拝啓
先日、コテージにご滞在中のお客様を永田までご案内。横河(よっご)渓谷は豊かな緑と清流に満ち溢れ、

いなか浜は青い空海と白砂のコントラストが美しく、口永良部島は蜃気楼のよう。

浜でお客様とお別れした後、宮之浦のcafe & bar geckoさん(屋久島グッドモーニング第6回 碧い海と青い森が好き 朝7時開店)がご紹介くださった永田集落の中にできた珈琲販売店「理具庵」さんを訪ねることに。

店内には自転車旅行中のイタリア人と思しき男性お二人がくつろいでいらっしゃり、奥からはコーヒー豆の焙煎の香りが漂って。

珈琲を焙煎しているのは男性だとばかり思っていたら、出てこられたのは女性オーナーさん。「コーヒー一杯いただけますか?」と尋ねれば、「うちはコーヒー豆の販売所なので、召し上がっていただくのはお志で」とのこと。床に置かれた注意書きを確認すると

なるほど……そういうことなのねと了解した上で、「Today's meal」なんでしょうかと重ねて問えば「どうしてもお腹がすいて困ってらっしゃる方に、パスタなら」とのこと。とてもお腹がすいて困っていると告げるとOK。
席に着くなり目についた本棚をしげしげ。

そこから選んだ一冊は鳥居著『キリンの子 鳥居歌集』(アスキー・メディアワークス,KADOKAWA2016年)

キリンがどこに出てくるのかとページをめくるうちに珈琲が到着。

滑らかな味わいに浸りつつページを繰ると
虐げる人が居る家ならいっそ草原へ行こうキリンの背に乗り
ふうむと思ってあちこちページを繰れば
目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ
どんな著者なのかとカバー裏を確認すると

そこへナポリタンスパゲッティーが到着。

オーナーさんに「なぜこの本を手に取られたのですか?」と問えば、テレビで作者を取り上げた番組を観てとのこと。
アツアツのナポリタンスパゲッティでお腹を満たして「お志」を缶の中に入れ、珈琲豆を少しばかり分けていただきました。

店名の「理具」とは仏教用語で「本性(ほんじょう)を研ぎあげること」。4年ほど前に福岡から移住して焙煎をはじめ、昨年12月からお店を開いているとのこと。
メディテーションガイドや手織り工房もされているようで、詳細は下記からどうぞ。

出会った歌集「キリンの子」は永田までは遠くてなかなか行けない方のためにamazonで発注。よろしければ六角堂でも手に取ってご覧ください。
敬具
これまで紹介した「屋久島ほんの気持ちばかり」インデックス
石和鷹著『地獄は一定すみかぞかし 小説 暁烏敏』
前野隆司『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』
荒木経惟『いい顔してる人』
鍵井靖章『アシカ日和』
高田渡『バーボン・ストリート・ブルース』