屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

屋久島あいすくるりん 第7回 フルーツはパッションなのだと叫ぶ夏

拝啓

台風19号ソーリックさんは明け方には屋久島の北西海上に抜けていったものの海は大荒れ、昨日に引き続きフェリーも高速船も全便欠航。関西に向って進んでいる台風20号シマロンさんの影響で、明日のフェリーの運航も危ぶまれます。

夜8時のひまわり画像を見るとソーリックさんの目は眠たげになってきた一方、シマロンさんの目はクッキリ見開いてきたよう。

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GPV 気象予報の気圧・風速予測画像を眺めているとムンクの絵にも似て、台風の叫びが聞こえてきそうです。

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そんなさ中にもかかわらず「あいすくるりん」を書いているのは、夏も終わりに少なからず生じた焦りゆえ。あと十日もすればかき氷が店頭から消えてしまうかも。

その一方で、この台風が抜けきれば島には秋の気配が漂い始め、暑さとご滞在のお客さんへの対応で休業続きだったスパイシーちんたらカフェの営業再開も刻一刻と。

二つの台風と秋の気配に背中を押され、今回は島で評判のパッションかき氷カップル様のご案内。

まずは麦生集落のど真ん中、バス停そばの「バンビ」さん。

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店名入りの看板はなく、幟が立っている時が営業中のしるし。隣の空き地に車を止め、昔ながらの民家の土間そのものの店内に入れば、壁に手書きのメニュー。

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まずは、たぶんおばちゃん的にはッションのつもりであろうァッションフルーツ(時計草)」を注文。値段は書き換えられていても商品名を書き換えていないところがご愛敬。そして「宇治金時のミルクかけ」も。

カウンター下には2013年7・8月の両陛下カップル写真入りカレンダー。1980(S55)年、麦生の里が「全国農林水産祭 むらづくり部門」で日本一の「天皇賞」を受賞したことが影響しているのかしらん……思えば、今年は平成最後のかき氷。

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ゴーシャゴーシャと回るかき氷機を眺めて待つことしばし

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やってまいりました「ファッションフルーツ」かき氷。

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数年前に頂いたマンゴーかき氷と見栄えも味もよく似ていて、でも「ファッションだからこれでいいのだ!」と納得しつつ、匙付きストローでショコショコつついて堪能。

もう一つのミルクかけ宇治金時はなぜか白無垢姿で登場……

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「屋久島の宇治金時は白かったっけ?」と尋ねれば「あれ?ミルク金時のみぞれ掛けじゃなかったのかね?上から抹茶掛け足そうか?」と言われたものの、他のお客様への対応も忙しそうだったので遠慮して、そのまま頂くことに。金時の餡が粒餡ではなく漉し餡なのもおばちゃんらしい風味かと。

その数日後、生のパッションフルーツを買い求めがてら麦生の加工販売所「ぽん・たん館」へ。正式名称は「屋久町まごころ市 ぽん・たん館」、ぽん・たん=島の特産ポンカン&タンカン。上屋久町と屋久町が合併して屋久島町になったのは11年も前ですが、名称は「屋久町」のまま。付け足しみたいに「屋久島町」のプレートが下に付けてあるところが「バンビ」さんと似ていてノドカそのもの。

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その建物の入り口はいってすぐ右手が「ティールーム トローキ」。トローキ(轟のなまり)は千尋・竜神の滝を経て海にそそぎ落ちる鯛之川(たいのこ)最後の滝。ここには1,300年ほど前に島に立ち寄った「遣唐使吉備真備(きびのまさび)上陸の地」の標柱が立っている由緒正しき場所。

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「大好評💛当店自慢の限定 パッションフルーツかき氷」を注文。代金は離れた売店のレジで支払い、食券も何もないところに島のおおらかさが。JAの名札を付けた娘さんがシャリシャリ・カケカケしてくださるのを待つことしばし。

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シロップだけではなく実の粒々が掛け回されているところにポンタン館の心意気が見て取れます。

ぽん・たん館は屋久島町営農支援センターの一部だけあって特産品のガイドパネルや

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島の農業史のパネルなども掲げられ、買い物がてらお勉強もできます。

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パッションをWeblioの翻訳に掛けるとpassion
それを日本語へ翻訳掛け直すと
    (異性に対する)情欲
    色情
    恋情
    熱情
    情熱
    激情
    (理性と対比して)感情
    情感
    熱愛
    熱中

移住者が増えお店も増え続けている麦生の里、平成の次の世もpassion溢れる里であることを願ってやみません。

敬具

PS.
頂いたコメントから、Passion=受難とは神学用語で、イエス・キリストの裁判と処刑における精神的および肉体的な苦痛のための言葉。語源はラテン語のpassus(pati, 苦しむ patior- から生じた)という知識を得ました。

「パッションフルーツの「パッション」はキリストの受難: 極東ブログ」にはそのことが画像入りで分かりやすく紹介されています。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2011/06/post-560b.html

また次の記事にはpassionの語源について詳しい考察が記されています。よろしければご参照ください。
意味がいっぱい(その1)執筆者:田中千鶴香(実務翻訳者)『英文教室』の講義を受けて
http://www.wayaku.jp/blog/?p=474
意味がいっぱい(その2)執筆者:田中千鶴香(実務翻訳者)『英文教室』の講義を受けて
http://www.wayaku.jp/blog/?p=542
意味がいっぱい(その3)執筆者:田中千鶴香(実務翻訳者)
http://www.wayaku.jp/blog/?p=577

原題が「The Passion of the Christ =キリストの受難」というアメリカ映画『パッション』(メル・ギブソン監督、2004年)は、キリスト教や新約聖書で知られるイエス・キリストの受難と磔刑を描いた映画。機会が在れば観てみたいものです。




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