拝啓
六角堂のモクマオウの先端で、
パートナーを求めつつ縄張りを主張して囀るヤマガラ。
沢沿いの樹々は緑のグラデーション。
庭のあちこちにツルバラやらなんやらかんやら、初夏の花が咲き始めております。
それをのんびり眺める間もなく庭仕事。
この日の午前中は母屋の海側の石垣に生えた雑木の伐採と草払い。
そして垣根の剪定。
ご来店のお客様から見える場所ではないのですが、
ここが藪になるとアシナガバチやスズメバチが巣をかけてひどいことになりかねません。
眩暈を覚えて一休みした昼過ぎ、
栗生の蕎麦屋松竹さんへ。
店の入り口には、早や藤の花。
旧暦飾りのお雛様のお出迎えで気分はゆるゆる。
今回は「豚丼しゃぶ丼セット、ざるそば大盛」を。
最近島でもよく見掛けるようになったムクモリの盛り付け。
それに小袋のコチジャンをトロリと垂らし、
敢えてぐしゃまぜにして賞味。
程よい甘辛さとしつこくない豚の風味に満足。
デザートのわらび餅を蕎麦湯で頂くのもまた有りかと。
さてぼちぼち六角堂に戻って残りの作業をと腰を上げかけたところ、
靴屋PON-PON&SUNGUN BURGERのオーナーさんがご来店。
ハンバーガー屋が『深夜食堂』のような居酒屋になってしまってから久しくお会いしておりませんでしたが、
ニヤニヤ顔で下さったのがこの名刺。
『お困りごと何でもご相談ください』古物商/便利屋「三丸(サンガン)」
代表 江口克司
夜は飲食、昼は便利屋、そしてまたある時は靴屋の兼業とは!
まだ小学校に上がっていないボンボンもいらっしゃる六人家族の大黒柱。
くれぐれも体を壊されないようにと願うばかり。
帰りの車中「人並みの暮らし」ってどんなもんやろうとぼんやり想えば、
ふと思い起こしてしまったのが1970年代にはまだ死語ではなかった、
大学受験にまつわるフレーズ。
『一浪(いちろう)人並み(ひとなみ)』
これには別のバージョンも。
現役 偶然、一浪 当然、二浪 平然、三浪 憮然、
四浪 唖然、五浪 愕然、六浪 慄然、七浪 呆然、
八浪 超然、九浪 天然、十浪 無為自然
高石友也の「受験生ブルーズ」が巷に流れたのは1968年。
今どきは一浪ですら「ありえない」と思われる方が圧倒的多数派かもしれませんが、
「自らの志望(夢)を諦めない」極少数派はいつの世にも。
切羽詰まった時は、
せめて人並みの生活をと願うのも道理ですが、
追い詰められてこそ、
やりたいことをやり抜こうとするのも自然。
残り少ない人生であればなおさら、
微力ながらもこの春卒園・卒業した園児・児童・生徒・学生達の未来の役に立てればと。
「お困りごとお手伝い致します!」とおっしゃって下さる「三丸」さん。
せめて人並み、
いやいやそれぞれの事情に応じた暮らしぶり、
できればほんの少しの贅沢をと願う、
島の庶民の暮らしの悩みを一挙解決すべく、
この秋の町長選挙への立候補を検討して頂ければ幸いです。
追伸
六角堂のお雛様はカフェのお客様をお迎えすることなく、お休みなさいに。
ニャーは昼寝三昧。
3月のカフェも結局開けられず仕舞い m(_ _)m
4月には何とか目覚められればと。
ついでながら、六角堂bookcafeに『深夜食堂』最新第26巻が入荷いたしました。
次回ご来店の際にはごゆるりご覧くださいませ。
敬具