屋久島六角堂便り~手紙

自然と人が織りなす屋久島の多様性を屋久島六角堂から折々にお伝えします

咲く花を背にし旅発つ島の子ら 帰ってきたくなる島づくりのために

拝啓
県道を走るとそこここで早咲き品種の桜が満開。屋久島麦生、公民館の裏手にある「桜とホタルの里公園」のソメイヨシノの具合はどうかと夕方ちょいと出かけると、まずは満開のツツジがお出迎え。

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そして入り日に浮かぶモッチョム岳を背景にレンゲとナノハナ一面に。

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公園内に植樹されてまだ年浅いサクラの枝先を仰ぎ見れば……

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ポツリぽつりと開き始めた花弁が色っぽく。来週にはお花見もできそうです。

さて、島の高3・中3はすでに卒業し、来週は小学校の卒業式も。屋久島高校のHPによれば昨年度の卒業生の内46名が島外に進学、また就職者22名中19名が島外へ。合計76名中65名が島を離れたとか。そのうちの何割が知識や技術や経験を重ねた後、再び島に帰ってきてくれるのでしょうか?

目にする方は少ないかもしれませんが、宮之浦のフェリー乗り場にはこんなポスターが張られています。

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紹介された屋久島高校のHPを開くと「島外の中学生の皆さまへ 世界自然遺産の屋久島で高校生活を過ごしませんか」のページがあり、下宿の世話もするとか。

そして小・中学生対象の「山海留学生募集」のポスター。

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案内に従い「屋久島町 山海留学」でネット検索すると募集案内が。

「屋久島町山留学Q&A」にはこれまでの留学生の総数も。
永田小 かめんこ留学(H9~)   236名
栗生小 まんてん留学(H15~)   51名
八幡小 じょうもん留学(H24~)12名
※一湊小黒潮留学と金岳小南海ひょうたん島留学生数は未掲載

島外から永田にこれほどたくさんの小学生がやってきているとは知りませんでした。

一方、屋久島町のHPの「平成28年度版統計やくしま」学校の統計(33ページ)によれば
http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/t_yakushima/wp-content/uploads/2017/05/8cdd5d1db7c50ebd9731a6ef0fdddeb5.pdf

9校の小学生は合計764名(55学級、教職員124名)
4校の中学生は合計364名(教職員58名)
鹿児島県立屋久島高校生は合計247名(教職員37名)

※広域通信制の私立おおぞら高校生は合計6,537名(教職員105名)

気がかりなのは小学校の学級数。永田小3学級、一湊小5学級、金岳小3学級、八幡小5学級、栗生小4学級で一学年一クラスの学級編成もできないようす。

島のお年寄りや定年退職後の田舎暮らしを求めてやってきた移住者への福祉や医療を支えるために多くの人材が必要。ましてや子育て世代にしてみれば、人口の減少による学校の統廃合や生活基盤となる商店や医療機関の衰退は大問題。そこで全国の様子を学ぶ材料はないものかと探してみるとありました。

「新・公民連携最前線 PPPまちづくり」のWEBサイトには人口増減率ランキング2016――全国TOP50」という記事があり

その一部を抜粋すると7位と10位にお隣の三島と十島が。

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33位には屋久島町と姉妹都市の盟約を結んでいる熊本県菊陽町も。

菊陽町の町民参画・協同推進条例は姉妹都市として大いに参考にすべきかも。

また人気の地方移住先ランキング  SELFTURN ONLINE(セルフターンオンライン)のサイトや

認定NPO法人 ふるさと回帰支援センターのプレスリリース2017年移住希望地域ランキング公開 」には移住促進のヒントが。

今住んでいる町民の暮らしを守り人を育てる町であればこそUターン、Iターンも増加するはず。今開かれている町議会の討議をしっかり見守りたい……のですが、その様子を知ることは国会の様子を知ることより難しいようです。

敬具

PS.屋久島町の小学校の様子は「Gaccom[ガッコム] 熊毛郡屋久島町の小学校-」でもうかがうことができます。ただし、統計年度が不詳です。