の続編です。
■離島の付加価値
1.島へのアクセスそのものを旅の楽しみに ①飛行艇の導入
■ 鹿児島離島空路と失敗したヤマハリゾート
「温帯から亜熱帯にわたる南北600キロの広大な県域に広がる26の島々は,真っ青な海をはじめとする温暖で豊かな自然環境や個性的な伝統文化,健康的で特色ある郷土料理など,個性あふれる島々ばかりです」
島にはトシドン、メンドン、トシトイドンなどが住んでいます。
勝手口が奄美空港と言ったところ。
大都市や国外と繋がる鹿児島と奄美大島を起点として離島が結ばれています。
JAC(日本エアコミューター)の路線は
離島同士を結ぶ路線は、
沖永良部と徳之島を結ぶ便ぐらい。
では、
飛行場がないのかと言えば、
古くから住んでいる屋久島島民なら記憶に残っているはずの
離島空港が存在。
週2便ほど運航。
実は、
この二つの空港は1970年代にヤマハリゾートが開発し、
現在は村が管理。
ヤマハリゾートはかつて、
屋久島の永田にも「石蕗舎」と言う名のリゾートを開発。
その様子は次のブログ記事でその片鱗を知ることができます。
その様子は次のブログ記事でその片鱗を知ることができます。
「ヤマハリゾート つわのや 今はなき超高級リゾートの栄枯盛衰」
http://achikochi.takema.net/kikai-ashizuririsort.htm
「船クルーザーや専用飛行機でこの島に着いた人たちに滞在型のくつろぎ時間を過ごしてもらった上で、今度は屋久島の石蕗舎に渡ってもらう、そしてさらに諏訪之瀬島を経由して、できれば沖縄まで足を延ばしてもらう。その経由地それぞれに豪華リゾート施設を設置しておく、というものであったようです」
http://achikochi.takema.net/kikai-ashizuririsort.htm
「船クルーザーや専用飛行機でこの島に着いた人たちに滞在型のくつろぎ時間を過ごしてもらった上で、今度は屋久島の石蕗舎に渡ってもらう、そしてさらに諏訪之瀬島を経由して、できれば沖縄まで足を延ばしてもらう。その経由地それぞれに豪華リゾート施設を設置しておく、というものであったようです」
これらのリゾートがいずれも失敗に終わったのは、
ある意味その「先進性」ゆえ。
半世紀後の今、ここから学ぶこと大かと。
半世紀後の今、ここから学ぶこと大かと。
■ 飛行艇の能力と魅力
悪石島、小宝島、宝島。
これらの島の多くには飛行場がありません。
そこで頼りになるのが飛行艇。
飛行艇と言われても、見たことが無い人も多いはず。
現在飛行艇を製造している国は、日本とロシアとカナダだけ。
しかも外洋に着水できて長距離を飛べるのは、
新明和工業が開発したUS-2型救難飛行艇だけ。
https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/us2/index.html
現在飛行艇を製造している国は、日本とロシアとカナダだけ。
しかも外洋に着水できて長距離を飛べるのは、
新明和工業が開発したUS-2型救難飛行艇だけ。
https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/us2/index.html
ヨットで太平洋横断中に遭難した
ニュースキャスターの辛坊治郎さんらを救助したことで、
航空ファン以外にもその存在を知られるように。
波高3メートルもの荒海に着水することが可能で、
滑走路への着陸では1.500m要しますが、
海への離着水距離は300mほど。
おまけに航続距離は4,700㎞と抜群。
滑走路への着陸では1.500m要しますが、
海への離着水距離は300mほど。
おまけに航続距離は4,700㎞と抜群。
US2救難飛行艇には、旅客輸送飛行艇への改造計画があり、
船だと片道25時間以上かかる小笠原の父島と羽田を2時間半で結ぶ構想も。
https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/us2/us2_passenger.html
船だと片道25時間以上かかる小笠原の父島と羽田を2時間半で結ぶ構想も。
https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/us2/us2_passenger.html
羽田空港からのジェット直行便や国際便の受け入れも可能にする計画との報道も。
(屋久島空港に国際便就航を検討 鹿児島県 : 屋久島ポストのニュース)
http://blog.livedoor.jp/yakushima_post/archives/16289780.html
(屋久島空港に国際便就航を検討 鹿児島県 : 屋久島ポストのニュース)
http://blog.livedoor.jp/yakushima_post/archives/16289780.html
大都市と屋久島を直接結び付ける島の玄関口の空港整備に
異議を唱えることは全くありません。
しかし、
中央との結びつきを強めることで
島(地方)を豊かにするという発想自体、
すでに限界が見えています。
■ 衰退を食い止める力
2014年、日本創成会議は2010年から2040年の間に、
20歳から39歳の若年女性の人口の減少率が
5割を超える自治体を「消滅可能性都市」とし、
さらに、
総人口が1万人未満になる自治体について
「消滅可能性が高い」と定義。
http://www.policycouncil.jp/
http://www.policycouncil.jp/
その基礎資料をみると、
20年後には西之表市の人口は屋久島を下回り、
種子島3市町と三島・トカラ両村の20~29歳女性は6割減にあるとの推計も。
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_2_1.pdf
20年後には西之表市の人口は屋久島を下回り、
種子島3市町と三島・トカラ両村の20~29歳女性は6割減にあるとの推計も。
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_2_1.pdf
島の若者が都市に流れ続けて行くのは、
都会への憧れや田舎の閉塞感への拒否だけではなく、
多くは経済的な理由。
島々に住む人々の暮らしを豊かにすることでしか、
島の衰退を食い止めることはできません。
それには島相互に互いの不足を補いつつ、
新たな価値を生み出していくヒトとモノ交流が不可欠。
そのためには中央とではなく、
お隣同士が手を取り合うための「足」が必要。
これから離島に求められていくのは、
一つの文化圏としての魅力。
大隅諸島の
黒潮と台風のコースに乗り、
船の運航ままならぬ地域同士を結びつける
「空の足」を飛行艇に担ってもらおうと。
それで言えば、
太平洋の小笠原。
枝分かれした対馬海流に沿う
二つが合わさるオホーツクの千島列島。
諸島(地域圏)の内々と、他の諸島(地域圏)同士を結び付け、
新たな視点で新たな「島国」の在り方を見出す起爆点に屋久島がなる。
新たな視点で新たな「島国」の在り方を見出す起爆点に屋久島がなる。
それが、
US-2改造外洋旅客飛行艇による
「ヤポネシアライン」構想。
「ヤポネシア」とは、
島々の連なりの一つとして日本列島を捉え直そうとする試み。
US-2が海上からスロープで陸に上がり、
人や荷物を届けるために必要なスペースは
100m四方で十分。
そこで先日、
私的「飛行艇基地候補地」の栗生漁港を視察。
近くは口之島、
栗生の海から飛行艇が飛び立つ姿が目に浮かぶよう……
と、かなり誇大妄想的になってきておりますが、
風呂敷も「大は小を兼ねる」。
風呂敷も「大は小を兼ねる」。
少なくとも、
今まで離島には目もくれなかった世界中の航空ファン(飛行機オタク)が、
飛行艇での諸島巡りしたさに集まってくること間違いなし。
US-2の民間タイプが実現するまでは、小型飛行艇の活用を。
遊覧飛行を手掛ける「SETOUCHI SEAPLANES」の
水陸両用機を使った瀬戸内海の遊覧飛行は大人気。
次回に続く
敬具