拝啓
六角堂の川縁では早やホトウの花がふっさり咲き始め
海には漁船がくるりと輪を描いて
ググリと寄れば釣り船なのか
走らす波の心地よさ
隣の畠ではポンカンの花が満開に。
山手に上がればタンカンの白い花が咲きそろい
ふうわり漂う甘い香り。
思わず頭に浮かぶのは
ミカンの花が咲いている♪の歌の冒頭。
はて、その先はどんな歌かとググってみれば
「みかんの花咲く丘」
作詞:加藤省吾 作曲:海沼実
みかんの花が 咲いている
思い出の道 丘の道
はるかに見える 青い海
お船が遠く かすんでる
黒い煙を はきながら
お船は どこへ行くのでしょう
波に揺られて 島のかげ
汽笛がぼうと 鳴りました
何時か来た丘 母さんと
一緒にながめた あの島よ
今日も一人で 見ていると
やさしい母さん 思われる
1946年8月25日に発表された、戦後童謡最大のヒット曲。
川田正子さんの Original.Verでお聴きになりたい方はこちらから。
https://www.youtube.com/watch?v=9JLubaIMfeI
花を愛でればおのずと腹も空くようで、向かった先は原の木村珈琲さん
まだ11時過ぎとあって人っ子一人いない店内。
Take Outをするのももったいないので、久しぶりに「店の空気」を満喫することに。
旬に草カンムリで筍。嬉しいことに山椒の葉がひらりと載ってまさに初夏。
豚汁の心尽くしの金時人参が心に沁みて、「京都の黒七味」をパパッとかければ後はハグホグ。
テイクアウトでは得られぬ、店の空気と店主のオーラが満ちた空間でこその味わい。
何を食べるか以上に、何処で食べるかが大切なのだと再認識。
で、遊んでばかりもいられないのでやるべきことをカタコト片付け、
夜の闇を待って出向いたのは六角堂から車で3分、
麦生の公民館裏にある「桜とホタルの里公園」。
昼間「下見」をした時も、人っ子一人いない公園は閑静そのもの。
ついに今年の桜は咲かず仕舞いでしたが……
午後8時過ぎ、再び訪れた人っ子一人いない闇の公園。
正面にはモッチョム岳に沈みゆくオリオンが。
そして川面に目を凝らせば……
フワ―ッフワ―ッと青白く光跡を曳く蛍が数匹。
手元に寄って来てくれぬだけ、一層味わい深い幽玄の世界。
やがて闇にふうっと呑まれて一向姿を見せぬので、空を仰いで北斗七星をパシャリ。
はてさてどうかと車に戻り、次に向かった先は、
県道沿いの町営住宅から坂を下った麦生漁港手前の橋の上。
おお、やはり此処にも居りました。
彼方の海はクルリクルリと灯台のような灯りが水平線を照らす闇。
天頂を仰げば、あれは果たして天の川か。
こんな初夏の里を、日本全国世界各地の皆様に味わって頂けないのが何とも哀しく。
しばし星を仰いでおりましたが、頸椎損傷の痛みに耐えかねカメラの三脚オロオロ畳み帰宅。
ブログを書きながら「朧月夜」を聴いていると切なさひとしお。
明日をよい日にできますように。
敬具