屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島ボンボンポイ第59+2回 安房 Smiley & 永久保 雪苔屋 春の雪月花

拝啓

昨日の大雨の後、3月29日の夜空には朧月夜

f:id:y-6kakudo:20210329224239j:plain

何やら薄ぼんやりとしているのは中国から飛来した黄砂のせいか。

春霞と呼ばれるものの一部は黄砂によるものとも。

源氏物語の登場人物の一人、朧月夜は桐壺帝の右大臣の六番目の娘、六の君。

その名は大江千里の和歌に由来。

照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき

 

その午後、麦生の「桜とホタルの里公園」へ桜の様子を窺い行けば、

モッチョム岳はけぶるように霞んでおりました。

f:id:y-6kakudo:20210329224529j:plain

健気に咲いている遅咲きの桜を愛でる人なし。

f:id:y-6kakudo:20210329224634j:plain

一方、麦生の里の県道沿いでヒト目を引く花は、

舞う蝶のようなノウゼンカズラ科のタベブイア

f:id:y-6kakudo:20210329224712j:plain

そして滴るラッパのようなナス科のダチュラ。別名チョウセンアサガオ

f:id:y-6kakudo:20210329224946j:plain

ジャコウのような芳香を放ちますが、幻覚性の毒を持つためキチガイナスビとも。

 

間もなく島の其処此処では、野イチゴの実が結ぶ頃かと思いを馳せれば、

f:id:y-6kakudo:20210329230512p:plain

苺ケーキが食べたくなって、

伺った先は安房のスマイリーさん。

ママさんのお薦めに従って苺の入った「ミルクレープ」を頂くことに。

f:id:y-6kakudo:20210329225517j:plain

ブーケのように愛らしいお化粧をして登場したのが、乙女な一皿。

f:id:y-6kakudo:20210329225708j:plain

たっぷりの紅茶とよもやま話でご馳走様でした。

カフェスマイリー (cafe-smiley.com)

 

苺と言えば、少しばかり前に頂いた、

永久保の雪苔屋さんの苺を使ったパウンドケーキ

f:id:y-6kakudo:20210329225947j:plain

苺のアイシングを纏った愛らしい姿を見るなりフォークを突き刺し、慌ててパシャリと写真を一枚。

f:id:y-6kakudo:20210329230056j:plain

その翌週頂いたレモンケーキもまた、雪苔屋の気風溢れる逸品。

f:id:y-6kakudo:20210329230221j:plain

雪苔屋 おやつと珈琲 喫茶店 (wixsite.com)

六角堂の庭のレモンも一片ひとひら花びらを開いて香り立ち。

f:id:y-6kakudo:20210330095504j:plain

春霞たなびきにけり久方の月の桂も花や咲くらむ

紀貫之 後撰集18)


これにて雪月花の完成。

 

確定申告の作業も終えぬまま、行く末霞む晩春の島暮らし。


www.youtube.com

f:id:y-6kakudo:20210330093733j:plain

敬具

「屋久島ボンボンポイ」の記事一覧

「屋久島の生き物」の記事一覧