屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

海渡る人ヒマワリの迎えたり

拝啓

先日「屋久島ボンボンポイ第6回 大阪発カフェデザート その2 珈琲シーサーシーサー」で、小島のヒマワリ畑が見当たらなかったとお伝えしたところ、県道からは見えないカトリック屋久島(シドッチ記念)教会前の畑に咲いているとお知らせを頂きました。そこで午前中の仕事を済ませた昼下がり、再び車を走らせて小島の教会へ。
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農道には「ひまわり祭」の幟が立ち、東のモッチョム岳から連なる前岳を背に無数のヒマワリが冬の陽を浴びていました。
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のどかな風景が縮こまりがちな心をのびやかにしてくれます。

教会は通常立ち入りができないので、海岸べりの記念碑へ。
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こうした島の歴史を伝える石碑は島のあちこちにあるものの、そこを訪れる島民や観光客は少ないかと。
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日本での宣教を夢見たシドッチ神父がローマ法王の命を受け、密かに屋久島の小島(恋泊)に上陸したのは今から310年前、キリスト教禁制下の1708年10月11日。
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石碑の先にある断崖を登るシドッチの思いや如何にと思いを馳せるのもまた一興。

六角堂文庫にはシドッチ神父に関する本が2冊。
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一冊は古居智子『密航最後の伴天連シドッティ』。もう一冊は太宰治の短編集『晩年』。その中に収められた短編「地球図」がシドッチをモデルに書かれた作品。六角堂には「青空文庫」からダウンロードしたコピーもご用意しております。

いよいよシーズンオフを迎えた屋久島。奥岳に登らず海に潜らずとも、タンカン・ポンカン実る島の里をのんびり散策する旅をお楽しみいただければ幸いです。

敬具