、余命いくばくもなくなった彼を故郷京都を経由して、
後継者と引継ぎさせる死出の旅路に発ったのが9月12日。
途中、漏れ続けるパワステオイルを補充し、
ラジエターの水漏れを点検しつつ、
高速走行の振動で外れかけたウインカーをバンドエイドで補強しつつ、
堺のホンダ店に到着したのは9月14日。
最期のドライブは1134.6㎞。
18年の生涯走行距離は336,600㎞。
六角堂らしい綺麗な数字で最期を締め括ってくれました。
新たな相棒7歳年下2012年生まれのステップワゴンスパーダ君と別れの儀式。
六角堂に到着したのは9月19日でした。
その間、
新たな食との出会い。
屋久島にもこんなフルーツパフェや丼を出してくれるお店が増えてくれたらなどと願いつつ……
久しぶりに長男と次男の孫とも再会し、
どうぞみな健やかに、
どうぞ順番が狂いませんようにと願うひと時。
ちなみに二男の子供に誕生祝で贈った、屋久島尾之間の福島木工さん特製積み木はとても気に入ってくれておりました。
ただ、この往復の一週間の内4泊は車中泊の強行軍。
持病となっていた頸椎ヘルニアが再び痛みを増してしまいました。
リハビリを再開して少しばかりましになったので、
コテージのお客様の対応の合間にやり残した木工作業の最中、
そこで再びやってしまった腰と背中の筋肉痛。
三日ばかりこらえたものの収まらず鍼灸院へ。
疲労の蓄積によるものだと診断。
中秋の名月を眺めつつ、
はてさて困ったもんだと過ごしている内に、
月が替わった10月のある朝、再び事件が。
夜中の間にステップワゴンスパーダ君の助手席ガラスが割れてしまっていたのです。
JA共済の事故担当者にもあれこれ見てもらいましたが原因は特定できず。
保険で修理をすることになりましたが、
特殊なガラスの特注なので部品が来るまでの10日間、
テーブルクロス用の透明ビニールを張って過ごすことに。
その間、体を労わりながら気分転換すべくカフェ巡りをしながら読書に親しみつつ、
ブログで最近読んだ本や古い漫画の紹介記事を書きつつ、
ニャーの従業員宿舎の補修と冬支度を。
朝晩の冷え込みが進むにつれ、
血圧は上がる一方、脈拍は低いまま。
挙句の果てに血圧計が壊れてしまう始末。
やれやれとドラッグストアで今度は楽に測れるよう手首巻き式を買い求めて計測。
するとなんということでしょう!
最低血圧が100を超えたのも問題ですが、
脈拍の表示が「LO」。
どういうことかと取説読めば……
「脈拍数が少なすぎる(40回/分以下)可能性があります。再測定を行う」だと!
待ってくれよとパッケージを再確認すれば……
「測定範囲 脈拍 40~200拍/分」
40未満はありえへんてことかい!
「ドラモリお薦めの商品だからお安くなってます」って言うし買ったのに。
腹立たしいやら情けないやら、買い直すのも癪だけど……
そうこうする内、
今度は灯油タンクのオイル漏れ発覚。
ウクライナやロシア、ガザやイスラエルで戦火に倒れ逃げ惑う人々の苦労に比べれば、なんとも平穏な日々と言えるかもしれません。
それでも「人はいつか死ぬんじゃないわよ。人はいつでも死ぬの。」という樹木希林の言葉を思い起こさせるように、
島で多くの人に親しまれた整体の先生の訃報に触れ、
かつて親しんだフォークシンガー谷村新司の訃報に触れ、
ああそういえば、4月にアリスの「狂った果実」のことをブログで綴ったなあ
屋久島 Pork Song 第2回 パイナップルと悲しい玩具 万福 - 屋久島六角堂便り~手紙
などと感慨にふける秋の夜更け。
実は、先月のステップワゴンの旅の目的の一つは、
息子の家に置きっぱなしになっていた写真やネガを引き取って、整理したのち処分すること。
段ボール二箱分を新しい相棒に積んで戻ってきました。
今なお、手付かず。
明日を憂えぬニャーに、「どうしたもんじゃろう、のう?」と語り掛けても
聞こえぬ振りして毛繕い。
答えはやはり、自分で出すしかないようです。
敬具